田中医科器械製作所にて打ち合わせをしてきました(鋼製小物とは)
医療法人メディカルフロンティアでは
2020年夏に脊椎手術に特化した最新医療施設(東京脊椎クリニック)を開設します。
今回は手術に使用する鋼製小物の打ち合わせに田中医科器械製作所へ打ち合わせに行ってまいりました。
田中医科器械製作所は手術に必要な鋼製小物を主に制作している会社です
こちらの会社は1916年創業でなんと100年以上も歴史があり特に脊椎関連に関する機械においてはかなり多くのシェアーを誇る企業です
また、なんとこちらの本社工場が東京脊椎クリニック建設予定地の目と鼻の先、田端新町にございます。
これは本当に幸運な事で後述する鋼製小物は当然人間の臓器に接する重要な機械であるため、購入してからも微調整が必要な場合が多々あります
そういった事態になっても対応できる工場がこれだけ近所にありますと本当に心強い事です。
ではまずどういった機械を使用して手術を行っているのかその一部を解説します。
鋼製小物とは
一般的に有名で日常的にも良く聞く名前のものでいえばピンセットやハサミなども手術用の鋼製小物の一つです。
また手術道具特有の聞きなれないものとしては組織や血管をつまむ「鉗子(かんし)」や術野を確保する目的で手術創を広げるために用いる「開創器(かいそうき)」
先端で内部を切除して取り出す「鋭匙(えいひ)」、皮膚や血管を縫うために針を保持する「持針器(じしんき)」などこれらのなかでもかなり
細かく分類され長さも様々な種類があり膨大なバリエーションとなります。
俗にいうピンセットです。先端に歯のようなものがついているのが有鈎(写真右)いないものは無鈎と言います。使い分けは柔らかく傷つけやすいデリケートな組織をつまむ場合は無鈎(写真左)を使いますしっかりつまんでも問題ない組織の場合は有鈎を使います。
ハサミ(剪刀)です。先端が尖っているものや丸いもの、カーブしているもの、長さが違うものなどかなりの種類があります。
鉗子です。これがおそらく一番種類が豊富かもしれません。血管鉗子、剥離鉗子、鋭匙鉗子(えいひかんし)などかなりの種類があります。
開創器です。これもたくさんあります。写真下は良く脊椎手術で使用されます
持針器です。これでカーブしている針をつかんで皮膚や血管などを縫合(縫う)します
出典:※田中医科器械製作所
簡単に主なものを説明しましたがこれ以外にもかなり多くの手術機械があります。
機械の作成と工場
今回工場も見学させて頂き持針器のできる工程も見せてもらえました。
画面右の原型から叩いたり削ったりして右の金色の持針器になるそうです
職人さんの作業机です。
いろいろな加工の機械もありました。
研磨も実演してくれました。
最後に
何気に日常的に手術で使っている鋼製小物ですがこれだけの職人が手間暇かけて作っていることに感銘を受けたと同時にやはり様々な人や会社に支えなられながら医療は成り立っているのだなと痛感いたしました。
今後とも我々は関係者の皆様へ感謝の気持ちを忘れずに、より良い医療を提供できるよう努力していきます。