お尻の筋肉の重要性をどのくらい知っていますか?

  • 整形外科

脊椎センター長監修記事

梅林猛

大島功生

池袋西口病院脊椎センター長/日本整形外科学会専門医/日本脊椎脊髄病学会指導医

池袋西口病院では脊椎手術に特化した(池袋西口病院脊椎センター)を運営しています。その施設の責任者である大島功生医師監修の下、リハビリテーションや脊椎疾患、手術術式についても寄稿していきます。

「姿勢が悪くなった」「お尻が垂れてきた」「大きなお尻は嫌だ」
こんなお悩みを抱えたことはありませんか?お尻の筋肉が弱くなると、まず最初に出てくることがこんなお悩みです。
「綺麗な姿勢になりたい」「キュッとした綺麗な小尻になりたい」
こういった願望を叶えるために重要になってくるのが、体幹やお尻の筋肉です。

今回は、お尻にどんな筋肉があるのか、どのような働きがあるのか、筋力低下によって体や動きにどのように影響を及ぼすのか、そしてどのように鍛えると効果があるのかを、簡単に紹介していきたいと思います。

整形外科全般・お腹の症状や人間ドック内視鏡検査ご希望の方は

池袋西口病院(整形外科全般・内科)⇐池袋駅徒歩5分
〒171-0021 東京都豊島区西池袋3-2-16

内科・整形外科電話予約は⇒ 📞03-3982-1161

WEB予約受付中!⇒<WEB予約>をクリック

腰痛、手足のしびれなど、お気軽にご相談ください。通院リハビリテーションもできます。

① 筋肉の場所と作用

お尻の筋肉を大きく分けると、大殿筋・中殿筋・小殿筋の3つに分けられています。
まず、最初にそれぞれの筋肉の場所と作用について解説していきます。

大殿筋

東京脊椎クリニック 腰痛 筋肉

  • 起始:仙骨と尾骨の後面、腸骨後方の後殿筋線の後部、胸腰筋膜
  • 停止:腸脛靭帯の近位部、殿筋粗面
  • 作用:股関節伸展、外旋、外転、内転

主な動作は、股関節の伸展(股関節を後ろに引く動作)で最も殿筋群の中で大きな筋肉です。大殿筋だけで殿筋群の大半を占めるほど大きく、強い筋力を発揮します。

中殿筋

  • 起始:前殿筋線と後殿筋線の間の腸骨翼の外表面
  • 停止:大転子の外方部
  • 作用:股関節外転、内旋、外旋

主な動作は、股関節外転(股関節を外側に開く動作)で、大殿筋の深部に存在します。

小殿筋

東京脊椎クリニック 小殿筋

  • 起始:前殿筋線と後殿筋線の間の腸骨翼の前方面
  • 停止:大転子の前上方面
  • 作用:股関節外転、内旋、外旋

主な動作は股関節の外転ですが、小殿筋は中殿筋の深部に存在し筋自体も小さいため中殿筋の補助的な役割を担っています。

以上のことから、殿筋群は骨盤から股関節にかけて筋肉が付着していることが、お分かりいただけたでしょうか。

では、その中で殿筋群はどのような役割を果たしているのでしょうか?

② 殿筋群が身体に及ぼす影響

東京脊椎クリニック ウエスト

骨盤から股関節にかけて付着している殿筋群は、体の中心に近い部分を支えています。そのため、筋力低下をしてしまうことで、日常生活において何かしらの支障をきたしてしまいます。
逆に言うと、殿筋群を鍛えることで以下のような効果を獲得することができます。

日常生活動作能力の向上

座る・立つ・歩くなど、基本的動作には殿筋群の活動が必要不可欠です。人間の基本的動作に密接に関わってくる殿筋群が低下することで、様々な日常動作に影響を及ぼします。例えば、立ち座りに手の補助が必要になってしまったり、歩く際にお尻を横に振ってしまったり、様々な異常な動作が現れてしまいます。
殿筋群は骨盤・下肢を支える要となる筋肉です。筋力をつける事によってラクに動けるようになり、日常生活動作の効率があがるため、疲れにくくもなります。

基礎代謝の向上

基礎代謝とは、体温の維持や呼吸など、人間が生きていく為に自動的に行っている活動をするための、必要最低限のエネルギーのことです。この基礎代謝とは筋肉量と関係しているため、筋肉量が多い人ほど基礎代謝が高いと言われています。
殿筋群(特に大殿筋)は下半身を構成する大きな筋肉の一つです。単体筋では身体の中でも一番大きな筋肉にあたります。大きな筋肉ほど代謝量が大きいため、殿筋を鍛えることが、基礎代謝の向上につながっていきます。

