CPAP!劇団ひとり いびき治療 「毎月1回必ず病院に行かなきゃいけない」と告白「毎月4000円払い続けなきゃ」
お笑いタレント・劇団ひとり(48)が22日深夜放送のTOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」(月~木曜深夜1・00)に出演。最近、健康に目覚め、酒もタバコもやめ、生活スタイルが激変したというひとり。そんな中、「バランスのいい食事と、適度な運動。良質な睡眠」が何よりも大事だとし、「CPAP(シーパップ)使ってます」と、睡眠時無呼吸症候群の治療に用いる装置の使用を明かした。
スポニチ
このような記事がありました。
今回は劇団ひとりさんも使っているCPAPについて詳しく解説します。
CPAPとは、「Continuous Positive Airway Pressure(持続的陽圧呼吸療法)」の略で、睡眠時無呼吸症候群(特に閉塞型OSA)に対して最も標準的で効果が高いとされている治療法です。
就寝時に専用のマスク(鼻用または鼻口用)を装着し、空気を一定の圧力で送り込み続けることにより、気道が閉塞するのを防ぐという非常にシンプルながら確実性の高いメカニズムです。
睡眠中、特に筋肉が緩む深い睡眠段階では、舌や軟口蓋などの柔らかい組織が気道に落ち込み、気道閉塞を引き起こします。CPAPはその気道に対して常に空気の“柱”を送り込むことで物理的に開いたまま維持し、無呼吸・低呼吸を防止します。
この記事の目次
CPAPの仕組みと装置の構成
CPAPは非常に洗練された医療機器ですが、構成自体は大きく3つの要素に分かれています。
それぞれの役割と特徴について、以下に詳しく述べます。

1. 本体装置(送風ユニット)
装置の心臓部とも言えるパーツで、ここで空気を取り込み、設定された圧力に応じて加圧し、患者へ送風します。
装置は非常に静かで、就寝中でも音が気にならないよう設計されています。
近年のモデルでは、加湿機能(加温加湿器)を内蔵したものが主流で、乾燥した空気による鼻や喉の刺激を軽減する
役割も担っています。
また、治療の効果(AHI、使用時間、漏れ率など)を自動記録し、BluetoothやLTE経由で医師とデータ共有できる
遠隔モニタリング機能を備えたスマートCPAPも登場しています。
2. マスク(フェイスインターフェース)
空気を患者の気道へ届けるためのインターフェースです。装着部分の形状により、以下の3タイプがあります。
鼻マスク(ナサルタイプ):最も一般的。鼻の周囲に装着。
鼻口マスク(フルフェイスタイプ):口呼吸の傾向がある人や、鼻づまりがある人向け。
鼻腔挿入型(ピローマスク):鼻孔に小さなチップを挿入して使う、軽量で密閉度の高いタイプ。
マスクはフィット感が非常に重要で、合っていないと空気漏れや圧迫による肌トラブルが生じやすくなります。
定期的なフィッティングと交換が必要です。
3. エアチューブ(空気供給管)
本体とマスクをつなぐ柔軟なホースで、空気を送る通路の役割を果たします。
加湿機能付きの場合、ホースにもヒーター内蔵型があり、空気が冷えることで結露(水滴)が発生しないよう工夫されています。
ホースはある程度の長さ(1.5〜2m程度)があり、就寝中の寝返りなどに対応できるよう柔軟かつ軽量に設計されています。
本体とマスクをつなぐ管で、柔軟性と耐久性があり、寝返りを妨げにくい構造になっています。
近年の装置には、加湿器機能やスマホ連動によるモニタリング機能、呼気抵抗の軽減機能(EPR、C-Flexなど)が備わり、患者の快適性と継続使用率の向上が図られています。
このように比較的大掛かりな機械のように思えますが、最近は非常に軽量コンパクトな製品もできています。次はCPAPの適応について解説します。
CPAPが効果を発揮する疾患と適応
■ CPAPが最も効果的な対象は「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」
閉塞型OSAでは、上気道が物理的に閉塞することによって無呼吸が生じるため、気道を陽圧で広げるCPAPは非常に効果的です。
重症例では治療開始直後から無呼吸・低呼吸エピソードの劇的減少(AHIの正常化)、日中の強い眠気や集中力低下の改善、夜間の中途覚醒や頻尿の減少、血圧の安定、心血管系への負担軽減などの効果があります。
特にAHI(1時間あたりの無呼吸・低呼吸回数)が15以上の中等症〜重症例においては、CPAP療法が第一選択として推奨されます。
CPAPのメリットデメリット
■ メリット
- 即効性がある:初日から無呼吸・低呼吸が大幅に改善されるケースが多い。
- 非侵襲的:外科手術などと異なり、身体への負担が少ない。
- 生活習慣病の改善:高血圧、糖尿病、心不全の悪化リスクが下がる。
- 交通事故の予防:運転中の眠気が大幅に減少し、事故率が改善。
医学的に言うと対症療法になります。つまりいびき自体を治療するわけではなく、いびきによる無呼吸を起こさないよにし、
何といっても睡眠時無呼吸における低酸素状態からくる、高血圧、心不全、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞などの予防には効果
を発揮するという点です。
■ デメリット・課題
- 装着の違和感・不快感
- 特に初期段階ではマスク装着に抵抗感を覚える患者が多い。
- 頻繁な脱着や空気漏れのストレスを感じることも。
- 持続使用の困難
- 毎晩使用が原則であり、3〜4時間未満の使用では十分な効果が得られません。
- 出張・旅行時の携帯や環境変化による継続困難も。
- 機器管理の煩雑さ
- 洗浄・乾燥などの日常的なメンテナンスが必要。
- 加湿器部分の水交換を怠ると細菌繁殖のリスクがあります。
上記に加えてCPAPはいびき自体を治す効果はないため、他の治療や体形改善を行わないかぎり一生使い続けなくてはなりません。
さらに容姿的に優れていないという事です。どういう事かというと想像してみてください。
始めて一夜をともにする彼(彼女)が寝るときに鼻にチューブがつながってシューシュー鳴っています。ちょっと違和感がありますしそもそも初めてのお泊りデートの際に機械を持ち込まれたら・・・
その点がこの治療の最大のデメリットではないかと感じます。
CPAP治療の今後
以上のようにCPAPにはメリットデメリットがあります。しかしCPAPは治療とはいえ根本治療ではないということですCPAPを使用しても睡眠時無呼吸が完全に治るというわけではないということで一生CPAPを使い続けなければなりません。肥満などが原因による睡眠時無呼吸症候群の方は生活習慣やダイエット療法を用いることで、CPAPを離脱できる可能性がたかまります。ただし冒頭の劇団ひとりさんのように過度の肥満でもない方でも睡眠時無呼吸症候群を患っておられる方は大勢います。そういった方はCPAPを一生継続しなければならないのでしょうか?
現代では後に解説する最新治療で、肥満や他の原因によらない睡眠時無呼吸症候群に対しても改善が期待できCPAPを離脱することさえ叶う可能性があります。詳しくは後の記事で詳しく解説します。