口呼吸はいびきの原因?やりがちなNG習慣と改善のコツ
診療のなかで、「そもそも、いびきの原因は何ですか」とよく聞かれます。原因はいくつもありますが、ご自身で気づきやすく、対策もしやすいもののひとつが口呼吸です。
「朝、口がカラカラ」「のどが痛い」――こうした症状は、寝ている間に口が開いていたサインかもしれません。口呼吸は、空気の通り方を変え、いびきを悪化させやすくします。
この記事では、2万症例以上の麻酔管理経験を持つ上野いびきクリニック院長 菅谷が、口呼吸といびきの関係、セルフチェック、今日から試せる改善策を、続けやすい順に解説します。あわせて、やってはいけない対策と、改善しないときの考え方もお伝えします。
結論:この記事の要点
口呼吸は、のどの乾燥・むくみと、下あごが下がって舌の付け根が落ち込むことの両方で、いびきを悪化させやすくします。今日から試せる対策は、寝室の加湿、鼻のケア、寝る姿勢、寝酒の見直しです。寝酒は、複数の研究をまとめた解析で、無呼吸の指標(AHI)を平均約4回/時高めると報告されています。一方、口にテープを貼るなど無理に口を閉じる方法は、鼻づまりや睡眠時無呼吸がある方では危険になりうるため、おすすめできません。セルフケアで変わらない場合は、睡眠検査で原因を見極めることが大切です。
上野いびきクリニックでは、保険診療による睡眠検査・CPAP管理、自費診療によるいびきレーザー治療など、状態に応じた選択肢をご案内しています。ご自身に合う治療を確認したい方は、まずは初診でご相談ください。
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【ご注意】いびき・無呼吸の治療には、検査が必要です
いびき無呼吸治療には検査が必要です。自由診療のみのクリニックや美容クリニックでのいびき治療では、検査を行えないことが多いです。ご注意ください。いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていると、検査をせずに治療を始めた場合、見逃されるおそれがあります。
院長監修記事
菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之が、口呼吸がいびきを悪化させる理由、セルフチェック、今日から試せる改善策、改善しないときの考え方について解説しています。
上野いびきクリニックでは、いびきの原因は、口呼吸や鼻の通りから、のどの構造、体重まで多岐にわたります。まず検査で状態を確認し、結果と症状にあわせて治療の方針をご提案しています。
保険診療でしっかり検査・継続治療
- 簡易検査:自宅でできる無呼吸のスクリーニング
- PSG検査:脳波を含めて評価できる精密検査(自宅で実施)
- CPAP治療:保険適応基準を満たす無呼吸への標準治療
自由診療で根本改善・短期集中
- いびきレーザー治療:検査で単純性いびきと確認された方に
- 医療ダイエット:体重増加が要因の場合の選択肢としても
※セルフケアで改善しない場合や、無呼吸が疑われる場合は、原因の見極めから一緒に進めます。
📋 この記事でわかること
- 口呼吸がいびきを悪化させる理由
- まず確認したいセルフチェック
- やりがちなNG習慣
- 改善のコツ(続けやすい順)
- 改善しても変わらない場合の考え方
口呼吸がいびきを悪化させる理由

口呼吸が続くと、いびきが出やすい条件がそろいます。ポイントは「気道の乾燥」と「のどの形の変化」の2つです。
| ポイント | 何が起こるか |
|---|---|
| 気道の乾燥・むくみ | 鼻は本来、吸い込む空気を温め、湿らせ、ホコリや花粉をある程度ろ過する。口から吸うと、この働きを飛ばして、冷たく乾いた空気が直接のどに当たる。粘膜が乾燥して刺激を受け、のどの奥がむくみやすくなる(と考えられている)。むくみは空気の通り道を狭くし、周囲の組織が振動しやすくなる |
| のどの形の変化 | 口が開くと下あごが下がり、舌の付け根(舌根)が奥へ落ち込みやすくなる(舌根沈下)。のどの通り道がさらに狭くなり、振動が強くなる |
つまり、口呼吸は「乾燥によるむくみ」と「姿勢(形)の問題」を同時に起こしやすい、いびきを悪化させる典型的なパターンです。いびきの音の正体は、狭くなった空気の通り道で、周囲の組織が振動することです。