基本的な動作や運動能力の向上

スポーツ動作において、筋力低下が起こった場合にどんなことが起こるのでしょう?
スポーツ動作では、走る、投げる、打つなど、様々な動作があります。殿筋群が機能しない(筋力低下している)という事は、これらの動作をする際に、下半身を支えることが難しくなってしまう(グラグラする)ため、本来の運動能力が発揮できず、パフォーマンスが低下してしまいます。
そのほかにも、弱い下半身を無理矢理支えようとして、他の関節に負荷がかかってしまい、痛みや怪我につながることもあります。
殿筋群の機能を向上させるという事は、基本的な動作の効率を上げ、様々な運動能力のパフォーマンスを向上させることにつながります。

ボディーメイク効果

最近では、ダイエットやメリハリのあるボディーを目指して、筋トレをしている方も多いのではないでしょうか?
殿筋群は大きな筋肉なので、鍛える事でヒップラインの引き締め効果が得られます。さらには骨盤に付着している為、姿勢改善やウエストの引き締め効果も得ることができます。

③ 殿筋群のトレーニング方法

前述したとおり、殿筋群の筋力低下は、身体の他の部位に負担がかかる事で姿勢異常や痛みが出てくる可能性があります。日常生活にも影響を及ぼし得るため、筋力を維持・向上させていくことが重要な筋肉であるとも言えます。
では、殿筋群はどのように鍛えるといいのでしょうか。

殿筋群と一まとめにしていても、実際には大殿筋・中殿筋・小殿筋で動作が異なります。ここからは、それぞれの筋肉に効果的なトレーニング方法を、簡単に説明していきたいと思います。
※回数や負荷は、以前のブログ『筋トレって重いものを持つだけでOK?』を参照にしてみてください。

大殿筋
<寝たままできる運動>
・ヒップリフト
1.仰向けに寝て膝を90°に立てる
2.肩・腰・膝が一直線になるようにお尻を上げる
(お尻を上げた際きゅっと締めるようにするとさらに効果的です)
※腰をそらないようにお腹に力を入れましょう
※踵をあげないようにしましょう

東京脊椎 美尻ストレッチ

・うつ伏せ
1.脚を伸ばしてうつ伏せになる
2.鍛える側の脚を、膝を伸ばした状態でゆっくり上げる
3.ゆっくり下ろす

東京脊椎クリニック うつ伏せ

<四つ這いでできる>
・バックキック
1.四つ這い位になる
2.鍛える方の脚を後方へのばす
3.伸ばした状態で床と水平になるように持ち上げる
4.3.の状態からゆっくり戻す

東京脊椎クリニック 腰尻ストレッチ

<立ってできる>
1.鍛える脚を伸ばしたまま後ろに引く
2.後ろに引いた状態でお尻に力を入れる
3.元の状況に戻す
※バランス取る為につかまってOK

中殿筋・小殿筋
<寝たままできる>
1.鍛える側を上にして横向きで寝る
2.ゆっくり上にあげる
※足を正面に向ける(天井に向けない)
東京脊椎クリニック 横ストレッチ

<立ってできる>
1.鍛える側の脚を伸ばしたまま側方に挙げる
2.ゆっくり下ろしていく
※股関節の位置は曲げず、伸ばさず、真っ直ぐ下ろした位置をキープする
※鍛える側にゴムバンドを巻き反対側に固定する事で負荷を強くできます

まとめ

東京脊椎 美尻 
たくさんの患者さんを治療していて感じることは、現代病とも言える腰痛を訴える人の多くが、体幹だけでなく殿筋群も弱い人がたくさんいる印象があります。
健康のため、スタイルアップのため、腰痛対策のためなど目的は様々ありますが、お尻を鍛える事はメリットだらけです。
是非、鍛えてみてQOL(生活の質)を上げてみてください!

整形外科全般・お腹の症状や人間ドック内視鏡検査ご希望の方は

池袋西口病院(整形外科全般・内科)⇐池袋駅徒歩5分
〒171-0021 東京都豊島区西池袋3-2-16

内科・整形外科電話予約は⇒ 📞03-3982-1161

WEB予約受付中!⇒<WEB予約>をクリック

腰痛、手足のしびれなど、お気軽にご相談ください。通院リハビリテーションもできます。