医療法人メディカルフロンティア

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腰椎椎弓形成術(椎弓切除術)とは(術式、適応疾患、手術の流れ、予後等)

経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術(PELD/PED)
頚椎・腰椎疾患について 2019.10.02更新

梅林猛
医療法人メディカルフロンティアでは脊椎手術に特化した東京脊椎クリニックを運営しています。施設責任者である梅林猛医師監修の下、脊椎疾患や手術術式についても寄稿していきます。
梅林 猛
東京脊椎クリニック院長
日本脳神経外科学会専門医
日本脊髄学会指導医

さて今回は第14回目「腰椎椎弓形成術(椎弓切除術)」についてです。

主に黄色靭帯骨化症や骨棘形成などによる脊柱管狭窄症に対する、腰椎部分の椎弓の一部を切除して脊柱管を広げ圧迫を解除する手術です。
広範囲に椎弓を切除する広範囲椎弓切除術と、術前の症状に応じて必要な部分だけを切除する部分椎弓切除術(開窓術)があります。
広範囲椎弓切除術は、除圧が確実に行える反面、術後に脊椎が不安定になる可能性があり、しばしば椎間固定術が併用されます。
その適応はかなり広く治療効果の高い手術の一つです。

腰椎椎弓形成術

手術時間 30分(1椎間)
入院期間 5~7日
社会復帰 2~3週
通院期間 2~3か月
麻酔方法 全身麻酔
手術体位 うつぶせ(腹臥位)

適応疾患

腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアなど

術式

腰~背中の部分に皮膚切開を行います(除圧によって切開に長さは異なります)皮下組織や筋肉をよけ腰椎の後面を露出させます。
棘突起と呼ばれる背骨の飛び出している部分(背中を触ると触れる部分)を切除し、椎弓の一部を切除して脊柱管を広げ圧迫を解除します。黄色靭帯が脊髄を圧迫している場合、椎間板ヘルニアが脊髄を圧迫している場合はそれぞれ切除して圧迫を解除する場合もあります。さらに椎弓の切除範囲が広い場合などで腰椎の安定性が損なわれるおそれがある場合は腰椎固定術を併用する場合があります。
腰椎椎弓形成術(椎弓切除術)

術後経過

患者さんの状態によって異なりますが、広範囲椎弓切除術の場合は、術後数日の安静が必要となります。部分椎弓切除術の場合は術後2~5日目からの歩行が目安となります。
最低でも1ヶ月間はコルセットを装着します。

合併症

手術の大部分は手術用顕微鏡を用い、明るい術野のもとに、神経や血管などの色々なものを大きく拡大しつつ慎重に行いますので、手術用顕微鏡を使用しない場合と比べて安全でありまれではありますが、以下のような合併症があり得ます。

  • 脊髄や神経根の損傷による下肢麻痺、下肢知覚鈍麻、排尿排便障害
  • 硬膜(頚椎の中で脊髄を包んでいる袋状の組織)の損傷、及びこの硬膜の中に含まれている脳脊髄液が創部から体外へ漏れること。及びこれに引き続き生じる髄膜炎
  • 切開した部分の血腫(けっしゅ)形成による神経麻痺・下肢痛
  • 感染
  • その他のまれな合併症として深部静脈血栓症。肺炎などの感染症など

出典:※日本脊髄外科学会「腰部脊柱管狭窄症」

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