ストレートネック（スマホ首）は精神的、身体的な不調に!?簡単に続けられるストレッチで改善
院長監修記事
梅林 猛
東京脊椎クリニック院長/日本脳神経外科学会専門医/日本脊髄学会指導医
医療法人メディカルフロンティアでは脊椎手術に特化した医療施設(東京脊椎クリニック)を運営しています。その施設の責任者である梅林猛医師監修の下、脊椎疾患や手術術式についても寄稿していきます。
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現代人にとって欠かすことのできない存在となったスマホですが、スマホの見過ぎが原因となって、ストレートネックになる方が増えてきています。
ストレートネックになると、肩こりや頭痛、目の疲れ、自律神経系の症状など、さまざまな不調に見舞われる可能性があります。
そこで、ストレートネックを改善するためのストレッチや、ストレッチ以外の改善法についてご紹介したいと思います。
【目次】
■ストレートネック（スマホ首）の悩みは普段の姿勢に原因が
■ストレートネック（スマホ首）を治す！効果的なストレッチ方法をご紹介
■ストレッチ以外の改善方法について
■まとめ
ストレートネック（スマホ首）の悩みは普段の姿勢に原因が
ストレートネックは、首の骨（頚椎）がまっすぐに近づき、頚椎アーチが失われることを意味します。
それによってさまざまな不調のリスクが増すのですが、ストレートネックになっている方の多くに不良姿勢がみうけられます。
●デスクワークの方やスマホをよく使う方は要注意！
ストレートネックは文字通り首の骨がまっすぐに近づいてしまうことなのですが、その原因の多くが不良姿勢です。
デスクワークを長時間おこなう方や、スマホをよく使う方にストレートネックが多くみうけられるのは、顔を下に向ける時間が長いからです。
頭は体重のおよそ10分の1の重さがあるとされていますが、首の骨の弯曲が正常であれば、首にかかる負荷をナチュラルに減らすことが可能です。
ところが、下を向く時間が長くなればなるほど、首にかかる負荷はどんどん増していきます。
その結果、首周りの筋肉がガチガチに硬くなってしまうのです。
ガチガチに硬くなった筋肉は、徐々に首の骨を引っ張り始めます。
そのような習慣が継続することによって、結果としてストレートネックになってしまうわけです。
●ストレートネックにともなう代表的な症状
ストレートネックになった場合、主に首のこりや肩こり、頭痛、目の疲れといった症状が現れやすくなります。
また、首は自律神経の働きに大きく関与する場所であるため、首の筋肉がガチガチになることで、睡眠の質が低下したり、身体の回復力が低下したり、精神的な不調が出たりするリスクも増します。
【POINT】
・ストレートネックは首の骨がまっすぐになってしまう現象のこと
・ストレートネックのほとんどは不良姿勢によって起こる
・ストレートネックになるとさまざまな不調のリスクが増す
ストレートネック（スマホ首）を治す！効果的なストレッチ方法をご紹介
ストレートネックになってしまうと、身体的な悩みだけでなく、精神的な不調が現れる可能性もあります。
そこで、ストレートネックの改善におすすめのストレッチを紹介したいと思います。
●1分以内で簡単にできる！座ってリフレッシュできるストレッチ
ストレートネックの改善にストレッチが効果的だと分かっていても、仕事をしているとついつい同じ姿勢を続けてしまいがちです。
そこで、1分以内でできる簡単なストレッチを3つ紹介します。
仕事の合間や一息ついたときに実践して、ストレートネックの改善に取り組んでください。
・側屈ストレッチ
側屈ストレッチは、頭を左右に倒すだけの簡単なストレッチです。
首の横には斜角筋（しゃかくきん）という筋肉があり、この筋肉が硬くなることで、首のこりや肩こり、頭痛のリスクが増します。
右側の斜角筋をストレッチする場合、左手でこめかみのあたりを押さえ、軽く引っ張るようにして頭を左側に倒します。
30秒したら反対側も同様におこないましょう。
・回旋ストレッチ
回旋ストレッチは、顔を左右に回すストレッチです。
首には胸鎖乳突筋（きょうさにゅうとつきん）という筋肉があり、頭蓋骨と鎖骨、および胸骨を結んでいます。
この筋肉が硬くなることで顔が前下方へと引っ張られ、ストレートネックのリスクを増すこととなります。
右側の胸鎖乳突筋をストレッチする場合、ゆっくりと顔を左に向けましょう。
30秒したら反対側も同様におこないます。
・タオルを使った簡単ストレッチ
両手でフェイスタオルを持ち、髪の毛の生え際当たりにタオルの中央部を当てます。
両手を動かさないようにして、頭を後ろに倒し気持ちよくストレッチしましょう。
このストレッチをおこなうことで、首の前側と後ろ側の筋肉を効率よく伸ばすことが可能です。
