いびきレーザーは1波長と2波長で何が違う?効果の持続と選び方
「いびきのレーザー治療を受けたいけれど、クリニックによって『1波長』『2波長』と書いてあって違いがわからない」「効果はどれくらい続くのか」という声は、とても多くいただきます。
いびきレーザーは自由診療のため、機器の種類や照射のしかた、料金は医療機関ごとに異なります。そのなかで、レーザーの「波長」の数は、治療の設計を知るための大切な手がかりのひとつです。
この記事では、2万症例以上の麻酔管理経験を持つ上野いびきクリニック院長 菅谷が、1波長と2波長の違い、2波長に期待される効果の持続、そして研究でどこまでわかっているかを、正直に整理します。
結論:この記事の要点
いびきレーザーの「波長」は、熱が届く深さを決めます。2波長(Nd:YAG+Er:YAG)は、のどの浅い層と深い層の両方にアプローチできる設計で、当院は効果の持続の面で1波長より有利と考えて2波長を採用しています。ただし、1波長レーザーが全く効かないというわけではありませんが、どちらの場合も、レーザーの前に検査で無呼吸の有無を確認することが大前提です。
上野いびきクリニックでは、いびきレーザー治療の前に、簡易検査と、自宅で受けられる保険診療のPSG検査(精密検査)で、無呼吸が隠れていないかを確認します。入院は不要です。レーザーは、検査で単純性いびきと確認された方に、2種類の波長(Nd:YAG・Er:YAG)で行っています。
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菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之が、いびきレーザーの「1波長」と「2波長」の違いと、効果の続き方、クリニックを選ぶときに確認したい点について解説しています。
上野いびきクリニックでは、まず検査でいびきの背景を確認し、単純性いびきの方には2波長のレーザー治療を、無呼吸のある方には保険診療のCPAP治療を軸に、状態にあわせた方針をご提案しています。
保険診療でしっかり検査・継続治療
- 簡易検査:自宅でできる無呼吸のスクリーニング
- PSG検査:脳波を含めて評価できる精密検査(自宅で実施)
- CPAP治療:保険適応基準を満たす無呼吸への標準治療
自由診療で根本改善・短期集中
- いびきレーザー治療:検査で単純性いびきと確認された方に
- 医療ダイエット:体重増加が要因の場合の選択肢としても
※レーザー治療が適しているかどうかは、検査結果・症状・のどの状態から医師が判断します。
📋 この記事でわかること
- いびきレーザーの「波長」とは?1波長と2波長の違い
- 2波長が効果の持続に期待される理由と、わかっていること
- 1波長か2波長か|クリニックを選ぶときの確認ポイント
- レーザーの前に検査が必要な理由
- 当院の2波長レーザー(Dual Deep Thermia)の実際
いびきレーザーの「波長」とは?1波長と2波長の違い

いびきレーザーは、のどの奥の軟口蓋(なんこうがい)などに熱の刺激を与え、組織を引き締めて、いびきの振動を小さくすることを目的とした治療です。このとき使うレーザーの光には「波長(nm:ナノメートル)」があり、波長によって、組織のどの深さまで熱が届くかが変わります。
| 1波長のレーザー | 2波長のレーザー | |
|---|---|---|
| 使う波長 | 1種類(例:Er:YAG 2940nmのみ) | 2種類(Nd:YAG 1064nm + Er:YAG 2940nm) |
| 熱の届き方 | その波長が得意な深さに集中する | 浅い層(Er:YAG)と、より深い層(Nd:YAG)の両方に届く設計 |
| 設計の考え方 | 構造がシンプルなため機器のコストが抑えられる | 表層から深部まで、のどの組織を重ねて温める |
| 注意点 | 深い層には熱が届きにくい | 機器・照射の手間が増えるため、手順の説明が重要 |
Er:YAGレーザー(2940nm)は水によく吸収されるため、粘膜の表面近くで熱が立ち上がります。一方、Nd:YAGレーザー(1064nm)は水に吸収されにくく、より深い層まで届きます。この2つを組み合わせるのが「2波長」の考え方です。
ポイント
「1波長だから悪い」「2波長だから必ず良い」という単純な話ではありません。波長の数は、治療の設計を知るための手がかりであり、検査・照射時間・回数・フォローとあわせて判断することが大切です。
2波長が効果の持続に期待される理由と、わかっていること
当院が2波長を採用している理由は、のどの組織を浅い層だけでなく深い層からも引き締めることで、効果が長く続くことを期待できると考えているためです。表面だけを温めても、深い層がゆるんだままだと、時間とともに元に戻りやすいと考えられます。
では、研究ではどこまでわかっているのでしょうか。確認できた範囲を整理します。
| 研究 | 内容 | わかること |
|---|---|---|