口呼吸は「原因」ではなく「結果」のこともあります
鼻が詰まって口でしか息ができない、のどが狭くて口を開けないと息がしにくい、という方もいます。その場合、口を閉じさせるだけでは解決しません。鼻づまりが関わるいびきについては鼻いびきの原因と治療法で解説しています。
まず確認したいセルフチェック
口呼吸は、本人が気づきにくいのが厄介な点です。まずは「兆候」を拾い上げるところから始めましょう。
朝の口の乾き・のどの痛み
- 起床時に口が乾いている
- 喉がイガイガする
- 軽い痛みがある
これらは、寝ている間に口が開いていたサインとして、わかりやすい所見です。
| サイン | 口呼吸との関係 |
|---|---|
| 朝、声がかすれる・痰がからむ | 口やのどが乾燥した結果として現れやすい |
| 口臭が強くなる・唇が荒れる | 口が開いて、口の中が乾いた結果として現れやすい |
| 家族に「口が開いている」と言われる | 口呼吸の直接的なサイン |
| 家族に「いびきが強い日がある」と言われる | 口呼吸のほか、飲酒や疲労、鼻づまりなどの影響も |
| 家族に「息が止まっているように見える」と言われる | 睡眠時無呼吸の可能性。口呼吸だけでは説明できない |
息が止まる・日中の眠気が強い方は、検査を
「いびきが強い」「息が止まっていると言われる」「日中の眠気が強い」がある場合は、口呼吸対策だけで片付けず、睡眠時無呼吸症候群が隠れていないかを確認することが大切です。くわしくはいびき・無呼吸の検査をご覧ください。
やりがちなNG習慣
口呼吸は、体質だけで決まるものではありません。生活・環境・行動の積み重ねで、「口が開きやすい夜」を自分で作ってしまっていることがよくあります。
寝室の乾燥
乾燥は、口呼吸を誘発し、口呼吸による不調を増幅します。空気が乾くと鼻の粘膜も乾きやすくなり、鼻の通りが悪く感じる日が増えます。その結果「鼻が通らないから口で吸う」が起き、口呼吸が習慣になりやすくなります。さらに口呼吸が続くと、のどの乾燥とむくみが進み、いびきが強くなりやすいという悪循環に入ります。
とくに、冬場の暖房、エアコンの風が顔に当たる環境、寝具やカーテンのほこりが多い環境は要注意です。鼻が弱い方ほど、わずかな乾燥や刺激で鼻の通りが落ち、口呼吸へ移りやすくなります。
寝る前の飲酒
「お酒を飲むと寝つきがよい」と感じる方は多いですが、いびき・口呼吸の面では、逆効果になりやすい習慣です。飲酒はのど周りの筋肉をゆるめ、気道が狭くなって、振動が起きやすくなります。
| 研究 | 結果 |
|---|---|
| 寝る前の飲酒と睡眠時無呼吸(13の研究・279人をまとめたメタ解析) | アルコール摂取後、無呼吸の指標(AHI)が平均で3.98回/時上昇し、睡眠中の最低酸素飽和度は2.72%低下。もともといびきがある人では、いびきが強まった(いびきのない人が、飲酒でいびきをかき始めるわけではなかった) |
また、飲酒後は体内の水分バランスが崩れ、粘膜が乾きやすくなることがあります。乾燥から鼻づまり感、口呼吸へという流れを後押ししてしまうため、「口が乾く朝」と「いびきがひどい日」がセットで起きやすい方は、まず寝酒を疑ってよいでしょう。
改善のコツ(続けやすい順)
口呼吸対策は、意志の力だけで「口を閉じる」と決めても長続きしません。環境を整え、鼻の通りを作り、口が開きにくい条件を積み上げるのが近道です。ここでは、続けやすい順に並べます。
| 順番 | 対策 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 寝室の加湿 | 加湿器や濡れタオル。エアコンの風が顔に当たらないよう調整 |
| 2 | 鼻のケア | 入浴や蒸しタオルで温める。寝具のほこり対策。鼻づまりが強ければ受診 |
| 3 | 睡眠時の姿勢 | 横向きで舌の落ち込みを防ぐ。枕の高さを見直す |
| 4 | 口が開きにくい習慣づくり | 日中に唇を軽く閉じ、舌を上あごに置く意識。ただし口テープは慎重に |
| 5 | 寝酒の見直し | 量を減らし、就寝直前を避ける。段階的に |
寝室の加湿

