【最新ニュース】睡眠時無呼吸症候群(SAS)に待望の「飲み薬」が登場?米FDA承認へ向けた「Apnimed」の挑戦と未来 はじめに:CPAP(シーパップ)以外の選択肢を待ち望む皆様へ
こんにちは、上野いびきクリニックです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断され、「一生このマスク(CPAP)を付けて寝なければならないのか…」と肩を落とした経験はありませんか?あるいは、家族にいびきを指摘されているけれど、あの装置が嫌で検査をためらっている方も多いはずです。
今、睡眠医療の世界で歴史的な転換点が訪れようとしています。 米国のバイオテック企業「Apnimed(アプニメッド)」が開発した、史上初となる**SAS治療のための「飲み薬」**が、最終段階の臨床試験で極めて良好な結果を残し、米食品医薬品局(FDA)への承認申請に向けて動き出したというニュースが入ってきました。
早ければ2027年にも実用化される可能性があるこの新薬。今回は、この革新的なニュースの内容を深掘りしながら、いびき・睡眠時無呼吸症候群治療の「現在」と「未来」について、専門クリニックの視点から詳しく解説します。
この記事の目次
1. ニュースの核心:なぜ「飲み薬」がこれほどまでに注目されるのか?

CPAP治療の「高い壁」という現実
現在、中等度以上のSASにおける標準治療はCPAP(持続陽圧呼吸療法)です。寝ている間に鼻マスクから空気を送り込み、物理的に気道を広げるこの方法は、非常に効果的です。しかし、同時に大きな課題を抱えています。
- 装着の不快感: マスクの圧迫感や空気の乾燥、寝返りの打ちにくさ。
- 心理的抵抗: 「病人のように見える」「旅行に持っていくのが面倒」。
- 脱落率の高さ: 始めたものの、数ヶ月で断念してしまう患者様が後を絶ちません。
今回のApnimed社が開発した薬は、この「物理的な装置」という高いハードルを、**「寝る前に1錠飲むだけ」**という手軽さで解決しようとしています。
ハーバード大学の「偶然の発見」から始まった奇跡
この薬の開発ストーリーは劇的です。2016年、ハーバード大学のモンテムーロ医師が、既存の2種類の薬を組み合わせた試験中、重症の患者が「正常に呼吸している」のを偶然発見したことがきっかけでした。 「装置の故障を疑うほど、信じられない光景だった」と語られるこの発見が、40年にわたる「薬物治療への挑戦」の扉をこじ開けたのです。
2. 薬でどうして呼吸が止まらなくなるのか?そのメカニズムを解説

SASの多くは、睡眠中に喉の筋肉が緩み、空気の通り道が塞がってしまう「閉塞性」です。 Apnimedの新薬(AD109)は、これまでのアプローチとは全く異なります。
脳幹への働きかけ: 脳の呼吸を司る部分を適度に覚醒状態に保ちます。
上気道筋の活性化: 喉の周りの筋肉(特に舌根部など)が完全に弛緩して落ち込むのを防ぎます。
睡眠の質を維持: 脳そのものは深く眠った状態を保ちながら、呼吸に関わる筋肉だけを「シャキッと」させておくという高度なバランスを実現しています。
臨床試験(第3相)では、無呼吸の回数(AHI)が約半分(47%低下)まで改善したというデータが出ています。これは、CPAPに匹敵する、あるいはそれに次ぐ劇的な効果として期待されています。
3. 2027年実用化の可能性と、日本での導入はいつになる?
ニュースによれば、米国では2027年前半の市場投入を目指しています。 では、私たち日本に住む患者様がこの恩恵を受けられるのはいつになるのでしょうか?
日本国内での承認プロセス
通常、海外の新薬が日本で承認されるには「ドラッグ・ラグ(承認の遅れ)」が生じます。しかし、今回のApnimed社は日本の塩野義製薬と提携して開発を進めているという重要な点があります。 国内企業との提携があることで、日本での治験や承認プロセスがスムーズに進む可能性が高く、米国とそれほど遠くない時期に日本でも選択肢に加わることが期待されます。
4. 肥満症薬「ゼップバウンド」との違い:あなたに合うのはどっち?
最近、肥満治療薬(GLP-1受容体作動薬)がSASに有効であるとしてFDAに承認されたニュースもありました。しかし、Apnimedの薬とは目的が明確に異なります。
肥満治療薬(ゼップバウンドなど): 体重を減らすことで、喉の周りの脂肪を減らし、間接的に無呼吸を改善する。
Apnimedの新薬: 体重に関わらず、筋肉の弛緩という「神経・筋肉のメカニズム」に直接働きかけ、直接的に無呼吸を止める。
つまり、痩せ型なのにいびきをかく、あるいは骨格的に喉が狭いという日本人に多いタイプのSAS患者様にとっては、Apnimedの新薬の方がより本質的な解決策になる可能性があります。
5. 「薬を待つ」だけでは危険。今すぐできる対策とは
「あと数年で飲み薬が出るなら、それまで待てばいいや」と考えるのは禁物です。 ニュースでも触れられている通り、放置されたSASは心疾患、脳卒中、アルツハイマー病のリスクを劇的に高めます。
当院(上野いびきクリニック)では、将来の新薬への期待を持ちつつも、「今、この瞬間の健康」を守るための治療を提案しています。
治療内容はコチラ
当院で提供可能な「CPAP以外の選択肢」
飲み薬が実用化されるまでの間も、当院では「装置を使わない治療」に力を入れています。
レーザー治療(Dual Deep Thermia): 喉の粘膜を引き締め、物理的に気道を広げる治療です。切らない、痛みが少ない、そして何より「装置を付けずに寝られる」という点で、将来の飲み薬を目指す方向性と近い治療法です。
GLP-1受容体作動薬:マンジャロ自己注射による減量効果はしられていますが、気道の炎症改善によるいびき改善効果もお認められると最近の研究で明らかになってきました。
マンジャロでいびきが止まる?体重減少だけじゃない「睡眠の質」への劇的効果と最新エビデンス
咬筋ボツリヌストキシン注射:いびき自体の治療ではないですが、いびきをかく方は付随して歯ぎしりをする方も大勢います。
生活習慣の改善サポート: 専門医による食事・睡眠姿勢の指導。
6. まとめ:睡眠医療の新しい時代へ
今回のニュースは、睡眠時無呼吸症候群という「地味だが深刻な病気」に、世界中の投資家や研究者が本気で向き合い始めた証です。 「飲み薬1錠で、爽やかな朝を迎えられる」 そんな未来は、もうすぐそこまで来ています。
しかし、その未来を手にするためには、まず**「自分の睡眠の状態を知ること」**が第一歩です。 「いびきがうるさい」「日中の眠気が取れない」というサインを見逃さないでください。
上野いびきクリニックでは、最新の知見を取り入れながら、一人ひとりのライフスタイルに合った最適な治療法を一緒に考えてまいります。新薬のニュースについて詳しく聞きたい、今のいびきをなんとかしたいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。
あなたの「眠り」を変え、人生の質(QOL)を向上させる。私たちはそのためのパートナーです。
記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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