医療法人メディカルフロンティア

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コレステロールとは② 内服治療~スタチンについて

検診結果について 2019.07.02更新

検診にてコレステロールが高い(LDLコレステロールが高い)と指摘されて
医療機関を受診した場合前回のブログ(コレステロールが高いとは① LDLコレステロールとは)

にて説明したように食生活の改善を行うようにとまず指導を受けます
しかし丁度高コレステロールを指摘される年齢層において
食生活の改善と言われても仕事や付き合い、家庭環境の関係上非常に難しく、やはり薬物による
コントロールが現実的な対処であることは言うまでもありません。
ですので今回は高コレステロール血症で最近ファーストチョイス
とも言われていますスタチンについて今回は解説していきます。

スタチンとは(作用・効果)

難しい話は割愛しますが
肝臓におけるコレステロール合成を抑えるお薬で、主に血液中の悪玉コレステロールと言われる
LDLコレステロールを低下させる効果があります

スタチンの適応

適切な食事や適度な運動を心掛けていても、LDLコレステロール値が
高い状態が続く場合、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞
へと進む危険性が高くなるので、薬による治療を行います。

スタチンの種類(実際の薬剤名)

では実際のスタチンの種類です

なんとこんなに種類があります。

先発品

メバロチン細粒0.5%
メバロチン細粒1%

リピトール錠10mg
リピトール錠5mg

リポバス錠10
リポバス錠20
リポバス錠5

リバロOD錠1mg
リバロOD錠2mg
リバロOD錠4mg
リバロ錠1mg
リバロ錠2mg
リバロ錠4mg

ローコール錠10mg
ローコール錠20mg
ローコール錠30mg

メバロチン錠10
メバロチン錠5

クレストールOD錠2.5mg
クレストールOD錠5mg
クレストール錠2.5mg
クレストール錠5mg

後発品(ジェネリック薬品)

アトルバスタチン錠10mg
アトルバスタチン錠5mg
アトルバスタチンOD錠10mg
アトルバスタチンOD錠5mg
アトルバスタチン錠10mg「DSEP」

シンバスタチン錠10mg
シンバスタチン錠5mg

リポザート錠5
リポザート錠10
リポザート錠20

ピタバスタチンCa錠1mg
ピタバスタチンCa・OD錠1mg
ピタバスタチンCa・OD錠2mg
ピタバスタチンCa錠4mg

フルバスタチン錠10mg
フルバスタチン錠20mg
フルバスタチン錠30mg

プラバスタチンNa錠10mg
プラバスタチンNa錠5mg

メバレクト錠10mg
メバレクト錠5mg

ロスバスタチンOD錠10mg
ロスバスタチンOD錠2.5mg
ロスバスタチンOD錠5mg

先発品と後発品では効能の違いは基本的に無いといわれています

基本的に効能の差はなくどれも製薬会社の企業努力によって誕生した素晴らしい薬です。

スタチンの使い分け

ではこんなに種類がありますがどのように使い分けられているのでしょうか
実は薬によって薬効(強さ)が違います

先発品の強さの順です

    クレストール5㎎>リピトール10㎎≒リバロ2mg≧リポバス20㎎≒ローコール40㎎>メバロチン20㎎

また脂溶性水溶性の違いもあります

  • 水溶性 クレストール リポバス
  • 脂溶性 リピトール リバロ ローコール メバロチン

人間の細胞膜は脂溶性のほうが通過しやすいので、脂溶性のほうが様々な細胞に分布しやすいため
効果は強いが副作用がでる可能性が高いと考えられています

このような点を考慮しつつ年齢、LDLコレステロール値、他の合併症の有無、肝機能障害の有無などを
みながら処方薬を医師が決定しています。

副作用

一番有名なのは横紋筋融解症です。
骨格筋を構成する横紋筋細胞が融解し筋細胞内の成分が血中に流出する症状
またはそれを指す病気のこと。重症の場合には腎機能の低下を生じ、
腎不全により誘発される臓器機能不全を発症し、死に至る場合もある。
という恐ろしい病気ですが、発生頻度は0.02~0.03%程度でほぼ無いに等しいです
その他の副作用は胃腸症状、ミオパチー、肝障害とありますがほぼ無視してよいレベルです。

内服をする(スタチンを飲む)ということ

薬を飲むということはやはり副作用が心配になることは確かです
しかし、スタチン内服にによる副作用ともし飲まなかったときの心臓病になるリスクを
考えると明らかに後者の方が高いためやはり内服しておくこと越したことはありません。

病気の早期発見が本当に重要なのは言うまでもありません
ただその早期発見は「癌」にフォーカスされることが多いです。
確かに現代医学では癌は早期発見し適切な治療を施せばほぼ治る病気と言われています。
そして発見が遅れ末期症状になると完治の可能性は非常に低くなります。
ですが癌で突然死ぬという事はあまりありません。


しかし心筋梗塞や狭心症といった心臓病は突然死亡するというリスクをはらんでいます
その原因が動脈硬化で、その動脈硬化を起こす最大のリスクはLDLが高いという事です。
がんの早期発見はできますが、予防はできません。(癌の予防になると言われている食品などはありますがその効果は証明されていません)
しかし心臓病はLDLを適正な数値にすることで予防できます。そのためにははやりLDLが高い方はスタチンの内服を医師と相談されることをお勧めします。

 

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