まず取り組みやすいのは、寝室環境の調整です。乾燥対策として、加湿(加湿器や濡れタオルの活用)を行い、エアコンの風が顔に直撃しないよう風向きを調整します。寝具のほこりが鼻への刺激になることもあるため、枕カバーやシーツをこまめに洗うだけでも、鼻の通りが変わる方がいます。就寝前にコップ一杯の水を少量ずつ飲むなど、無理のない範囲で、のどの乾燥を軽くする工夫も有効です。
鼻のケア
口呼吸の最大の引き金は、「鼻で吸えない」ことです。就寝前にぬるめのシャワーで体を温める、蒸しタオルを鼻の周りに当てる、といった温熱は、鼻の通りを改善しやすい王道の方法です。鼻うがいをする場合は、必ず蒸留水、滅菌水、または一度沸騰させて冷ました水を使ってください。
それでも鼻づまりが続く場合は、アレルギーや鼻中隔の曲がり、粘膜の腫れなど、原因が複合していることがあります。鼻いびきの原因と治療法もあわせてご覧ください。
睡眠時の姿勢
仰向けで舌根が落ち込みやすい方は、横向きにするだけで口が閉じやすくなり、いびきが軽くなることがあります。体位による無呼吸の違いは、体位別AHIの記事で解説しています。
枕が高すぎると首が曲がり、気道が狭くなったり、口が開きやすくなったりします。逆に低すぎても、あごが引けて気道が狭くなることがあります。首が自然に伸び、あごが落ち込みすぎない高さを探すのがコツです。合う高さには個人差がありますが、枕を変えたら朝の口の乾きが減った、という方は珍しくありません。
口が開きにくい習慣づくり
日中に口が開きやすい方は、無意識に「口を開けたままの姿勢」が定着していることがあります。日中の数分だけでも、唇を軽く閉じ、舌を上あごにそっと置く姿勢を意識すると、寝ている間の口の開きやすさが変わることがあります。大げさなトレーニングより、「気づいたときに整える」くらいが現実的です。
舌や口まわりの筋肉を鍛える「筋機能療法(口腔・舌のトレーニング)」については、11件の研究をまとめた2015年のレビューで、成人の睡眠時無呼吸の指標が約50%改善したと報告されています。ただし、いずれも治療の前後を比べた研究で、比較対照のある大規模な検証ではありません。補助的な方法と考えるのが現実的です。
「口テープ」は、誰にでも安全ではありません
口にテープを貼って寝る方法が広まっていますが、10件の研究を調べた系統的レビュー(計213〜233人)では、研究の質はいずれも低く、無呼吸の指標が有意に下がったのは、AHIを測った6件のうち2件にとどまりました。さらに、鼻づまりがある方では窒息のおそれが指摘され、中等症〜重症の睡眠時無呼吸の方には勧められていません。別の研究(無呼吸のある54人)でも、口を閉じると全体としては空気の通りは良くなりましたが、約22%の方では、かえって悪化しました。口を無理に閉じればよい、とは限りません。
寝酒はできるだけやめる
寝る前の飲酒は、見直す価値があります。いきなりゼロにするより、「量を減らす」「就寝直前を避ける」「連日を避ける」といった段階的な調整のほうが続きます。口が乾く朝が減るだけでも、口呼吸の悪循環が切れやすくなります。
改善しても変わらない場合の考え方
セルフケアを真面目にやっても、「朝の口の乾きが続く」「いびきが改善しない」ケースはあります。ここで大切なのは、努力不足と決めつけないことです。口呼吸は結果であり、背景に「鼻の通りを邪魔する要因」や「のどの構造的な要因」が隠れていることがあるからです。
| 背景にあるもの | 具体例 |
|---|---|
| 鼻の要因 | 慢性的な鼻づまり、アレルギー、鼻中隔の曲がり、鼻の粘膜の腫れ |
| のどの要因 | 扁桃や舌が大きい、あごが小さい、軟口蓋がゆるいなどの構造 |
| 体重・体調 | 体重の増加、疲労、ストレス(いびきは「その日のコンディション」で変わる) |
| 睡眠時無呼吸 | いびきが強い、息が止まる、日中の眠気が強い |
とくに、「いびきが強い」「息が止まっていると言われる」「日中の眠気が強い」などがある場合は、口呼吸対策だけで片付けず、呼吸の状態を確認することが安心につながります。口呼吸を直そうとしても、気道が狭いままだと口が開いてしまうことがあるため、原因の見極めが優先になります。
上野いびきクリニックでは、自宅でできる簡易検査と、保険診療のPSG検査(自宅で実施・入院不要)で、無呼吸の有無や重症度を確認しています。検査の結果、無呼吸があれば保険診療のCPAP治療を、単純性いびきと確認された方には、状態に合わせた選択肢をご提案します。重い無呼吸の目安はAHI30以上の重症の無呼吸、AHIの見方はAHIとは?で解説しています。
