突然来るぎっくり腰、もしかしたら重篤な疾患の可能性も!?原因や予防、応急処置の方法をご紹介
院長監修記事
梅林 猛
東京脊椎クリニック院長/日本脳神経外科学会専門医/日本脊髄学会指導医
医療法人メディカルフロンティアでは脊椎手術に特化した医療施設(東京脊椎クリニック)を運営しています。その施設の責任者である梅林猛医師監修の下、リハビリテーションや脊椎疾患、手術術式についても寄稿していきます。
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腰痛は日本人の多くが抱える悩みですが、その中でも突然襲ってくる「ぎっくり腰」は日常生活にも影響を及ぼす重大な症状です。
急に襲ってくるぎっくり腰の痛みを経験した人のほとんどは、もう二度となりたくないと思うのではないでしょうか。
しかし、整体に行ったり重いものを持つ時に気をつけたりと色々気をつけてはいても癖になってしまっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はぎっくり腰の原因とその予防と対策について紹介します。
【目次】
■突然腰を襲う激しい痛みのぎっくり腰!原因は?
■ぎっくり腰のリスクを減らす予防、対策
■ぎっくり腰になってしまったら?治療法や対処法!
■まとめ
突然腰を襲う激しい痛みのぎっくり腰!原因は?
●ぎっくり腰とは?その症状をご紹介
ぎっくり腰の正式名称は急性腰痛症あるいは腰椎捻挫症です。
突然発症し、しばらくは動けないほどの痛みに見舞われることが特徴です。
重いものを持ち上げた時など腰に負荷がかかった瞬間や、ただ立ち上がっただけと言った時にも発症しうるものですが、実はこのぎっくり腰ははっきりとした原因が判明していません。
ここで気を付けておきたい子は、椎間板ヘルニアや圧迫骨折など他の病気の可能性もあるということです。
原因が分からぬ以上、自分でぎっくり腰だと判断せずに医療機関を早め受診しましょう。
●原因は心?体?リスク要因
✔瞬間的な腰への負担
ぎっくり腰の原因ははっきりとわからないと上で述べましたが、それでも要因と考えられることはいくつかあります。
まずよく想定されるのが、腰への負荷です。
重い荷物を持ち上げたり、瞬間的に腰へ強い負荷がかかるシーンは、ぎっくり腰を起こしやすいとされています。
特にゴルフなど腰を捻る動きは注意が必要です。
また、普段運動不足の人が急に動くこともリスクを高めます。
✔慢性的な疲労による腰への負担
このように特に強い負荷をかけたわけでもないのに発症した場合、腰に慢性的に疲労が溜まっていたということも考えられます。
ものを移動させたり、腰をよく使う仕事をしている人や、立ちっぱなし、座りっぱなしの仕事をしている人も、自覚がないまま腰の疲労が溜まっているかもしれません。
✔急性膵炎や腹部大動脈瘤など重大な疾患が腰痛の原因になっている可能性も!?
以上のように、様々な形での腰への直接的な負荷は、もちろんぎっくり腰の大きな要因の一つではありますが、そのほかにも身体の他の部位や心の不調も要因になっている可能性があります。
まず重大な疾患の可能性としては、急性膵炎や腹部大動脈瘤などがあります。
腰や背中に激痛が走ることがあるためぎっくり腰と勘違いされることがありますが、このような内臓疾患が痛みの原因だった場合は姿勢を変えても痛みが変わらないという特徴があります。
緊急に治療が必要な場合もあるので、異常だと感じた場合は救急車を呼びましょう。
✔睡眠、運動の不足
重篤な疾患が関わっていなくても、身体全体の不調が要因となっていることもあります。
睡眠不足などで疲労が溜まっている、運動不足で筋肉の血流が悪くなっている、冷え性で筋肉の柔軟性が不足してしまっているなどの様々な不調がぎっくり腰を引き起こす要因となります。
✔ストレスによる影響の場合も
そして、ストレスなどの心的要因もぎっくり腰を引き起こすリスクを高めることもわかっています。
ストレスを感じた状態で、重いものを持ち上げると、作業している間の姿勢が崩れて腰への負荷が大きくなり、ぎっくり腰を起こしやすくなるのです。
