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激しい運動の後くる腰痛は疲労骨折が原因!?腰椎分離症(すべり症)の特徴や症状、治療法をご紹介

頚椎・腰椎疾患について 2021.12.21更新

院長監修記事

梅林猛

梅林 猛

東京脊椎クリニック院長/日本脳神経外科学会専門医/日本脊髄学会指導医

医療法人メディカルフロンティアでは脊椎手術に特化した医療施設(東京脊椎クリニック)を運営しています。その施設の責任者である梅林猛医師監修の下、脊椎疾患や手術術式についても寄稿していきます。

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腰椎分離症とは、腰に異常が起きる病気であり、疲労骨折に分類されます。

腰を捻るスポーツを行っていれば誰でも発症のリスクが高まるのではなく、10代前半の人が発症しやすくなっています。

しかし、大人でも発症してしまう可能性もあるため、注意は怠らないようにしましょう。

発育途中の骨に負担がかかりひびなどが入ることが原因であり、10代に患者が多い理由でもあります。

【目次】

■腰椎分離症(すべり症)の特徴や症状をご紹介
■腰椎分離症(すべり症)の原因について
■腰椎分離症(すべり症)の原因について
■腰椎分離症(すべり症)の治療、予防法について

腰椎分離症(すべり症)の特徴や症状をご紹介


大人の腰椎分離症の症状は痛みが伴うことであり、腰を捻る際に痛みが強まる傾向があります。

症状が腰痛に似ていることもあり、単なる腰痛と勘違いしてしまっている人も多く、改めて検査することで腰椎分離症であることを診断されることも少なくありません。

腰を曲げることや重い物を持つ際に痛みが生じることが多く、症状が進行していれば持ち上げることも困難になってしまいます。

また、スポーツなどもできない状態に陥ることも珍しくありません。

椎体は腰椎の前側の椎間板がついているところで、椎弓は腰椎の後側の椎間関節がついているところです。

椎弓根が椎弓と椎体の間にはあります。

「腰椎分離症」というのは、骨の連続性が椎弓のところで無くなって、椎弓と椎体が離れた状態です。

「分離すべり症」というのは、分離症の中において、後側のところの支持性がないので前側に椎体がずれるものです。

すべり症は脊椎がお互いにずれるものですが、「変性すべり症」というのは椎間板が老化したことによって不安定になってずれるものを言います。

分離すべり症の場合は、腰痛が繰り返したり、あるいは腰痛と下肢痛が慢性的になったりすることが多く、すべり症の重度なもの以外は、一般的に排便、排尿障害はありません。

変性すべり症の場合も、下肢痛、腰痛がありますが、全体の脊柱管が狭くなるので、主な症状は馬尾神経の圧迫になります。

つまり、しびれ感や下肢痛が歩くことによって現れ、間欠性跛行という休むと症状が軽くなるもの、排便、排尿障害や会陰部のしびれ感が現れます。

腰椎分離、すべり症の症状としては、腰痛が最も多いものです。

腰痛がスポーツを青少年がする際に現れる場合は、分離症の可能性があります。

成人の場合は、重労働や長時間の立ち仕事の後や同じ姿勢を継続した後に強い痛みが現れます。

痛みは鈍く重いもので、後ろに体を反らせると強い痛みになります。

また、成人の場合は、脚のしびれや痛みの神経根症状が現れる場合もあります。

変性すべり症の場合は、先にご紹介したように、会陰部のしびれ感や間欠性跛行などの腰部脊柱管狭窄症の症状が現れることがあります。

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腰椎分離症(すべり症)の原因について


分離症の要因としては、後天性のものと先天性のものがあります。

先天性のものは、分離症の他にも椎弓や椎体の形態の異常がある場合が多く、すべり症の重度なものが起きる場合があるため注意が必要です。

近年は、後天性の多くは、スポーツなどによって子供の頃に負荷が繰り返しかかったので、疲労骨折が起きたと考えられています。

しかし、スポーツなどは一つの要因であり、体質的な要因もあります。

腰椎分離、すべり症は、よく第5腰椎に現れます。

一方、変性すべり症は、椎間板の変性が椎間関節や椎弓の形態異常に加わるのが要因とされています。

変性すべり症は、第4腰椎にほとんど現れ、女性に多く現れます

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腰椎分離症(すべり症)の治療、予防法について

保存療法

腰椎分離症の治療方法は保存療法が適用されることが多く、薬物や運動を行うことで治療が開始されます

薬物療法では、鎮静剤や炎症を抑える薬が投与され、運動療法ではストレッチや筋トレによる筋力増強が行われます。

しかし、ストレッチを行う前に固定具などで固定し、骨が定着するまで安静にしておかなければなりません

そのため、スポーツはおろかしばらく入院する必要性も出てきます。

症状が悪化してしまうと骨がくっつかなくなり、腰痛の後遺症が残ったり、手術をしなければならなくなるため、早期治療することが重要です。

コルセットの装着

青少年の急性期の腰椎分離症の場合は、分離部の骨癒合がコルセットを6ヶ月程度着けることによって期待できます。

コルセットとしてこの際に使うものは、腰部の型を整形外科でとって製作するものです。

コルセットとして市販されているものでは、効果は期待できません。

成人の場合は、コルセットを仕事中に着けることで、腰痛を予防する効果が期待できます。

薬物療法

薬物療法の場合は、筋弛緩薬や消炎鎮痛薬などを疼痛に対して使います。

腰部脊柱管狭窄症については、末梢循環改善薬という馬尾神経の血液の流れを促すものが使われます。

これ以外の保存療法の場合は、別の脊椎疾患と同じように、神経ブロック療法や理学療法などがあります。

症状がこのような保存治療でも改善しなければ、選択肢として手術療法があります。

腰椎分離症・分離すべり症の場合は、椎弓と椎体の連絡性が途絶える安定しない状態が要因であるため、一般的に手術としては脊椎固定術と言われるものが行われます。

脊椎固定術

脊椎固定術の場合は、動きを無くすために安定しない椎骨をお互いに固定するもので、補助的にチタン合金製の固定器具が最近は使われるようになっています。

特殊なケースとしては、青少年の椎間板変性がない分離症の場合に、分離部修復術という分離部を接続する方法も使われるようになってきつつあります。

一方、変性すべり症の場合は、神経徐圧術だけのケースと固定術をプラスするケースがあります。

手術療法の技術が最近は進むことによって、手術した後に安静にベッド上でしている期間も非常に従来よりも短くなっています。

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