医療法人メディカルフロンティア

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腰椎側方椎体間固定術(XLIF)とは(術式、適応疾患、術式、合併症等)

経皮的バルーン椎体後弯矯正術(BKP:バルーン カイフォプラスティ)
頚椎・腰椎疾患について 2019.11.02更新

医療法人メディカルフロンティアでは
2020年夏に脊椎手術に特化した最新医療施設(東京脊椎クリニック)を開設します。その施設の責任者である梅林医師監修の下、脊椎疾患や手術術式についても寄稿していきます。
さて今回は第16回目「腰椎側方椎体間固定術(XLIF)」についてです。

脊椎の手術は一般的にうつ伏せのみ上体で後ろから手術することが多いのですがこの手術の特徴としてはまず横向き(側臥位)から手術を行います。その後多くの場合いうつ伏せ(伏臥位)となって椎体の固定を行います。
脊椎外科分野において近年、革命的な進歩をもたらした手術方法です。腰部脊柱管狭窄症や椎間孔狭窄、変性側弯症・後弯症などの脊柱変形などの手術治療において、従来はPLIFやTLIFといった、後方からまず骨(椎弓)を削って神経の圧迫を取り、その上で神経をよけてさらに奥にある椎間板にケージというスペーサーを挿入する必要がありましたが、XLIF やOLIF という全く新しい手術手技では骨を削る必要がなく、側腹部(脇腹)からの小さな傷で済むため、以前は大量の出血を伴う大手術であった高度脊柱変形の手術も、安全かつ低侵襲で行うことが出来るようになりました。さらに脊椎の後方要素を構成する脊柱起立筋群や椎間関節を切開しないで温存することができます。さらに従来よりもはるかに大きなケージを挿入することが出来るため骨との接触面積が大きく、腰椎の並びが整うことによって、 間接的に神経の圧迫が解除されます。 圧迫が解除され、不安定な腰椎が安定化すると、 馬尾神経の血流が整うので、回復力が残っている神経の機能改善が期待されます。また骨癒合しやすいこともメリットのひとつです。

腰椎側方椎体間固定術(XLIF)

手術時間 2時間程度
入院期間 7日~14日
社会復帰 3~4週
通院期間 3~12カ月
麻酔方法 全身麻酔
手術体位 横向き(側臥位)

適応疾患

腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、腰椎変性側弯症(成人脊柱変形)腰椎後弯症、腰椎分離すべり症

術式

仰向けの状態で全身麻酔を導入します。その後横向き(側臥位)へ体位変換します。左の脇腹を約3~5㎝程度切開し後腹膜側から筋肉をよけ器具を挿入します
椎体の前方に到達します。痛みやしびれの原因になっている椎間板を特殊な器具を使いながら切除し、ケージというスペーサーを挿入します。
脇腹の傷を縫合した後うつ伏せ(伏臥位)となりレントゲン透視化にて経皮的椎体固定術(約1.5cmの傷口を開け、金属のボルト等で背骨を固定します。)を行います。狭窄が高度で、圧迫が解除されない場合は二期的に後方からアプローチして、 直接神経の圧迫を除去する手術を追加することがあります。

X-LIF

XLIFケージ

XLIFケージ2

術後経過

手術翌日より起立・歩行を開始します。入院期間は最短で約7日程度ですが、病態により異なります。また、手術後は硬いコルセットを3か月程度装着します。

合併症

  • 一過性に大腿部の筋力低下や感覚障害(ケージの挿入の際に膝や大腿を持ち上げる大腰筋からアプローチするため)
  • 腎臓、尿管、大腸などの後腹膜腔臓器の損傷や、動静脈損傷
  • ケージの脱落
  • 脊髄や神経根の損傷による下肢麻痺、下肢知覚鈍麻、排尿排便障害
  • 硬膜(頚椎の中で脊髄を包んでいる袋状の組織)の損傷、及びこの硬膜の中に含まれている脳脊髄液が創部から体外へ漏れること。及びこれに引き続き生じる髄膜炎
  • 切開した部分の血腫(けっしゅ)形成による神経麻痺・下肢痛
  • 感染
  • その他のまれな合併症として深部静脈血栓症。肺炎などの感染症など
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