CPAPのAHIが下がらない7つの原因|マスクリーク・口呼吸・体重増加まで医師が解説
「CPAPをちゃんと毎晩使っているのに、機器のデータを見るとAHIがあまり下がっていない」——通院中の患者様から、こうしたご相談をよくいただきます。CPAPは正しく使えていれば高い効果が期待できる治療ですが、「使っているのに数値が改善しない」場合には、いくつかの典型的な原因があります。
この記事では、CPAP治療中に残存AHI(CPAP装着中に記録されるAHI)が下がらないときに考えられる7つの原因を、院長が一つずつ解説します。ご自身に当てはまるものがないか、確認しながら読んでみてください。
なお、原因によっては自分で調整できるものもありますが、圧力設定の変更や中枢性無呼吸の評価などは自己判断が難しいため、最終的には医師への相談をおすすめします。
結論:この記事の要点
CPAP使用中にAHIが下がらない主な原因は、①マスクからの空気漏れ(リーク)②マスクの種類が合っていない③口呼吸・口漏れ④設定圧が体に合っていない⑤体重の増加⑥飲酒・喫煙・睡眠薬⑦中枢性無呼吸(CSA)の出現の7つです。特に体重は影響が大きく、体重が10%増加するとAHIは約32%増加し、逆に10%減量できるとAHIは約26%改善するという報告があります。マスクや口呼吸が原因であれば自分でも対処できることが多い一方、圧力設定の変更や中枢性無呼吸の評価は医師の判断が必要です。数値が改善しないまま自己判断で使用をやめず、まずは主治医に相談してください。
上野いびきクリニックでは、CPAP導入後のデータ確認・マスク調整・圧設定の見直しまで、継続的にサポートしています。「使っているのに数値が改善しない」という方は、遠慮なくご相談ください。
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院長監修記事
菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、CPAP治療中にAHIが下がらない場合に考えられる原因と対処法について解説しています。
上野いびきクリニックでは、CPAP導入後も定期的にデータを確認し、マスクの調整や圧設定の見直しなど、数値が改善しない場合のフォローを継続的に行っています。
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- 簡易検査・PSG検査:いびき・無呼吸の原因を精密に評価
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- 医療ダイエット:体重増加が要因の場合の選択肢としても
※CPAPのデータに関するご相談は、通院時にお持ちいただければ一緒に確認します。
📋 この記事でわかること
- 結論:AHIが下がらない主な原因は7つ
- 原因①〜⑦を一つずつ確認する
- AHIが「0」にならなくても問題ないケースとは
- 自己判断でやめず、まず相談を
結論:AHIが下がらない主な原因は7つ
CPAP治療は、正しく使用できていれば高い効果が期待できる治療です。しかし、機器のデータを見てもAHIがなかなか下がらないという場合、以下のような原因が関わっていることが少なくありません。
| 原因 | 自分で気づけるか |
|---|---|
| ①マスクからの空気漏れ(リーク) | 気づきやすい |
| ②マスクの種類が合っていない | 気づきやすい |
| ③口呼吸・口漏れ | 気づきにくい |
| ④設定圧が体に合っていない | 医師の判断が必要 |
| ⑤体重の増加 | 気づきやすい |
| ⑥飲酒・喫煙・睡眠薬 | 気づきやすい |
| ⑦中枢性無呼吸(CSA)の出現 | 医師の判断が必要 |
次の章から、それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。
原因①〜⑦を一つずつ確認する

