夜の悪夢~僕の全ては奪われた~⑰ヤマおんちゃん
私の叔父にあたる山田雄一ことヤマおんちゃんは父の弟にあたるが名字が違うのは
10年前に山田家に婿養子に入ったからである。
結婚前は我が家に居候しておりとても物腰柔らかく僕もとても大好きな叔父である。
僕が小学校に上がる前は両親は共働きであったため、公務員であるヤマおんちゃんが
よく保育園まで車で迎えにきてくれたことを未だに覚えている。
帰りの車でいろいろな話をしてくれ僕はその時間が本当に大好きであった。
ヤマおんちゃんは役場勤めであり定時あがりが常で比較的時間には余裕があったが
それほど裕福なわけでもなく父がマンションを購入するにあたり、居候させていたのである
しかし、さすがに年齢がいってくると嫁をもらってはどうかと役場の上司の娘と見合いを
勧められ、その縁で結婚が決まり一人娘のため婿養子となることを条件に妻側の両親に一軒家を建ててもらい住んでいた。
ところが1年前に理由は分からないが妻が実家へ帰り現在も別居状態が続いていおり
その自宅に一人暮らしとなっていた。年齢がいってからの結婚であったため、子供はいなかった
兄である父との関係は良好で、その物腰柔らかな性格から私の母も良く遊びに来る叔父を
よくもてなしていた。僕もたまに幼少の頃はよく遊びにくる叔父を心待ちにしていたのである。
そのヤマおんちゃんの自宅は成開高校の徒歩5分に位置していたのである。
*この物語はフィクションであり実際の人物、団体とは一切関係ありません。