いびき被害「いびハラ」で夫婦関係が崩れる前に。妻が抱える“夜のストレス”と、現実的な対策
「また始まった……」
消灯して数分。隣から響く、低くて大きい振動音。はじめは寝息の延長に思えたものが、気づけば毎晩の恒例行事になり、眠りを奪う“騒音”へ変わっていく。起こしても止まらない、止まってもすぐ再開する。
本人は無自覚で、こちらの疲労だけが積み上がる。

近年、「セクハラ」「パワハラ」「カスハラ」など多様なハラスメントが語られる中で、じわじわ注目されているのが、いわゆる「いびハラ(いびきハラスメント)」です。
夫婦・家族・カップル・親子など、同じ空間で眠る関係性なら、誰にでも起こり得る問題です。
定義はシンプルで、「激しいいびきによって他者の睡眠が妨害されること」。
ただし、当事者のつらさは決してシンプルではありません。
この記事の目次
妻側のダメージは「睡眠不足」だけでは終わらない
いびきをかく本人は、基本的に無意識です。
悪意がないからこそ、相談の仕方を間違えると、夫婦の会話がこじれやすくなります。
一方で、いびハラを受ける側のダメージは、睡眠不足だけにとどまりません。
- 寝つけない、眠りが浅い、夜中に何度も目が覚める
- 翌日、頭が重い・集中できない・イライラする
- 家事や育児、仕事のパフォーマンスが落ちる
- 夕方以降に気力が尽き、笑顔が消える
- 「相手は悪くない」と思おうとしても、怒りが抑えられない
睡眠は、心の余裕そのものです。睡眠が削られると、人は“優しくしたい相手”にすら優しくできなくなります。
結果として、些細な一言で喧嘩になり、会話が減り、寝室を分け、スキンシップが消え、関係が冷えていく。
「いびきくらいで大げさ」と言われがちですが、毎晩のことだからこそ、蓄積して夫婦関係の基盤を揺らします。
「起こしてよ」と言われても、起こす側は限界が来る
よくあるすれ違いがこれです。
妻:「うるさくて全然眠れなかった!(怒)」
夫:「起こしてくれればいいじゃん。なんで怒るの?」
しかし、起こす側からすると、そもそも“眠りたいのに眠れない”状況で、夜中に何度も起きて対応する時点で負担が大きい。
さらに、起こしても数分で再発するケースも多く、「何回起こせば終わるのか」という徒労感に変わっていきます。
しかも、相手は無意識です。本人に責任がないと頭では分かっている。分かっているのにイライラする。
そこに自己嫌悪も重なり、「私が心狭いのかな」と悩む方も少なくありません。
この“理屈と感情のねじれ”が、夫婦のコミュニケーションを難しくします。
いびきは「音の問題」ではなく「体のサイン」かもしれない
いびきは、空気の通り道(上気道)が狭くなり、粘膜や軟部組織が振動して起きる現象です。
疲労、飲酒、体重増加、仰向け寝、鼻づまりなど、さまざまな要因が重なって悪化します。
そして重要なのは、いびきの背景に「睡眠時無呼吸症候群(OSA)」が隠れていることがある点です。
OSAは睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする状態で、日中の眠気だけでなく、長期的には生活習慣病リスクにも
関係します。無呼吸が進行すると、心疾患や脳血管疾患へ発展することがあり、命に関わります。ここで言いたいのは不安をあおることではなく、「家族が困るほどのいびき」は“体からの警告”である
可能性がある、という事実です。イビハラを受けた側の睡眠不足はもとより、イビハラをしている本人(いびききを描いている本人)までもが睡眠不足に陥ってしまっていおり夫婦共々健康を害していくのです。
つまり、いびハラは夫婦喧嘩の火種であると同時に、健康面の課題が潜むサインでもあります。
夫婦関係を守るためにも、そして本人の健康のためにも、放置はおすすめできません。
夫婦関係が崩れやすい「3つの引き金」
いびハラが深刻化するとき、よくある引き金があります。

1)話し合いが「責める口調」から始まる
眠れていないと、言葉は強くなります。「うるさい」「いい加減にして」「別室で寝て」——正論でも、
相手は防衛的になりやすい。
2)対策が“その場しのぎ”だけになる
鼻腔テープ、枕、横向き寝、別室などは有効なこともありますが、原因が残っていると限界が来ます。
「やったのにダメだった」の失望が積み上がります。
3)寝室分離が“心の距離”に直結する
睡眠確保のために寝室を分ける判断は悪いことではありません。
ただ、説明や合意がないまま進むと、孤立感や拒絶感につながる場合があります。
妻ができる現実的なアプローチ:責めずに「共同課題化」する
いびきの話は、夫のプライドに触れやすいテーマです。だからこそ、切り出し方が重要です。
おすすめは、次のように“共同課題”として扱うことです。
「あなたを責めたいわけじゃない」
「私が眠れなくてつらい。まずは状況を一緒に把握したい」
「健康面も心配だから、検査だけでもしてみない?」
ポイントは、“人格”ではなく“現象”に焦点を当てること。
そして、いびきをかく本人にとってもメリットがある(疲れが取れる、日中のだるさが減る可能性がある、健康管理になる)と伝えることです。
治療・改善は「根性」ではなく「設計」で進める
いびき対策は、気合いや我慢では続きません。現実的には、次の順で設計すると進めやすいです。
- 生活要因の見直し(体重、飲酒、睡眠姿勢、鼻炎など)
- 状態の把握(簡易検査などで、無呼吸が疑われるか確認)
- 体の条件に合った治療選択(マウスピース、CPAP、外科的治療、レーザー治療など)
- 効果の評価と調整(「やりっぱなし」にしない)
特に、本人が「自分は病気じゃない」と思っている場合、いきなり治療を勧めるより“検査から”入る方が合意形成しやすい傾向があります。
上野いびきクリニックで相談できること

いびきの原因は一つではなく、鼻・のど・舌・体形・筋緊張・生活習慣などが複合することが多いものです。
だからこそ、自己流で行き詰まったときは、専門的な視点で「何が主因か」「どの選択肢が合うか」を整理することが
近道になります。
上野いびきクリニックでは、いびき・睡眠の悩みを専門に、状態の把握から対策の方向づけまで、現実的なプランを
ご提案します。最新のレーザー治療を含む複数の選択肢の中から、生活背景や希望に合わせて検討できる体制を整えています。(適応や期待できる範囲には個人差があるため、まずは診察での評価が重要です)。
いびき専門医が常勤で勤務していますため、より安全かつ早期に症状改善を目指すべく治療計画をご提案しています。
夫婦を守るために必要なのは「我慢」ではなく「相談」
いびハラは、誰かが悪いから起きる問題ではありません。
無自覚のいびきが、もう一方の睡眠を奪い、心の余裕を奪い、会話を奪っていく。
その連鎖が、夫婦関係を静かに壊していきます。
だからこそ、早い段階で“相談できる場所”を持つことに意味があります。
「寝室を分ければいい」「そのうち治る」ではなく、夫婦の生活を守るために、そして本人の健康を守るために、いびきの原因を一度きちんと確認してみてください。
当院では奥様からの要望で受診される方や夫婦揃って受診される方も多くいらっしゃいます。
毎晩のストレスが当たり前になってしまう前に。上野いびきクリニックまで、お気軽にご相談ください。
記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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