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腰痛は湿布で改善できる?気になる効き目や効果的な貼り方をご紹介

その他疾患について 2020.12.05更新

院長監修記事

梅林猛

梅林 猛

東京脊椎クリニック院長/日本脳神経外科学会専門医/日本脊髄学会指導医

医療法人メディカルフロンティアでは脊椎手術に特化した医療施設(東京脊椎クリニック)を運営しています。その施設の責任者である梅林猛医師監修の下、リハビリテーションや脊椎疾患、手術術式についても寄稿していきます。

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厚生労働省の調べによると、腰痛は日本人の成人男性にとって一番の身体的悩みとされています。

女性にとっても、肩こりに次いで二番目のお悩みとなっています。

そんな腰痛に対して、湿布は効果があるのでしょうか。

今回は、腰痛に最適な湿布の選び方や使い方、湿布以外の腰痛解消法などについてご紹介します。

【目次】

■そもそも腰痛に湿布は効果がある?効き目と使い方をチェック
■湿布以外にできる腰痛へのアプローチ方法をご紹介
■まずは一度専門医に相談してください
■まとめ

そもそも腰痛に湿布は効果がある?効き目と使い方をチェック

それでは早速ですが、今回のメインテーマでもある「腰痛に対して湿布は効果があるのかどうか」についてみていきたいと思います。

痛みを和らげることはできるが治すことはできない

結論から先に申し上げますと、湿布には痛みを和らげる効果こそ期待できるものの、腰痛を治すような効果は期待できません。

その理由について知るためには、湿布の働きや炎症の仕組みについて理解する必要があります。

・湿布の働き

現在、市販されている湿布や病院などで処方されている湿布には、正式に言うと経皮吸収型鎮痛消炎剤を成分として配合した貼り薬のことを意味します。

患部に湿布を貼ることによって、鎮痛消炎成分が皮膚から患部へと吸収され、腫れや痛みを抑える作用が期待されています。

・湿布が治癒を遷延させる可能性も

湿布は簡単に言うと、打撲や捻挫、筋肉痛などにともなう炎症を抑える目的で用いられます。では、そもそもなぜ炎症が起こるのでしょうか。

ケガをした場所には組織の損傷がみられますが、それを修復するために、ホルモンの一種であるプロスタグランジンの産生量が増加します。

プロスタグランジンが損傷部位へと集まってくると、熱と痛みを生じることとなります。

その反応こそが炎症の正体なのです。

逆に言うと、炎症は治癒反応の裏返しとも言えます。

そのため、むやみに湿布を用いることで、治癒を遷延させる(遅らせてしまう)可能性もあるわけです。

効果を最大限発揮する湿布の最適な使い方とは?

私たちが一般的に用いている湿布には、冷湿布と温湿布の2種類があります。

では、どのようなときに、どちらの湿布を使うことが最適なのでしょうか。

・冷湿布

冷湿布は主に、ぎっくり腰や足関節捻挫の初期など、強い炎症がみられる際に用いられます。

冷湿布には痛みを抑える作用だけでなく、患部に冷感を与える作用も期待されています。

ただし、アイシング目的で冷湿布を用いることはあまり意味がありません。

例えば温かいコーヒーが入ったコップに冷湿布を貼ったとして、コーヒーの温度が下がるでしょうか。

冷湿布の作用はあくまでも冷感を与えることで、冷やすことではありません。

アイシング目的であれば、氷嚢やアイスパックを用いることが効果的です。

・温湿布

温湿布は主に、慢性的な腰痛や肩こりなど、鈍痛に対して用いられることが多いです。

冷湿布とは反対に、患部に温感を与える作用も期待されています。

ただし、患部を温めるという目的であれば、ホットパックや蒸しタオルなどを用いる方がより効果的といえます。

あなたにあった湿布の形状を

湿布には主に痛みを鎮め、炎症を抑える作用が期待されていますが、人によって症状や肌質はそれぞれです。

そのため、症状や患部に応じて、次のようなタイプの湿布を使い分けることとなります。

・貼布剤(ハップ剤)

貼付剤(パップ剤)は、一般的にシップといった際にイメージされることの多い、水分を多く含んだ柔らかい湿布のことです。

それ自体には強い粘着力がないため、包帯やテープなどを用いて固定されます。

肌が弱くて荒れやすい方などに多く用いられます。

・プラスター剤(テープ剤)

プラスター剤(テープ剤)は最近になってよく使われるようになったシップで、粘着力が強いため剥がれにくいというメリットがあります。

モーラステープやロキソニンテープなどがプラスター剤の代表ですが、肌に対する刺激が強いというデメリットもあります。

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湿布以外にできる腰痛へのアプローチ方法をご紹介

腰痛がある場合、薬局やドラッグストアで湿布を買って対処する方法もありますが、その他にも、次のようなアプローチ法があるのでご紹介します。

飲み薬による治療

腰痛への対処法として、飲み薬を服用するという手があります。

代表的な飲み薬としては痛み止めがあげられます。

ただ、痛み止めは腰痛を治すためのものではなく、痛みを感じなくさせるためのものなので、痛みを感じなくしている間に動きすぎると、薬の効果が切れたときに、かえって腰痛を増す結果となる可能性もあります。

鎮痛効果のある市販薬も販売されていますが、鎮痛剤を用いるときは、医師の指導を仰いだ方が安心、かつ安全だといえます。

再発防止のための運動、ストレッチ

腰痛の再発を防止するのであれば、運動やストレッチも効果的です。

ただし、運動やストレッチはあくまでも再発を予防するためのものであり、腰痛があるときに無理におこなう者ではありません。

では、どのような運動やストレッチをおこなうことで、腰痛を予防することが期待できるのでしょうか。

・運動

腰痛を予防する運動としては、ウォーキングや水泳といった有酸素運動があげられます。

筋肉に対して軽度から中等度の負担をかけることで血行を促進し、腰の筋緊張を緩和することが期待できます。

最近は新型コロナウイルスの影響で在宅ワークをされる方も増えていますが、それによって運動不足状態に陥り、ぎっくり腰を発症するような方も増えています。

普段から適度に身体を動かすことで、そのようなリスクを下げることが可能です。

・ストレッチ

腰痛の多くは腰だけでなく、臀部や股関節周りの筋緊張によって発症リスクを増します。

そのため、臀部や股関節のストレッチを入念におこなうことで、腰痛の発症リスクを低下させることが期待できます。

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まずは一度専門医に相談してください

一口に腰痛といっても、症状の現れ方は実にさまざまですし、原因も人それぞれです。

また、腰痛だと思っていたら、内科系の疾患が見つかったというケースも少なくありません。

そのため、まずは専門医に相談し、なぜ腰痛が起こっているのか、その原因を突き止めることが重要となります。

原因がはっきりして初めて、有効な治療をおこなうことが可能となることを覚えておきましょう。

まとめ

腰痛などの痛みがあると、湿布で対処することもあると思います。

ただ、湿布はあくまでも症状を抑えるものであり、根本的に腰痛を治すためのものではありません。

また、運動やストレッチには腰痛の再発を予防する効果が期待できますが、現実に痛みが出ている場合、無理に身体を動かすと、かえって痛みを増すことにもつながりかねません。

腰痛にはさまざまな原因があり、思いもよらぬ疾患が隠されていることもあります。

そのため、腰痛を感じたら、まずは専門医に相談することが重要です。

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