| Er:YAG(1波長)の2年間の追跡(76人を治療。6週時点で改善した52人のうち43人を追跡) | 3回照射のあと、6週間後と2年後を評価(対照群なし) | 6週間後に約7割の人がいびきの消失を報告。そのうち2年後に追跡できた人では、約65%が改善を維持、約35%でいびきが再発した |
| Nd:YAG+Er:YAG(2波長)の臨床試験(30人、学会抄録) | 3回照射、レーザー群と対照群を比較 | いびきの時間や音の大きさなどが改善したと報告。 |
この表からわかるのは、次の3点です。
1つ目は、1波長でも、いびきの改善が報告されていることです。2つ目は、1波長では、いったん改善した人のうち2年後に約3分の1でいびきが戻ったことで、効果は永続的ではありません。3つ目は、2波長についても改善の報告はあるものの、1波長と2波長を同じ条件で比べて、持続効果が長い印象です。
「2波長のほうが必ず長持ち」とまでは言い切れないが患者様満足度は高い
2波長が長持ちすると期待される根拠は、現時点では熱が届く深さの違いという理屈(作用の仕組み)が中心で、1波長との直接比較で証明されたものではありませんが個人差も大きく、永続する治療でもありません。当院でも、持続の目安は数年程度とご説明し、半年〜1年ごとの2波長レーザーによるメンテナス照射をお受けになることで満足度の向上につながっています。
当院が2波長を選ぶのは、「浅い層と深い層の両方にアプローチできる」という理屈に合理性があり、長く効かせたいという目的に合っていると考えているからです。研究が今後進めば、見方が変わる可能性もあります。
1波長か2波長か|クリニックを選ぶときの確認ポイント
いびきレーザーを受けるクリニックを選ぶとき、波長の数だけで決めるのはおすすめしません。波長の数、照射時間、検査の有無、説明の中身をあわせて確認してください。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| レーザーの波長は何種類か | 1波長か2波長か。2波長なら、それぞれの役割を説明してもらえるか |
| 1回の総照射時間 | 「何分で終わるか」だけでなく、どの部位に、どのくらい照射するのか。当院は1回15〜20分ほど |
| 事前の検査 | 睡眠検査で、無呼吸が隠れていないかを確認してから治療するか |
| 効果の持続と回数 | 「どのくらい続くか」「何回必要か」「追加照射は必要か」を、根拠とともに説明してもらえるか |
| 料金の説明 | 1回ごとの料金、コース料金、追加照射の料金が事前にわかるか |
とくに、波長が1種類で、照射時間が短く、効果の続き方や回数、追加の費用について明確な説明がないまま契約を急がされる場合は、一度立ち止まって、他の医療機関の説明も聞いてみることをおすすめします。機器の導入費や1日にこなせる人数といった事情が、治療の設計に影響することは、自由診療ではありえるためです。
質問してよいこと
「なぜこの波長なのですか」「効果はどのくらい続きますか」「戻ったらどうなりますか」――この3つに根拠をもって答えてくれるかどうかは、クリニックを見極める大切な手がかりになります。
レーザーの前に検査が必要な理由

波長の数以前に、もっと大切なことがあります。レーザーの前に、睡眠検査を受けることです。いびきが大きい方のなかには、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が隠れている方がいます。
検査をせずにいきなりレーザーを勧めるクリニックは、危険です。
無呼吸が隠れたままレーザーだけを受けると、いびきの音は小さくなっても、無呼吸そのものが治らず、見逃されたままになるおそれがあります。重い無呼吸(AHI30以上)では、レーザー単独では不十分になりやすく、CPAPなどの標準治療が優先されます。
上野いびきクリニックでは、簡易検査や、自宅で受けられる保険診療のPSG検査(精密検査)で状態を確認します。入院は不要です。そのうえで、単純性いびきと確認された方にレーザー治療を、無呼吸のある方には保険診療のCPAP治療をご提案します。くわしくは単純性いびきとレーザー治療、いびき・無呼吸の検査、AHI30以上の重症の無呼吸の記事もご覧ください。
当院の2波長レーザー(Dual Deep Thermia)の実際

当院のいびきレーザーは「Dual Deep Thermia(デュアル・ディープ・サーミア)」という2波長のレーザー治療です。流れと特徴は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使用する波長 | Nd:YAG(1064nm)+Er:YAG(2940nm) |
| 照射の順番 | まずNd:YAGを低めの出力でのど全体に照射し、そのあとEr:YAGで軟口蓋・口蓋垂まわり・舌の両サイドなどを部位ごとに照射 |
| 1回の照射時間 | 15〜20分ほど |
| 施術中の感覚 | 「温かい」「少しチクチクする」程度で、痛みを感じない方が多い |
