いびき 鼻口呼吸によるいびきは

そもそも正常な睡眠中の呼吸は鼻呼吸です。しかし多くのいびきは激しい方のほとんどは口呼吸をしています。
今回は鼻呼吸と口呼吸について解説し口呼吸の対症方法について詳しく解説していきます。

鼻呼吸の重要性と口呼吸の悪影響

いびきを改善するために、鼻呼吸を習慣化することは極めて重要です。人間の呼吸は本来、鼻から行うのが最も自然かつ健康的な方法です。
鼻には空気の加温・加湿・ろ過という大切な役割があり、これらの機能が口呼吸ではまったく果たされません。

鼻呼吸の生理的役割

鼻呼吸は、吸い込んだ空気を鼻腔内で適切に温め、さらに粘膜表面で加湿してから気管や肺へ送り込むことで、乾燥や冷気による刺激を和らげ、下気道の炎症や咳反射を起こしにくくします。
鼻腔の入り口から鼻甲介、粘膜上の線毛運動に至るまでが精巧なフィルターとして働き、ほこり・花粉・細菌・ウイルス
などの異物を捕捉し、体内への侵入を減らします。
さらに鼻腔では一酸化窒素(NO)が産生され、肺の血管を広げて換気と血流のバランスを整えるほか、抗菌作用により
気道環境の防御力を高めます。
これらの働きが相まって呼吸の効率が上がり、睡眠中の上気道の安定にも寄与します。
口呼吸では空気が冷たく乾いたまま下気道に届き、粘膜の腫れやいびきの誘因となりやすいのに対し、鼻呼吸は気道の通りを保ちやすくいびきの予防にも直結します。
すなわち、鼻呼吸は呼吸の質を高め、感染予防と下気道の保護に役立つ、健康維持の基盤となるメカニズムです。

口呼吸の弊害

口呼吸が習慣化すると、まず上気道が不安定になりやすく、口が開いた姿勢では舌が後方へ落ち込みやすいため気道が狭くなり、いびきが強く頻繁になります。
さらに、加温・加湿されていない乾いた空気が直接のどへ流れ込むことで粘膜が乾燥し、痛みや違和感、咽頭炎などの炎症を繰り返しがちになります。
口腔内も乾くため唾液の自浄・抗菌作用が低下し、むし歯や歯周病、口内炎のリスクが上昇します。
夜間は浅い呼吸になりやすく、交感神経が優位に傾くことで中途覚醒が増え、深い眠り(徐波睡眠)に入りにくくなるため、日中の眠気や集中力低下にもつながります。
加えて、口臭や大きないびきは同室者の睡眠を妨げ、家庭内や旅行・出張先での対人関係に悪影響を及ぼすことも少なくありません。つまり、口呼吸は気道・口腔・睡眠の質・社会生活のいずれにも負の影響を与えるため、可能な限り鼻呼吸へ矯正することが重要です。

鼻呼吸を促す方法

口呼吸の習慣がついている人は、以下のような工夫で鼻呼吸を促すことができます:

姿勢を正す

猫背や前傾姿勢がクセになっていると、胸郭が圧迫されて肺の容量が減り、自然と口呼吸になりやすくなります。背筋を伸ばして座る・立つという日常動作の改善も、呼吸の質を高めるために欠かせません。

日中からの鼻呼吸を意識付ける:鼻呼吸は「寝ている間に自然に起こるもの」ではなく、日中の呼吸習慣が睡眠中にも反映される傾向があります。
普段の生活でも口を閉じて過ごす意識を持つことが大切です。食事や会話以外は口を閉じる、姿勢を正して胸郭を広げる
深呼吸を習慣にし、吸気時に鼻を意識するアレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲などがある場合、耳鼻科での治療が必要な場合があります。

マウステープの使用

最近では、睡眠中に口が開かないようにする「口閉じテープ」も普及しています。
唇の中央部を軽く固定するだけのもので、特に無意識に口呼吸になってしまう人に有効です。
ただし、鼻づまりのある人には不向きです。無理にテープを使うと呼吸困難を起こす可能性もあるため、使用前には鼻呼吸が可能かを確認することが重要です。

鼻腔拡張テープ(ブリーズライト等)

スポーツ選手の間でも使用される、鼻に貼ることで外側から鼻腔を広げる
テープです。特に鼻翼の狭い人やアレルギー体質の人には即効性が期待できます。
就寝時に鼻の通りを確保するだけで、口呼吸から鼻呼吸へと誘導しやすくなります。

鼻腔洗浄(鼻うがい)で通りを良くする

鼻の通気性が悪いと感じたときは、鼻うがい(生理食塩水による鼻腔洗浄)が有効です。
鼻腔内の花粉・ホコリ・分泌物を除去することで、物理的な通気性を改善できます。
市販の洗浄器具も数多くあり、塩分濃度を体液に近づけた「生理食塩水」を使えば痛みもありません。

舌筋トレーニング(MFT)

これは比較的効果が高いといわれています。舌の筋力を高めて口を閉じやすくし、
舌根沈下を防ぐことでいびきをかきにくくします。具体的には舌を上下左右に繰り返し動かしたり、口を閉じた
状態で舌を回転させるように動かす、また上あごに張り付けるグミのような商品がありこれがなくなるまで舌で
舐め続けるといったグッズも販売されています。

まとめ

口呼吸を極力避ける習慣化や処置、またはトレーニングにて詳しく解説しました。

鼻呼吸を習慣化することで、いびきの原因となる舌根沈下や軟口蓋の振動を防ぎ、静かで質の高い睡眠を得ることが可能になります。
口呼吸から鼻呼吸への移行は、いびき改善への確実な一歩となります。

しかし当然ながらこれらの方法は対象療法、つまり一時しのぎにしかなりません。根本治療とはこれらの処置を行わなくてもいびきを改善することができます。

その劇的な最新根本治療を今後解説します。