「CPAPを毎晩きちんと使っているのに、日中の眠気がなくならない」——治療を続けている患者様から、こうしたご相談をいただくことがあります。CPAPはいびき・無呼吸そのものへの効果が高い治療ですが、使い続けているのに眠気だけが残ってしまうケースも実際に存在します。
この状態は医学的に「残存眠気」と呼ばれ、CPAPをきちんと使用している患者様の一部に見られることが分かっています。原因は一つとは限らず、CPAPの使い方そのものに関わるものから、無呼吸以外の病気が隠れているケースまでさまざまです。
この記事では、CPAPを使っても眠気が残ってしまう7つの原因を、院長が一つずつ解説します。
結論:この記事の要点
CPAPを使っても眠気が残る主な原因は、①CPAPの使用時間・使用日数が足りていない②AHIそのものが十分に下がっていない(残存無呼吸)③そもそもの睡眠時間が不足している④他の睡眠障害が合併している⑤うつ病・不安障害などの精神的要因⑥薬剤・アルコール・カフェインの影響⑦長期間の低酸素状態による影響が残っているの7つです。CPAPは「使っていれば必ず眠気がゼロになる」治療ではなく、使用状況の見直しと、無呼吸以外の原因の有無を確認することが重要です。数週間以上眠気が続く場合は、自己判断せず主治医に相談してください。
上野いびきクリニックでは、CPAP導入後の使用状況の確認から、他の睡眠障害の合併の評価まで、継続的にサポートしています。「使っているのに眠気が取れない」という方は、遠慮なくご相談ください。
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菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、CPAP治療中にも眠気が残る場合に考えられる原因について解説しています。
上野いびきクリニックでは、CPAP導入後の使用状況の確認、残存無呼吸の評価、他の睡眠障害の合併の有無まで含めて、眠気の原因を総合的に確認しています。
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- 簡易検査・PSG検査:いびき・無呼吸の原因を精密に評価
- CPAP治療:中等症〜重症の無呼吸への標準治療、導入後の調整も対応
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※眠気が続く場合、無呼吸以外の原因が隠れていることもあるため、必要に応じて他の専門医療機関と連携してご案内します。
📋 この記事でわかること
- 結論:残存眠気の主な原因は7つ
- 原因①〜⑦を一つずつ確認する
- 「使っているのに眠い」を放置してはいけない理由
- 眠気が続くときにすべきこと
結論:残存眠気の主な原因は7つ

CPAPをきちんと使用しているにもかかわらず日中の眠気が残ってしまう状態は、医学的に「残存眠気」と呼ばれます。無呼吸によるいびきや呼吸の乱れは改善していても、眠気という自覚症状だけが残ってしまうことがあり、一定数の患者様に見られる現象です。
| 原因 | 分類 |
|---|---|
| ①CPAPの使用時間・日数不足 | CPAPの使い方 |
| ②残存無呼吸(AHIが十分に下がっていない) | CPAPの使い方 |
| ③そもそもの睡眠時間不足 | 生活習慣 |
| ④他の睡眠障害の合併 | 併存疾患 |
| ⑤うつ病・不安障害などの精神的要因 | 併存疾患 |
| ⑥薬剤・アルコール・カフェインの影響 | 生活習慣 |
| ⑦長期間の低酸素状態による影響 | 既往の影響 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
原因①〜⑦を一つずつ確認する
原因①:CPAPの使用時間・使用日数が足りていない
CPAPの効果を十分に得るためには、1日あたり4時間以上、可能な限り毎晩使用することが目安とされています。装着はしているものの、途中で外してしまっている、週に数日しか使えていない、といった場合には、治療効果が不十分になり、眠気が残りやすくなります。
ただし4時間使用して残りの4時間を使用せず睡眠をとってもよいという意味ではありません。無呼吸状態を少しでも少なくする目的の治療ですのでできるだけ使用せず睡眠を取る時間を減らすことが重要と言えます。
原因②:残存無呼吸(AHIが十分に下がっていない)
CPAPを使用していても、マスクのリークや設定圧の不一致などにより、機器のデータ上のAHIが十分に下がっていないケースがあります。この場合、無呼吸そのものが残っているため、眠気も改善しにくくなります。
原因③:そもそもの睡眠時間が不足している
CPAPは、あくまで「睡眠中の呼吸の乱れ」を改善する治療であり、睡眠時間そのものを増やす治療ではありません。就寝時刻が遅く、日々の睡眠時間が慢性的に不足していれば、CPAPを使っていても日中の眠気は残ります。まずはご自身の平均睡眠時間を振り返ってみましょう。
何時間寝れば十分という基準はありません。その人にあった睡眠時間というものがあり、日中の眠気や疲労を感じない程度の睡眠時間を確保しましょう。
原因④:他の睡眠障害が合併している