上野いびきクリニックでできること
上野いびきクリニックは、いびき・睡眠時無呼吸症候群を専門とする「睡眠障害内科」です。自宅でできる簡易検査と、保険診療のPSG検査(精密検査)で、いびきの背景を確認します。そのうえで、保険診療のCPAP治療や、自由診療のいびきレーザー治療など、症状や生活習慣を整理しながら、あなたに合った改善ルートをご提案します。
受診の前に、「朝の口の乾き」「いびきの程度」「悪化しやすい条件(飲酒・寝姿勢・寝室環境)」をメモしておくと、診察がスムーズです。
まとめ|口呼吸は「環境・鼻・姿勢・飲酒」から。変わらなければ原因の見極めを
口呼吸は、のどの乾燥・むくみと、舌の付け根の落ち込みを通じて、いびきを悪化させやすくします。今日から試せる対策は、寝室の加湿、鼻のケア、寝る姿勢、寝酒の見直しです。一方、口テープのように無理に口を閉じる方法は、鼻づまりや睡眠時無呼吸がある方では危険になりうるため、慎重に考えてください。
セルフケアで改善しない場合は、口呼吸の背景に、鼻づまりやのどの構造、睡眠時無呼吸が隠れていることがあります。原因の見極めから、一緒に進めましょう。
上野いびきクリニック院長の書籍「いびきを最新治療で治す」(Amazon 売れ筋ランキング 医学一般 1位 臨床内科 1位 家庭医学・健康 2位)でも詳しく解説しています
よくある質問
Q.自由診療のみのクリニックや美容クリニックで、いびきの治療を受けても大丈夫ですか?
いびき・無呼吸の治療には検査が必要です。自由診療のみのクリニックや美容クリニックでのいびき治療では、検査を行えないことが多いため、ご注意ください。いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていると、検査をせずに治療を始めた場合、見逃されるおそれがあります。まず、睡眠検査(簡易検査やPSG検査)を受けられる医療機関で、状態を確認することをおすすめします。
Q.口呼吸だと、なぜいびきがひどくなるのですか?
口から息をすると、冷たく乾いた空気が直接のどに当たり、粘膜が乾燥してむくみやすくなります。さらに、口が開くと下あごが下がり、舌の付け根が奥に落ち込みやすくなります。この両方でのどの通り道が狭くなり、周囲の組織が振動して、いびきが強くなります。
Q.口呼吸のサインを教えてください。
朝の口の乾き、のどの痛みやイガイガ、声のかすれ、痰がからむ、口臭、唇の荒れなどが代表的です。家族から「寝ているときに口が開いている」と言われた場合も、口呼吸のサインです。
Q.寝る前の飲酒は、いびきに影響しますか?
影響します。13の研究をまとめた解析では、アルコール摂取後に無呼吸の指標(AHI)が平均で約4回/時上昇し、睡眠中の最低酸素飽和度が約2.7%低下しました。もともといびきをかく方では、いびきが強まります。
Q.口にテープを貼って寝るのは、いびきに効果がありますか?
効果を示す研究は限られ、質も低いのが現状です。鼻づまりがある方では窒息のおそれが指摘されており、睡眠時無呼吸のある方には勧められていません。無理に口を閉じるのではなく、まず鼻の通りと無呼吸の有無を確認してください。
Q.セルフケアをしても、いびきが改善しません。
口呼吸の背景に、鼻づまり、のどの構造、体重、睡眠時無呼吸が隠れていることがあります。いびきが強い、息が止まっていると言われる、日中の眠気が強いといった場合は、睡眠検査で原因を確認することをおすすめします。
Q.受診するとき、何を伝えればよいですか?
朝の口の乾き、いびきの程度、悪化しやすい条件(飲酒・寝姿勢・寝室環境)、家族に指摘されたこと(口の開き、呼吸停止)をメモしておくと、原因の見極めがスムーズです。
上野いびきクリニックまでお気軽にご相談ください【当日予約可】
📞0120-899-930
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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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