原因①:マスクからの空気漏れ(リーク)
マスクと顔の間にすき間があると、そこから空気が漏れてしまい、気道に必要な圧力が十分に届かなくなります。マスクのクッション部分は使用しているうちに劣化し、フィット感が落ちてくるため、リークが増える原因になります。機器のデータに「リーク量」が表示されている場合は、まずそこを確認してみましょう。
原因②:マスクの種類が合っていない
CPAPのマスクには、鼻マスク・鼻ピローマスク・フルフェイスマスクなど複数の種類があります。顔の形や呼吸のクセによって、合うマスクは人それぞれです。導入時に選んだマスクが、時間が経つにつれて合わなくなってくることもあります。
原因③:口呼吸・口漏れ
鼻マスクを使用している場合、睡眠中に口が開いてしまうと、送られた空気が口から漏れ、気道内の圧力が保てなくなります。本人が眠っている間の出来事のため、自分では気づきにくい原因の一つです。朝起きたときに口や喉が乾いている、家族から「口を開けて寝ている」と言われる、という方は要注意です。
原因④:設定圧が体に合っていない
CPAPの圧力設定が低すぎると、気道を十分に開くことができず、無呼吸が残ってしまいます。逆に圧力が高すぎると、後述する中枢性無呼吸を誘発することもあります。圧力設定の調整は自己判断で行わず、必ず医師に相談してください。
原因⑤:体重の増加
体重増加は、AHIに大きな影響を与えることが分かっています。研究報告では、体重が10%増加するとAHIは約32%増加し、逆に10%減量できるとAHIは約26%改善するとされています。CPAP導入後に体重が増えていないか、振り返ってみることも大切です。
原因⑥:飲酒・喫煙・睡眠薬
アルコールは喉まわりの筋肉を弛緩させ、気道を狭くする方向に働きます。喫煙は気道の炎症やむくみにつながり、睡眠薬の種類によっては筋弛緩作用が無呼吸を悪化させることがあります。CPAPをきちんと使っていても、こうした生活習慣が影響を打ち消してしまっていることがあります。
原因⑦:中枢性無呼吸(CSA)の出現
CPAPによって気道の閉塞(閉塞性無呼吸)は改善していても、脳から呼吸をする指令そのものが一時的に止まってしまう「中枢性無呼吸」が新たに現れることがあります。これは治療開始後に生じることがあるタイプで、専門的な評価が必要です。マスクやリークに問題がないのにAHIが下がらない場合は、この可能性も考慮して医師に相談する必要があります。
AHIが「0」にならなくても問題ないケースとは

CPAPを使っていても、機器のデータ上のAHIが完全に0になることは多くありません。一般的には、残存AHIがおおむね5未満に収まっていれば、治療目標として妥当とされることが多いです。「0でなければ失敗」と考える必要はありません。
重要なのは、数値だけを見て一喜一憂することではなく、日中の眠気や倦怠感といった自覚症状の改善も含めて、総合的に評価することです。数値の目標値については、患者様ごとの状態によっても異なるため、診察で確認することをおすすめします。
自己判断でやめず、まず相談を

AHIが下がらないことに悩んで、CPAPの使用そのものをやめてしまう方もいらっしゃいますが、これはおすすめできません。マスクの調整や口漏れ対策など、比較的簡単に改善できる原因も多く、原因を特定できれば数値が大きく改善するケースも少なくないためです。
「CPAPが合わない」「つけているのがつらい」と感じている場合も、我慢を続けたり自己判断で中止したりする前に、まずは原因を確認しましょう。
上野いびきクリニックでできること
上野いびきクリニックは、いびき・睡眠時無呼吸症候群を専門とする「睡眠障害内科」です。CPAP導入後も、機器のデータをもとにマスクの調整、口漏れ対策、圧設定の見直し、中枢性無呼吸の評価まで、継続的にフォローしています。
「CPAPを使っているのに数値が改善しない」「機器のデータの見方が分からない」という方は、次回の通院時にデータをお持ちいただくか、お気軽にご相談ください。
まとめ|AHIが下がらないときは、原因を一つずつ確認する
CPAP使用中にAHIが下がらない場合、マスクのリークや口呼吸、体重増加、生活習慣、設定圧、中枢性無呼吸の出現など、さまざまな原因が考えられます。中には自分で気づき、対処できるものもあれば、医師の評価が必要なものもあります。
数値が思うように改善しないからといって、自己判断で治療を中断せず、まずは原因を一つずつ確認していきましょう。
上野いびきクリニック院長の書籍「いびきを最新治療で治す」(Amazon 売れ筋ランキング 医学一般 1位 臨床内科 1位 家庭医学・健康 2位)でも詳しく解説しています
よくある質問
Q.CPAPのAHIはどのくらいまで下がれば安心ですか?
一般的には5未満が目標とされることが多いですが、目標値は患者様の状態によって異なります。詳しくは診察でご確認ください。
Q.マスクからの空気漏れは自分で確認できますか?
機器のデータに表示される「リーク量」で確認できる場合が多いです。数値が高い場合は、マスクのフィッティングを見直しましょう。
Q.口呼吸になっているかどうか、自分で気づけますか?
睡眠中の出来事のため気づきにくいですが、朝の口の渇きや、家族から口を開けて寝ていると指摘されることがサインになります。
Q.体重が増えるとどのくらいAHIに影響しますか?
報告によれば、体重が10%増加するとAHIは約32%増加するとされています。逆に10%の減量でAHIが約26%改善するとの報告もあります。
Q.CPAPを使っているのに中枢性無呼吸が出ることはありますか?
まれに、CPAPで閉塞性無呼吸が改善した後に、中枢性無呼吸が新たに現れることがあります。専門的な評価が必要なため、医師にご相談ください。
Q.AHIが下がらないので、CPAPをやめてもいいですか?
自己判断でやめることはおすすめしません。原因を特定できれば改善するケースも多いため、まずは医師にご相談ください。
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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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