また、ストレスにより脳の痛みを感じるシステムに不調をきたし、痛みを感じやすくなることもあるので、精神的な要因もぎっくり腰の発症に関わっていると考えられています。
ぎっくり腰のリスクを減らす予防、対策
このようにぎっくり腰は様々な発症の要因がありますが、具体的にどのような予防や対策があるのでしょうか。
●普段の姿勢を見直す
日頃の姿勢や動きを見直すことは、簡単にできる予防法の一つです。
姿勢をよくするために背筋や腹筋を鍛える、ものを拾う時は腰を曲げるのではなく膝を曲げて拾う、朝起きる時はすぐに起き上がらずに一度布団の中で腰を丸めてから起きるなどと言った日常生活のちょっとした姿勢や動作を見直してみましょう。
●適度な運動
運動不足はぎっくり腰の要因の一つとも考えられるため、筋力をつけたり柔軟性を高めるような適度な運動を心がけましょう。
とはいえ、急に負荷の大きい運動を始めるのは危険です。
ストレッチやウォーキングなどの軽いものから始めましょう。
ウォーキングの中でも、水中ウォーキングは負荷を減らして運動ができるため、ぎっくり腰予防に最適です。
●予防ストレッチ
運動の中でもストレッチは効果的な対策の一つです。
様々な方法があるので、自分にあったストレッチを無理のない範囲で行うと良いでしょう。
ただし、ぎっくり腰になった時にストレッチをしても大丈夫かどうかはケースバイケースなので、診察時に確認してから行うようにしましょう。
★後方椎体間固定術(TLIF/PLIF)とは(術式、適応疾患、手術の流れ、予後等)
★腰椎椎弓形成術(椎弓切除術)とは(術式、適応疾患、手術の流れ、予後等)
ぎっくり腰になってしまったら?治療法や対処法!
ぎっくり腰になってしまってしばらくしても治らない、一刻も早く痛みをなんとかしたいといった場合、どのような治療法や対処法があるのでしょうか。
●アイシング
ぎっくり腰になってすぐの場合は炎症を起こしているため、冷やす方が良いとされています。
ビニール袋に氷を入れた簡易的な氷嚢や氷枕などを患部に当てて、15分から20分程度冷やしましょう。
凍傷の危険があるので、肌に直接当てるのは避けてください。
痛みが引いてきたら辞めても大丈夫です。
●超音波治療
超音波治療とは、一秒間に何百万回という超振動を当てることで、痛みを和らげ、治癒を促進する治療法です。
骨折や捻挫に使われることが多いですが、ぎっくり腰の痛みの緩和にも効果があるとされています。
特に初期に治療を始めると痛みが緩和され、予後がよくなることが期待されます。
●ブロック注射
ブロック注射とは、神経やその周辺に局所麻酔薬を注射して痛みをなくす治療です。
痛みを取り除くため、血行がよくなり、筋肉のこわばりがなくなるという効果もあります。
即効性があるため、特に痛みが強い場合はこの治療が取り入れられることがあります。
●テーピング
テーピングも身近な対策の一つです。
特にキネシオテーピングは痛みを緩和する可能性が示唆されています。
●温熱療法
最初にアイシングという冷やす療法を紹介しましたが、急性期を過ぎたら逆に温めることで筋肉を解していくことも治療法の一つです。
お風呂にゆっくり入ったりして、腰を温めることを意識しましょう。
ただし、痛みを感じる場合はすぐにやめて、医師に相談しましょう。
★首下がり症候群とは(原因・症状経過・診断検査・治療法など)
★腰椎変性側弯・後弯症(腰曲がり)とは(原因・症状・診断検査・治療法など)
まとめ
今回ははぎっくり腰の原因や対策について紹介しました。
ぎっくり腰は急に激しい痛みに襲われることが特徴で、はっきりした原因はわかっていません。
ただし、重いものを持ち上げる時やスポーツ時など腰に負荷のかかるシーンで発症しやすいので、普段運動していない場合などは注意しましょう。
また、他の内臓疾患の可能性や心身の不調が原因となっている場合もあるので、自分はぎっくり腰だ、と決め込まずに、まずは整形外科などの医療機関を受診し、医師からアドバイスをもらうのが良いでしょう。
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