医療法人メディカルフロンティア

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インフルエンザ(最近のトピックや予防など)

インフルエンザ
その他疾患について 2019.12.11更新

医療法人メディカルフロンティアでは日々の医療関連ニュースや健康情報についても解説しています
今回のテーマはインフルエンザについてです。
当院「さわやかクリニック」においても企業様向けに出張ワクチン接種を行っております。

インフルエンザ最近のトピックス

一般的な症状や予防法に関する情報はいたるところで耳にすると思いますので割愛させて頂き、最近話題について触れたいと思います

意外と知られていない感染経路

知らずのうちに感染源
インフルエンザウイルスは飛沫感染というくしゃみや鼻水、唾液などが空気中に散布され、しれを吸い込んだ方が感染します。すいこんで感染し症状がでるまで、約2日。その間は感染に気付きません。ところがこの期間にもウイルスはどんどん増殖していますので、症状が出なくて普通に生活をしていて知らずのうちにウイルスをまき散らしています。
これが感染拡大の原因といわれています。

ワクチンの意外な弊害

インフルエンザワクチン
インフルエンザワクチンは確かに予防においては有用で完全にブロックできないまでも感染した場合の症状を軽くすることでも知られています
ところがインフルエンザに感染しているにも関わらずこのワクチンを摂取しているため症状が軽く、実際感染している事に気づかずウイルスをばら撒いてしまうという事が少なからずあるそうです。

インフルエンザの流行は冬とは限らない

一般的にインフルエンザは冬に流行します。なぜなら空気が乾燥してインフルエンザのウイルスが飛びやすいためと考えられています
ところが2019年は夏にインフルエンザが流行しました。
これは気候による感染拡大以前にそもそものウイルス量が増加したためと推測できます
原因は訪日観光客の増加によるもにが考えられています。
日本の夏は南半球の国々では冬です。日本感染症学会も指摘していますが
南半球からの訪日客がウイルスを運んできた可能性が考えられるようです
そして来年は、さらに夏夏にインフルエンザが大流行するのでないかと予想されています。来年は、オリンピックが開催され、大挙して観光客が訪れることが予想されるからです。
インフルエンザの予防接種を受けてから、ウイルスに対する抗体の効果が出るまで2週間程度かかり、4週間でピークに達する。来年は、夏前からインフルエンザに注意したほうが良いかもしれません。

インフルエンザの治療薬

以前はタミフル内服一択だったのすが最近かなり治療薬が増えましたのでここでご紹介します

タミフル(内服薬)

世界初の抗インフルエンザ薬です。
A型インフルエンザおよびB型インフルエンザに有効。
粉薬とカプセルがあり、生後2週目のお子さんから使用できます。
平成28年12月16日から、1歳未満の赤ちゃんにも健康保険でタミフルを処方できるようになりました。
処方量(薬の量)が赤ちゃんは多めです。
生後2週目~1歳未満の赤ちゃんには、1歳以上のお子さんの1.5倍量を投与することになっています。
飲み方としては1カプセルを1日2回5日間連続服用します

リレンザ(吸入薬)

5歳以上のお子さんに処方致します。
リレンザは吸入する抗インフルエンザ薬です。
この薬はご自宅でパウダー状の薬を自分で口から吸入する薬です。
5歳以上のお子さんで、上手に吸入できる方に使用します。
A型インフルエンザ、B型インフルエンザ両方に効果があります。
使用方法として1日2回1日2回5日間連続吸入します。

イナビル(吸入薬)

これが個人的には一番お勧めです。
長期間持続効果があるため
なんと1回の吸入で治療が終了します。
イナビルはリレンザと同様、吸入する抗インフルエンザ薬です。
A型インフルエンザ、B型インフルエンザ両方に効果があります。
使用方法は一回の吸入で終わりです
小児は
10歳未満のお子さんは1容器20mg(2吸入で治療終了)
10歳以上のお子さんは2容器40mg(4吸入で治療終了)

さらに家族でインフルエンザが発生した際の感染予防にも使用できます
*後述参照

ラピアクタ点滴薬

点滴でから全身に投与する抗インフルエンザ薬です。
小児科領域では急速に進行する重症肺炎やインフルエンザ脳症が疑われなどの入院加療が必要なお子さんに対して慎重に使用されるています。
通常は重い基礎疾患を持つお子さんや、重症化しやすい重症心身障害のお子さん、発達障害等で普段から服薬・吸入が極めて困難なお子さん、に
使用します。
A型インフルエンザ、B型インフルエンザ両方に効果があります。

ゾフルーザ錠

ゾフルーザ

ゾフルーザ錠は日本で開発され、世界に先駆けて平成30年3月に発売された、日本発の抗インフルエンザ薬です。
ウイルスに対する作用が今までの薬剤と異なる、新世代の抗インフルエンザ薬です。
特に、ウイルス排出停止までの時間が短い(人に移す期間が短い)傾向があり感染拡大の予防にも効果があると考えられています
A型インフルエンザ、B型インフルエンザ両方に効果があります。
しかも一回の服薬でインフルエンザ治療が完結します。
ただしゾフルーザはこの薬が効かない低感受性株(耐性菌)の出現頻度が高いとも報道されており
今後の追跡調査が待たれるところです。

もし家族でインフルエンザが発生したら

家族がインフルエンザ
当然隔離して接触を断つのが一番の予防策となります。
しかしお子様や介護を必要としている老人、そもそもトイレや洗面を共用で使用するため現実的には完全隔離は不可能です。
そこでインフルエンザの治療薬(抗インフルエンザ薬)を事前に内服、もしくは吸入することによって、体の中でインフルエンザウイルスが増えるのを抑え、抗インフルエンザ薬を予防的に使っていると、インフルエンザウイルスに感染しても体の中でウイルスが増えにくくなるため、結果としてインフルエンザの発症を予防できるのです。
そのためインフルエンザの予防に使うことが認められています。
そこでどの薬をつかうのが効果的かといいますとやはり2回の吸入で効果が持続するイナビルが有用でしょう。

イナビル
ただし予防接種同様自費診療となりますので健康保険は使用できません。

特に以下の方は予防投与の適応となります。

  • 65歳以上の高齢者
  • 気管支喘息など慢性の呼吸器疾患がある
  • 心不全など慢性の心臓病がある
  • 糖尿病などの代謝性疾患がある
  • 腎臓病がある

いずれにしましてもかかりつけの医療機関にご相談の上医師による
診察をうける必要があります。

東京脊椎クリニック2020年7月開院

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