睡眠時無呼吸症候群以外にも、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害、ナルコレプシー、特発性過眠症、交代勤務による概日リズムの乱れなど、眠気の原因となる睡眠障害は複数あります。これらが無呼吸と合併している場合、CPAPだけでは眠気が十分に改善しません。
原因⑤:うつ病・不安障害などの精神的要因
うつ病や不安障害は、睡眠の質を低下させたり、日中の倦怠感・眠気として現れたりすることが知られています。「眠っているのに疲れが取れない」「気分の落ち込みが続いている」という場合は、無呼吸だけでなく、心の状態も影響している可能性があります。
原因⑥:薬剤・アルコール・カフェインの影響
抗うつ薬、抗不安薬、抗ヒスタミン薬など、眠気を引き起こす副作用のある薬剤は少なくありません。また、就寝前のアルコールは睡眠の質を下げ、夜間のカフェイン摂取は睡眠を妨げます。普段服用している薬や生活習慣を見直すことも大切です。
原因⑦:長期間の低酸素状態による影響
長年にわたり重症の睡眠時無呼吸症候群を放置していた場合、繰り返す低酸素状態が脳に影響を及ぼし、CPAP治療を開始した後も眠気が残存することがあると考えられています。この場合、CPAPの効果が出るまでに他の原因より時間がかかることもあります。
「使っているのに眠い」を放置してはいけない理由

「CPAPを頑張って使っているのに眠気が取れないから、意味がないのでは」と感じ、治療をやめてしまう方がいらっしゃいますが、これはおすすめできません。無呼吸そのものへの効果と、眠気という自覚症状は、必ずしも同時に改善するとは限らないからです。無呼吸が改善していれば、心血管疾患などのリスク低減にはつながっています。
一方で、眠気が長く続く場合、運転中の居眠りなど日常生活における危険にもつながります。「そのうち慣れるだろう」と放置せず、原因を確認することが重要です。
眠気が続くときにすべきこと
CPAPを一定期間(数週間〜数ヶ月)使用しても眠気が改善しない場合は、以下を確認・相談することをおすすめします。
まず、CPAPの使用時間・使用日数のデータを確認し、機器上のAHIが十分に下がっているかを見直します。次に、普段の睡眠時間や生活リズム、服用中の薬剤、アルコール・カフェインの摂取状況を振り返ります。それでも原因が分からない場合は、他の睡眠障害や精神的な要因の可能性も含めて、医師に相談してください。
必要に応じて、精神科・心療内科など他の専門医療機関と連携して原因を調べることもあります。
上野いびきクリニックでできること
上野いびきクリニックは、いびき・睡眠時無呼吸症候群を専門とする「睡眠障害内科」です。CPAPの使用状況や機器データの確認はもちろん、無呼吸以外に眠気の原因となる要因がないか、丁寧に評価しています。
「CPAPを使っているのに眠気が取れない」「原因が分からず不安」という方は、自己判断で治療をやめずに、まずはご相談ください。
まとめ|眠気の原因は無呼吸だけとは限らない
CPAPを使っても眠気が残る場合、使用時間の不足や残存無呼吸といったCPAP自体に関わる原因のほか、睡眠不足、他の睡眠障害の合併、精神的要因、薬剤やアルコールの影響、過去の低酸素状態の影響など、さまざまな原因が考えられます。
「使っているのに眠い」状態を我慢し続けたり、治療をあきらめたりせず、原因を一つずつ確認していくことが、根本的な改善への近道です。
上野いびきクリニック院長の書籍「いびきを最新治療で治す」(Amazon 売れ筋ランキング 医学一般 1位 臨床内科 1位 家庭医学・健康 2位)でも詳しく解説しています
よくある質問
Q.CPAPを使い始めて数日ですが、眠気が取れません。異常ですか?
CPAPの効果が実感できるまでには数週間程度かかることも珍しくありません。まずはしばらく継続し、使用時間の確保を心がけてください。
Q.CPAPの使用時間はどのくらい必要ですか?
一般的な目安として、1日あたり4時間以上、できるだけ毎晩使用することが推奨されています。
Q.眠気の原因が無呼吸以外にあるかもしれないと言われました。どうすればいいですか?
むずむず脚症候群やナルコレプシーなど、他の睡眠障害が合併している可能性があります。必要に応じて専門的な検査や他科との連携が必要になることがあります。
Q.CPAPを使っていても眠気が続くなら、意味がないのでしょうか?
そうとは限りません。無呼吸そのものへの効果と、眠気という自覚症状は必ずしも同時に改善するとは限りません。無呼吸が改善していれば、心血管疾患などのリスク低減にはつながっています。
Q.うつ病が関係していることもあるのですか?
はい。うつ病や不安障害は睡眠の質を低下させ、日中の眠気・倦怠感として現れることがあります。心当たりがある場合は医師にご相談ください。
Q.どのくらい眠気が続いたら受診すべきですか?
CPAPを適切に使用しているにもかかわらず、数週間以上眠気が改善しない場合は、一度医師にご相談ください。
上野いびきクリニックまでお気軽にご相談ください【当日予約可】
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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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