いびきの音量は「飛行機並み」って本当?騒音レベル(dB)で見る「睡眠のノイズ問題」

いびきは飛行機内の騒音レベル

「いびきって、飛行機の機内みたいにうるさいよね」
同室のご家族やパートナーから、こんな一言を言われたことがある方も多いはずです。

結論から言うと、飛行機が飛んでいて外から聞く音量は140dBといわれています。さすがにそのレベルの音量がいびきで出しているわけではありませんが、機内での騒音に近いレベルの音量が出ている場合はあります。

飛行機の外観

いびきは 50〜60dBを超えることも珍しくなく、状況によっては「生活の質」を削る十分な騒音になります。米国睡眠医学会の紹介記事では、いびきの強さを40〜45dB(軽度)から、60dB以上(非常に重い)に分類する扱いも示されています。

飛行機の「機内」は一般に60〜88dB程度とされ、巡航中は80〜85dBが典型という専門家コメントも報じられています。
つまり、いびきが重い人は「機内の騒音に近い領域まで上がる」ことがあり、体感として「飛行機並み」と表現されても不思議ではありません。

今回は、dB(デシベル)という物差しで、いびきと飛行機騒音を比較しながら、なぜ問題が起きるのか/何を優先して対策すべきかを整理します。

dB(デシベル)を知ると、いびきの「厄介さ」が見えてくる

dBは、音の強さ(音圧レベル)を表す単位です。ここで大事なのは2点。

(1)dBは「足し算」ではなく「対数」

ざっくり言うと、10dB上がると体感的にかなりうるさくなります。
40dB→50dB→60dB…と、数字の増え方以上に、ストレスが増えやすいのが特徴です。

(2)「距離」と「場所」で全然違う

同じ音源でも、耳元か、1m離れているか、壁があるかで体感は変わります。
飛行機のエンジン音は外では極めて大きい一方、機内は防音・遮音設計で下げられています。いびきは音源(のど周辺)が同室の数十cm〜数mにあり、しかも逃げ場がありません。ここが「家庭内騒音」としての厄介さです。

2)いびきは何dB?「会話レベル」〜「重い騒音」まで振れ幅が大きい

いびきの音量は人によって差があり、一定ではありません。ただし、研究・報告ベースでは「軽度〜重度」の分類が示されており、米国睡眠医学会の紹介記事では、いびきの強さを 軽度(40〜45dB)/中等度(45〜55dB)/重度(55〜60dB)/非常に重い(60dB以上) と分類しています。

また別の研究では、ピークのdBを用いて評価し、45dB(A)を超える強い「騒音レベル」のいびきが一定割合で観測されたという報告もあります。

ここでポイントは、いびきは「平均」だけでなく、瞬間的にピークが立つこと。
同室で寝ている人は、そのピークで目が覚めることが多く、「たまにうるさい」より「断続的に起こされる」ほうが消耗します。

3)飛行機は何dB?「機内」と「屋外のジェット離陸」は別物

飛行機の離着陸の騒音

飛行機の音は、場面でまったく違います。

機内:60〜88dB、巡航中80〜85dBが目安

報道では、機内騒音は60〜88dB、巡航中は80〜85dBが典型とされています。
さらに、機内環境の評価研究でも、一定割合の便で8時間平均85dB(A)付近を超える可能性が示され、長時間曝露の観点が論じられています。

屋外(ジェット離陸):140dBという別世界

医学系の資料表(家庭・環境音の比較表)では、ジェット離陸が140dBとして提示されています。
これは「音源近く」の話で、寝室で同等が起きるという意味ではありません。ですが、“飛行機並み”という比喩が、イメージとしてどれほど強烈かが分かります。

4)比較するとどうなる?「いびき=飛行機」ネタの正しい使い方

ここまでを整理すると、こういう構図になります。

  • 一般的ないびき:40〜60dB台が中心(分類上)
  • 重いいびき:60dB以上に達し得る(分類上「非常に重い」)
  • 飛行機の機内:60〜88dB、巡航中80〜85dBが典型
  • ジェット離陸(音源近くの目安):140dB

つまり、SNSでよく見る「いびき=ジェット離陸140dB!」は盛りすぎになりやすい一方で、重いいびきは「機内に近い領域」まで上がり得るので、同室者が「飛行機みたい」と感じること自体は、数字としても理解できます。

5)「うるさい」だけじゃない:夜間騒音は「睡眠の質」を削る

夜の音で一番厄介なのは、耳が慣れにくいことです。
世界保健機関(WHO)の夜間騒音ガイドライン(欧州)では、屋外夜間騒音について 40dB(Lnight,outside)を目標、難しい場合は55dBを暫定目標という考え方が示されています。

もちろん「寝室の実測dB」と「屋外指標」は同一ではありません。ですが、夜間の音が小さくないほど、睡眠の分断・翌日のパフォーマンス低下につながりやすい、という方向性は非常に重要です。

6)いびきが「飛行機化」する条件 なぜ日によって差が出るのか

いびきが急にうるさくなる日には、だいたい理由があります。代表例は次の通りです。

  • 飲酒・寝不足・疲労:のど周辺の筋緊張が落ち、振動が増えやすい
  • 仰向け:舌やのどの形が変わって通り道が狭くなりやすい
  • 鼻づまり/口呼吸:のどが乾き、粘膜の振動が起きやすい
  • 体重増加:首回り・舌周辺のボリュームが変わり、狭窄が増えやすい

このあたりを押さえるだけでも、いびきのピークが立つ頻度が下がる人がいます。
ただし、根本原因(鼻/のど/舌)が強い場合は、セルフケアだけでは頭打ちになることもあります。

7)対策は「原因の場所」で選ぶ 遠回りしないために

いびき対策は「有名なものから試す」より、どこが狭くなっているかで選ぶのが合理的です。

  • 鼻の影響が強い:鼻づまり・口呼吸を整えるアプローチが優先
  • のど(軟口蓋)タイプ:振動部位が明確なら、そこを狙う設計が重要
  • 舌が関係:仰向けで悪化しやすく、姿勢や条件設計も効果に直結

同じ「うるさいいびき」でも、原因の場所が違えば、効きやすい打ち手も変わります。
ここを外すと、「続けたのに変わらない」「戻ってしまう」という遠回りが起きやすくなります。

8)当院の考え方 いびきレーザー治療の位置づけ

上野いびきクリニックのいびきレーザー治療

上野いびきクリニックでは、いびきを「原因の場所(鼻・のど・舌)」の観点で整理し、適した方針を組み立てます。特に、のど(軟口蓋)由来の振動が強いタイプでは、狙う部位が明確になりやすく、いびきレーザー治療は合理的な選択肢になりえます。

一方で、鼻づまりや姿勢・生活条件の影響が強い場合、そこを無視すると効果が安定しにくいことがあります。大事なのは「何をやるか」以前に、どこが原因かを推定して、設計として組むことです。

まとめ

「いびきの音量は飛行機並み」──これは盛りすぎのケースもありますが、重い人では“機内騒音に近い領域”まで上がり得るため、同室者にとっては十分に深刻な騒音問題です。
同じ「いびき」でも原因は人によって違います。最短で改善したい方は、まず原因の推定から始めましょう。上野いびきクリニックでご相談をお待ちしています。

出典:American Academy of Sleep Medicine(AASM)

Snoring: a source of noise pollution and sleep apnea predictor

The Washington Post:Roaring engines, blasting movies: Is air travel hard on your hearing?

American Family Physician(AAFP)

World Health Organization(WHO) Night noise guidelines for Europe

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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷和之

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之

2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務

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