最新いびきレーザー治療:Dual Deep Thermiaとは 2(効果の見込み、具体的手順、安全性、費用、注意点)
前回はおおまかなDDT治療(Dual Deep Thermia)について解説しました。今回はより深堀して
解説します。
Dual Deep Thermiaの効果見込み
Dual Deep Thermia(DDT治療)は、まずはいびきの音量・頻度を下げることが主目的です。プラセボ(偽治療)と比べた臨床試験でも、Dual Deep Thermiaの方が**“社会的に問題になるいびき”が有意に減った**
と報告されています。本人だけでなく、同室者(パートナー)の評価も改善しています。
治療は、照射で組織を切ったり削ったりするのではなく、熱刺激でコラーゲンの収縮・再構築を促す考え方です。
そのため、施術直後に劇的というより、3回程度照射終了後、数週間〜1〜2か月かけて“寝息が静かになってきた”と
感じるケースが多いタイプの治療です。
治療の流れ
当院でも実践しているDual Deep Thermia(いびきレーザー治療)の流れについて解説します。

1)問診票記載:いびきの頻度や音量、体位(仰向けで悪化するか)、日中の眠気、起床時頭痛、夜間覚醒、家族からの指摘、飲酒・睡眠薬・喫煙、鼻症状(鼻閉・アレルギー)を丁寧に聞き取ります。
既往歴(心肺疾患、咽頭疾患、過去の手術)、内服(光感受性薬など)も確認現在の状況やいつからいびきが始まっているのか、既往症はあるかなどかなり詳しく確認します
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- この時点でDual Deep Thermiaの適応があるか判断でみます。
2)診察・評価:実際に口を開けて頂き、医師が平常時および発声時(「あー」と声を出し続けてください)
の口腔・咽頭(軟口蓋の厚み・口蓋垂の長さ・口峡の狭さ、Mallampati分類)、舌(歯圧痕=巨舌のサイン)
を診察します。下顎後退の有無、頸囲、BMIを確認。鼻腔(鼻中隔、下鼻甲介、ポリープ、後鼻漏)もチェッックします
そしてその程度や治療適応かどうか、また効果実感までの照射回数を判断します。

3)具体的なレーザー治療の説明と同意書記入:具体的なレーザー治療や必要回数、注意点、費用などを詳しく説明します。同意頂ければ治療費をお支払頂き1回目の照射となります。
4)レーザー照射(1回目):まず口腔内の清潔を保つためにマウスウォッシュッシュでうがいをして頂きます。
スプレーにより表面麻酔を行い口に麻酔薬を含んだ状態で効果発現まで1分ほど待ちます。
まず全体的にNd:YAG(1,064nm)低出力を照射します。これは全体的に補助的に併用して舌根〜下咽頭の深部温熱を
軽く加えることで深い層から引き締め効果があります。少し暖かい感覚があります。

次にEr:YAG(エルビウムヤグ)レーザーを細かく部位別に照射します。具体的には軟口蓋・口蓋垂周囲、舌の両サイド
にレーザーを照射します。少しチクチクする程度の間隔でほとんどの方は痛みを感じることはありません。
トータルのレーザー照射時間はは15〜20分程度です。