| 施術後 | 1〜2日ほど、ヒリヒリ感やのどの違和感が出ることがあります(多くは自然に軽くなります) |
| 効果を感じる時期 | 直後に劇的に変わるタイプではなく、数回の照射後、数週間〜1〜2か月ほどで実感される方が多い |
| 持続の目安 | 1〜2年程度が目安で、永続するものではありません。半年〜1年ごとの追加照射をおすすめしています |
事前の確認が必要な方(AHI30以上の方、扁桃やアデノイドが極端に大きい方、BMIが高い方、出血しやすい病気のある方、強いのどの炎症がある方、妊娠中の方など)もいらっしゃいます。回数や間隔は状態によって異なるため、医師が判断します。料金は料金ページ、治療の詳細はDual Deep Thermiaの解説をご覧ください。
よい医療機関かどうかの見分け方は、いびきクリニック選びのポイントでも解説しています。
上野いびきクリニックでできること
上野いびきクリニックは、いびき・睡眠時無呼吸症候群を専門とする「睡眠障害内科」です。自宅でできる簡易検査と、保険診療のPSG検査(精密検査)で状態を確認し、無呼吸のある方には保険診療のCPAP治療を、単純性いびきの方には2波長のレーザー治療をご提案しています。
「他院でレーザーを勧められたが不安」「1波長と2波長のどちらがよいかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。
まとめ|波長の数より、検査と説明の中身で選ぶ
いびきレーザーの波長は、熱が届く深さを決めます。2波長は、のどの浅い層と深い層の両方にアプローチする設計で、効果の持続の面で期待できると当院は考えています。ただし、1波長と2波長を直接比べた研究はまだなく、どちらも永続する治療ではありません。
クリニックを選ぶときは、波長の数だけでなく、検査をしてからレーザーに進むか、照射時間・回数・効果の続き方・料金を根拠とともに説明してくれるかを確認してください。当院では、検査を踏まえて、一人ひとりに合った治療をご提案します。
上野いびきクリニック院長の書籍「いびきを最新治療で治す」(Amazon 売れ筋ランキング 医学一般 1位 臨床内科 1位 家庭医学・健康 2位)でも詳しく解説しています
よくある質問
Q.1波長と2波長では、どちらが効果的ですか?
当院は、のどの浅い層と深い層の両方にアプローチできる2波長のほうが、効果の持続の面で期待できると考えています。いずれの場合も、検査で単純性いびきと確認されたうえで行うことが大前提です。
Q.いびきレーザーの効果はどのくらい続きますか?
永続するものではなく、当院では1〜2年程度を目安にご説明しています。1波長のレーザーの研究でも、いったん改善した方のうち2年後に約3分の1でいびきが戻ったと報告されています。戻ってきた場合は、半年〜1年ごとの追加照射をご提案しています。
Q.1波長のレーザーを行っているクリニックは避けたほうがよいですか?
波長の数だけで判断はできません。大切なのは、事前に睡眠検査を行っているか、照射時間・回数・効果の続き方・追加料金を根拠とともに説明してくれるか、です。説明が不十分なまま契約を急がされる場合は、他院の説明も聞いてみてください。
Q.レーザーは痛いですか?副作用はありますか?
施術中は「温かい」「少しチクチクする」程度で、痛みを感じない方が多いです。施術後に1〜2日ほど、のどのヒリヒリ感や違和感が出ることがありますが、多くは自然に軽くなります。
Q.検査をせずにレーザーを勧められました。大丈夫ですか?
おすすめしません。いびきが大きい方のなかには、睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあります。まず検査で状態を確認し、単純性いびきと確認されてからレーザーを検討することが大切です。
Q.何回くらい通う必要がありますか?
回数や間隔は、のどの状態や効果の出方によって異なります。数回の照射のあと、効果を確認して追加の照射を判断するのが一般的です。詳しくは診察時に医師がご説明します。
上野いびきクリニックまでお気軽にご相談ください【当日予約可】
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〒110-0005 東京都台東区上野4−8−8 上野シルクビル 5階

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We provide medical services for international patients. Please check our English website for details on how to visit our clinic.
記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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