いびきで殺人未遂!ついに恐ろしい事件が
千葉県在住の18歳の高校生の男が、同居する伯父に毒素を含む植物の葉を味噌汁に入れ食べさせ、殺害しようとした疑いで再逮捕された。
「いびきがうるさいことに耐えられなかった」(男の供述)
味噌汁を飲んだ伯父は違和感を覚えてすぐに吐き出したが、翌日みずから119番通報して事件が発覚、命に別状はなかった。警察によると高校生が使った植物は、キョウチクトウという毒性が強い植物だった。
このような痛ましくも恐ろしい事件が2025年9月発生してしまいました。
今回はこのようないびきが引き起こす社会的・家庭的問題について解説します。
いびきが引き起こす家庭的問題
「いびき」は医療的には上気道が狭くなるサインですが、同時に家族関係に影を落とす生活問題でもあります。ここでは、家庭内で起こりがちな摩擦から、恋人・同居人・職場への波及、そして今回発生した“味噌汁事件”のような象徴的エピソードまでを、感情の流れに沿って整理します。
子どもや家族への影響
家族で同じ部屋や襖一枚隔てた部屋に寝ることが多い日本の住宅事情では、いびきは子どもや親族の睡眠環境にも直接的な影響を及ぼします。
とくに、まだ言葉が拙い年齢の子どもが、ある日突然、「お父さん(お母さん)とは一緒に寝たくない」といわれた時の親の衝撃は計り知れないと聞きます。
しかし、子どもにとっては本能的な拒否反応なのです。夜な夜な耳元で響く不快な音に怯え、安眠を妨げられた結果、
親への“物理的な距離”を取ろうとする――これは心理的なSOSの表れでもあります。

いびきが発する振動音や無呼吸による断続的な騒音は、子どもの睡眠サイクルを乱します。特に深いノンレム睡眠が妨げられると、成長ホルモンの分泌が低下し、身体的な発育に悪影響を与えることが知られています。また、夜間の睡眠不足は、日中の情緒不安定や集中力の低下、学習効率の悪化など、子どもの行動や感情面にも深刻なダメージを与えます。
さらに、いびきによる睡眠妨害は、夜尿症や夜驚症といった睡眠関連疾患の誘因になる可能性も指摘されています。
子どもが「なんとなく寝るのが嫌」と言うようになったとき、それは“いびきによる音環境”への無意識的な拒絶かもしれません。
今回起こった事件は高校生でしたが、殺人は確かに問題です。しかし、この苦痛は本人はもとより他の家に相談しても解決せず、夜間に繰り返される激しいいびき(騒音)に悩まされ続け一人で悩んでしまった結果それが恨みに代わり日常的な睡眠不足により正常な判断ができなくなり、このような犯行に及んでしまった結果だと推察されます。
ではどの程度の音量だったのか具体的に検証してみましょう。
いびきの「うるささ」を数字でつかむ:デシベル比較
今回叔父と甥という関係上同室で寝ているとは考えずらいので隣室もしくは仕切り一つの同室であると考えられます。そのレベルで聞こえてくるとなると80デシベル以上のいびき音量である可能性が高いです
以下に音量(デシベル)比較を示します。
(dB=A特性/距離や部屋の条件で±が出ます)
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40–50 dB:静かな会話・図書館レベル。軽い鼻鳴り、同室者は気づく。
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50–60 dB:ふつうの会話・オフィス環境。一般的ないびきはこの帯域に多い。
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60–70 dB:近距離の会話を妨げるレベル。パートナーが覚醒しやすい。
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70–80 dB:掃除機・混雑した交通量に相当。壁越しに隣室でも聞こえることがある。
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80–90 dB:芝刈り機・飛行機の離着陸・地下鉄車内に近い強音。睡眠維持は困難
これでは通常の睡眠は不可能です。
日常的に飛行機の離着陸が行われている横で寝ているレベルを想像するとということで同情の余地がありそうです。
感情的対立と無理解
なぜここまで家族も放っておいたかというと日本人ならではの「いびき=病気ではない」
という思想が根底にあり中高年男性はいびきをかくものだという誤った認識が存在するに他ならないと考えられます。つまり本人も家族も病識が無かった可能が高いです。
もし仮に家族や同居人から指摘があった場合でも「何度注意しても治さない」「いびきを指摘されると不機嫌になる」といったケースでは、問題が感情的な対立に発展しやすくなります。
特にいびきをかく側が、自覚も対処の意思も乏しい場合が非常に多く「いびきぐらいで大騒ぎするな」「そっちが神経質なんじゃないのか?」と不満が蓄積し、怒りや絶望感を招くこともあります。
逆に、いびきをかく本人が「申し訳ない」と悩んでいても、家族や同居人が「こんなに眠れないのに、何も感じていないのか?」と不満をぶつけるばかりで歩み寄れない場合、関係性にひびが入ります。
こうしたやりとりは、お互いの理解と共感の欠如を浮き彫りにし、蓄積された不満が爆発したときには、今回の高校生のような取り返しのつかない結果を招きます。
まとめ
いびきは単なる音ではありません。眠りという基盤を揺らし、家庭の空気を変え、安全な家族生活にまで影響します。今回の「いびき味噌汁事件」は、睡眠負債と無理解が重なった分岐点の合図です。データで可視化し、言葉を整え、生活の三本柱を立て、必要なら医療を足す。たった数週間の取り組みで、音量だけでなく関係の温度が下がっていくのを、多くのご家庭が体感しています。
こういった痛ましい事件は今後発生しないように少しでも社会へいびきの理解と最新の治療法の情報発信をすることでひとりでも多くの家庭があったたかい食卓――“あの味噌汁”を、また美味しくする近道と考えています。