5)レーザー照射(2回目)
2〜3週間程度のインターバルをおき追加照射を行います。
来院後に効果を見ながらレーザーの出力を調整します。
通常5~6回を1クールとします。
6)評価・必要に応じて再照射
1クール終了後効果判定を行い効果が不十分であれば追加照射します。
通常2クール程度必要な方が多いです。
メリットとデメリット
非常に優れた治療ですがメリットデメリットはやはりあります。
いかに詳しく解説します
・メリット
1) 低侵襲・ダウンタイムが極小
**切らない・縫わない・出血ほぼなし。多くは麻酔不要(表面麻酔程度)**で、処置後すぐ飲食・会話が可能。
痛みは「ヒリつき・違和感」程度が1–2日で自然軽快。仕事・家事・育児を止めない現実的な治療です。
2) 日常の“実感”を改善しやすい
いびき音量と持続時間の低下、夜間覚醒の減少、朝の爽快感の回復といった主観的アウトカムは改善しやすい。
家族・パートナーの満足度が上がり、同室就寝の再開など生活上のゴールに結びつきやすい。
3) 軽~中等度のOSAで“上積み”が狙える
軟口蓋~咽頭側壁の揺れ/たるみを抑える設計。
軽症~中等症ではAHIなど客観指標も段階的改善が期待できる。
4) 併用・橋渡しとして優秀
CPAPの必要圧低下や装着快適性の向上に寄与(補助療法として)します。
**口腔内装置(MAD)**と併用すると、**上流(軟口蓋)+下流(舌根)**の二面で効果を積み上げやすい。
外科(UPPP/舌根手術)に踏み切る前の**“中間解”**として試せる。
5) 安全域が広い・反復可能
非常に安全性の高い治療で深い層に作用するレーザーのため気道表面における火傷のリスクが非常に低い。
痛みも少なくくつうが最小限で行える。
6) 適応の見える化がしやすい
視診(口蓋垂長め/軟口蓋厚い/側壁たるみ)や、体位依存、いびきアプリの波形で**「上流優位」**が読み取りやすく、
適応選別が比較的容易です。
・デメリット
1) 重症無呼吸の“単独根治”は想定しない
AHIの劇的正規化を保証する治療ではないです。重症(AHI≥30)や著明なSpO₂低下がある場合はまずCPAPが標準となります。
いびきに対する音に対しては絶大な効果を発揮するが、重症度の高い無呼吸に対してはCPAP療法の併用がよいです。
2) 舌根・顎後退・高度肥満が主因だと効きにくい
舌根沈下優位によるいびきや無呼吸または顎後退などの解剖学的異常、高度の肥満では、Dual Deep Thermia単独効果が
埋もれやすいです。こうした症例は患者様はダイエット、体位療法、場合により顎・舌根手術を組み合わせて初めて
満足に到達します。
当院でも医療ダイエットなどのご相談ができます。
3) 維持に“手入れ”が要る(永続ではない)
コラーゲン再構築による効果は時間とともに薄れるため、1~2コース終了後半年~1年程度のメンテナンス照射が
必要となる。
4) コスト面での保険適用外
Dual Deep Thermiaは保険が効かない自由診療です。
ただし年末調整や確定申告にて医療費控除の適応(個々の税務状態による)になる場合があり
税負担を抑えられることがあります。詳しくはお勤めの経理課や税理士のご相談ください。
6) 軽微だが副作用・禁忌はゼロではない
一過性のヒリつき・のど違和感・乾燥、まれに軽い嗄声。過加熱でびらんが起こる可能性はあるが稀。
急性咽頭炎/扁桃炎、重い鼻閉、光感受性薬内服、妊娠中などは時期調整・回避が必要です。
費用について
Dual Deep Thermiaは健康保険が効かない自由診療です。
初回照射は2万2000円程度
1回10万円、3回コースで27万円前後となります。
(さらに長期コースだと割引率が大きくなります)
手術や長期のCPAP療法(睡眠時無呼吸用マスク装置)に比べると費用は抑えられ、通院負担も少ないのが魅力です。
*上野いびきクリニックでは料金を詳しく掲載し無理な勧誘やアップセルは致しません。
詳しくはコチラをごらんください
注意点と治療後のケア
治療当日から食事可能(ただし辛い物・熱い物は控える)です。数日間の違和感や軽い喉の痛みがある場合もありますが軽度で自然と軽快します。のどの乾燥を避けるため、十分な加湿・水分補給して頂きます。効果判定には最低3週間〜1ヶ月程度かかります。
まとめ
Dual Deep Thermia(DDT)は、「いびき」を切らずに軽くすることを目的としたレーザー治療です。
のどの粘膜をやさしく温めてハリを出し、寝ている間に起こる“のどの振動”を起こりにくくすることで、いびきの音量や頻度の低下を狙います。
効果の出方は、施術直後に劇的というより、数週間〜1〜2か月ほどかけて「寝息が静かになってきた」
「家族に指摘される回数が減った」と感じるタイプです。
治療は20分程度を複数回(多くは5回)行う設計が一般的で、ダウンタイムが少なく日常生活に戻りやすい点がメリットです。
また、効果の持続は1〜2年程度を目安に考え、必要に応じてメンテナンス照射で状態を維持していく、という考え方
が現実的です。体重の変化、飲酒、鼻づまり、寝姿勢など生活要因によっても差が出るため、治療とあわせたコンディション調整が結果に影響します。
一方で大切な注意点として、Dual Deep Thermiaは「いびきの改善」が中心で、睡眠時無呼吸が重症の場合はレーザー単独では不十分になりやすいことがあります。
息が止まる指摘がある、強い日中の眠気がある、高血圧や起床時頭痛がある、といった方は、まず検査で状態を確認し、CPAPなど標準治療を優先または併用することが安心です。
Dual Deep Thermiaは「切るのは避けたい」「まずはいびきを減らしたい」という方にとって、現実的な選択肢になり得ます。適応と目標設定を整理したうえで、必要なら他の治療と組み合わせながら、無理のない形で改善を目指すのがポイントです。
記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
完全予約制
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