いずれのストレッチにも当てはまりますが、反動をつけずゆっくりとおこなうことがポイントです。
また、痛みがあるときには無理をしておこなわないようにしましょう。
●習慣づけてストレートネックを改善するストレッチ
ストレートネックは日ごろの生活習慣の結果として起こるので、ストレートネックを改善する習慣を身につけることも大事です。
そこで、ストレートネックを改善するために習慣化できるストレッチを2つご紹介します。
・あご押しストレッチ
椅子に腰かけ、顔を前に出した状態で、親指と人差し指であごを抑えます。
指であごを後方へ押しながら、背筋を伸ばすように動かしましょう。
・寝たままストレッチ
ストレートネックのほとんどは不良姿勢が原因となりますが、その最たるものが猫背です。
猫背になると必然的に顔が前に倒れるため、ストレートネックになるリスクが増すわけです。
そのため、骨盤を起こして姿勢を改善するストレッチが有効となります。
ベッドや布団にあおむけになり、両膝を両腕で抱えるようにして、臀部の筋肉を気持ちよく伸ばしましょう。
毎日続けることで骨盤周囲の筋肉がゆるみ、猫背の改善につながります。
リラクゼーション効果も期待できるので、寝る前におこなうことがおすすめです。
●肩こりや頭痛、目の疲れが出てきたときに！不調を整えるツボ
ストレートネックにともない、実際に不調が現れた場合、ツボ押しが効果的です。
症状別に簡単にできるツボ押しをご紹介します。
・肩井
肩井（けんせい）のツボは、両方の乳頭をまっすぐ上に移動した肩の頂点にある肩こりのツボです。
右の肩井は左手の中指、および薬指の腹で気持ちよく刺激しましょう。
反対側も同様におこないます。
・風池
風池（ふうち）のツボは、頭痛や目の疲れに効果的なツボです。
首の両側に盛り上がっている筋肉がありますが、その筋肉を上にたどり、髪の毛の生え際に至った両サイドに風池のツボがあります。
頭を上から両手で包み込むように把持し、両方の親指の腹で斜め上に押し上げるようにしてツボを刺激しましょう。
・合谷
合谷（ごうこく）のツボは、東洋医学では万能穴と呼ばれるくらい、いろいろな症状の改善が期待されています。
特に、肩から上にみられる症状に有効とされています。
合谷のツボは、手の親指と人差し指の付け根にあります。
右の合谷は、左手の親指を用いて、右手の小指方向へ押すようにして刺激しましょう。
反対側も同様におこないます。
【POINT】
・ストレートネックの改善には座ったままできる簡単なストレッチがおすすめ
・ストレートネックの原因となる骨盤周囲の筋肉を緩めることも効果的
・実際に症状が出ている場合はツボ押しもおすすめ
ストレッチ以外の改善方法につい
ストレートネックは日常の生活習慣の結果として起こるものなので、日ごろからストレッチをおこなうなどすることが重要です。
ただ、自分ではストレートネックがなかなか改善できない場合や、つらい症状に悩まされている場合、次のような施術がおこなわれることもあります。
●電気治療
低周波治療器や高周波治療器といった電気治療器には、筋肉の緊張を緩和し、血液の循環を促進する作用があります。
それによって、ストレートネックの原因となる筋緊張の改善が期待できます。
●手技療法
電気治療ではなかなか筋緊張が緩和しない場合、手技によって硬くなった筋肉をほぐすケースもあります。
特にストレートネックにともなう肩こりや頭痛、目の疲れなどの改善に効果的とされます。
●姿勢矯正
ストレートネックのほとんどは不良姿勢によって起こるため、姿勢矯正をおこなうことで、ストレートネックの根本的な原因を取り除くことも重要です。
なぜなら、電気治療や手技療法は筋肉の緊張を緩和し、血行を促進するのにとても有効な施術ですが、姿勢が悪いとまたすぐに筋肉が硬くなってしまうからです。
【POINT】
・ストレートネックの改善に電気治療が有効なケースがある
・手技療法でストレートネックの原因となる筋緊張の緩和が期待できる
・ストレートネックを根本から改善するためには姿勢を改善することが重要
まとめ
ストレートネックはある日突然なるものではなく、日常の生活習慣の結果として起こるものです。
そのため、日ごろから改善に取り組むことが重要です。
ストレートネックの改善には、その原因となる筋緊張を緩和するためのストレッチが効果的です。
お風呂上りや寝る前に、仕事の合間に、積極的にストレッチをおこないましょう。
それでもストレートネックにともなう症状が改善しないときは、当クリニックでの治療をおすすめします。
正しい姿勢を身につけ、ストレートネックを根本から改善しましょう。
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