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頚椎前方固定術とは(適応疾患、術式、術後経過、手術合併症)

手術の説明
頚椎・腰椎疾患について 2019.09.12更新

医療法人メディカルフロンティアでは
2020年夏に脊椎手術に特化した最新医療施設(東京脊椎クリニック)を開設します。その施設の責任者である梅林医師監修の下、脊椎疾患や手術術式についても寄稿していきます。
さて今回は第12回目「頚椎前方固定術」についてです。

脊椎の手術は一般的にうつ伏せの状態で後ろから手術することが多いのですがこの手術は仰向けで首の前側から行う手術です。
病変の部位が後ろからアプローチするより前側からの方がアプローチしやすい病態に対して行われます。頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどで、神経を圧迫している部分が、脊髄や神経根よりも首の前の方にあるため、前方から入っていくことで、原因となっている部分を 直接取り除くことができます。
ただし、首の前には当然、気管や食道、外側にはには総頚動脈・静脈をといった重要な臓器がありこの手術は十分な経験と卓越した技術が必要である事は言うまでもありません。

頚椎前方固定術

手術時間 1椎間1時間程度
入院期間 10日~14日
社会復帰 3~4週
通院期間 3~12カ月
麻酔方法 全身麻酔
手術体位 仰向け(仰臥位)

適応疾患

頸椎症、頚椎椎間板ヘルニア、頚部後縦靭帯骨化症

術式

頚部の右側(場合により左側)に皮膚切開を行います。その後手術用顕微鏡にて、気管と食道を正中に引き寄せながら頚椎の前面に到達し、頚椎の一部を削り、脊髄の方へと進みます。

脊髄に対する圧迫を除去できたことを確認後、頚椎に出来た空間に、ケージなどの人工物(インプラント)を挿入し、創部ドレナージと呼ばれる細い排液用の管を留置して手術を終えます。

前方固定術とは

前方(首の前)からのアプローチです。

頚椎 前方固定術

上図のように圧迫部位にアプローチして責任病変を切除できるので効果が高い手術です。

デメリットとしては写真のように大きく骨や軟骨が欠損するため、その部分に大きい人工物(インプラント)を挿入して欠損部に充填する必要がある点です。

症状が現局していたり、金属アレルギーがある場合は小さな穴のみで、除圧のみ行う場合もあります。

 

術後経過

手術終了後の頚椎を保護する目的で頚椎カラーを装着します。手術日はベット上安静ですが翌日から歩行を開始します。
術後の状態で2~3か月程度のリハビリが必要な場合もあります
退院後2~3カ月程度は神経症状の診察と頚椎X線撮影による頚椎のチェックを行います。

手術合併症

頚椎前方固定術は重要臓器がくびの前にあり、手術用顕微鏡を用いて精密に行いますが、以下の合併症が起こるリスクがあります。

  • 食道・頚動脈の損傷
  • 硬膜(頚椎の中で脊髄を包んでいる袋状の組織)の損傷、及びこの硬膜の中に含まれている脳脊髄液が創部から体外へ漏れること。及びこれに引き続き生じる髄膜炎
  • 頚椎を削除する際に使用する高速回転のドリルによる脊髄・神経の損傷(損傷の程度により四肢麻痺、上肢麻痺などが生じる)
  • 術後の血腫形成による脊髄圧迫(四肢麻痺の危険性)
  • 移植骨の脱落・骨折など
  • 創部感染
  • 採骨部の痛みやしびれの持続
  • 上肢の挙上障害
  • その他のまれな合併症として深部静脈血栓症。肺炎などの感染症など

 

出典:※日本整形外科学会「頚椎椎間板ヘルニア」

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