「いびきがひどいのに、なぜCPAPにならなかったのですか?」
外来でよく聞かれる質問のひとつです。
患者さんの感覚としては、
いびきが強い = 睡眠時無呼吸症候群が重い = CPAPになるはず
と思いやすいのですが、実際の保険診療ではそう単純ではありません。
結論から言うと、「いびきがある」ことだけでは、保険でCPAPを開始する条件を満たさないことがあるからです。日本では、CPAPは「何となくつらそうだから」「いびきが大きいから」という理由だけで始める治療ではなく、検査結果と症状、さらに睡眠の質の障害の程度まで含めて判断されます。2024年度の診療報酬を踏まえた2025年の解説でも、日本では保険診療に沿ってCPAP適応患者を選ぶ必要があると整理されています。
上野いびきクリニックでは、保険診療による睡眠検査・CPAP管理、自費診療によるいびきレーザー治療など、状態に応じた選択肢をご案内しています。ご自身に合う治療を確認したい方は、まずは初診でご相談ください。
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いびきの原因は喉の構造から肥満まで多岐にわたります。上野いびきクリニックでは、特定の治療法に偏ることなく、医学的根拠に基づいた幅広い選択肢から、患者様に最適なプランをご提案できる体制を整えています。
保険診療でしっかり検査・継続治療
- 簡易検査・PSG検査:睡眠の状態を精密に分析
- CPAP治療:中等症〜重症の無呼吸への標準治療
自由診療で根本改善・短期集中
- 最新いびきレーザー治療:切らない根本治療
- 医療ダイエット:減量による物理的な気道確保
※当院はいびき治療専門専門クリニックとして、保険・自由診療の両面から「止まらないいびき」の解決に全力を尽くします。
院長監修記事
院長監修記事
菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、いびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)などに関する検査・治療など正しい医療情報をわかりやすく解説しています。
今回は
- いびきがあってもCPAPにならない理由
- 保険診療でCPAPになる基準
- 保険診療では拾いきれない「困っているいびき」とは何か
- レーザー治療は保険適用外でも医療費控除の対象になり得る理由
を、できるだけわかりやすく解説します。
この記事の目次
いびきと無呼吸は、似ているようで同じではありません

まず大前提として、いびきがある人すべてがCPAPの対象ではありません。
いびきは、寝ている間に空気の通り道である上気道が狭くなり、粘膜や軟口蓋が振動して起こる音です。一方、睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まる、または浅くなることで、酸素低下や睡眠の分断が起き、日中の眠気や高血圧などにつながる病態です。日本のガイドラインでも、SASは単なる“音の問題”ではなく、睡眠関連呼吸障害に症状が加わった病態として扱われています。
つまり、
- ただのいびき
- いびき+軽い無呼吸
- 中等症以上の睡眠時無呼吸
- 眠気や高血圧など合併症を伴う睡眠時無呼吸
は、同じではありません。
ここを混同すると、「こんなにいびきがあるのに、なぜCPAPじゃないの?」という疑問が生まれやすくなります。
CPAPは「いびきを止める機械」ではなく、「無呼吸を治療する機器」です
CPAPは、鼻や鼻口のマスクから一定の圧をかけて気道を開き、睡眠中の無呼吸や低呼吸を防ぐ治療です。特に中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸では第一選択の治療と位置づけられています。2025年の日本睡眠学会系の解説でも、その点は明確に示されています。
ただし、ここで重要なのは、CPAPは「いびきが気になるから使う」ための保険機器ではないということです。
もちろん結果としていびきが軽くなることはあります。しかし保険診療上は、主眼はあくまで睡眠時無呼吸症候群の治療です。したがって、
- いびきは大きい
- 家族は困っている
- 本人も気になる
という状況だけでは、必ずしも保険でCPAPにはなりません。
ここが、患者さんの実感と制度のズレが生まれやすいポイントです。
保険診療でCPAPになる基準はどうなっているのか
日本の保険診療でのCPAP基準は、診療報酬上かなりはっきり定められています。
2024年度診療報酬を踏まえた解説では、PSG(睡眠ポリグラフィー)でAHI 20以上、あるいは基準に沿った条件を満たす場合にCPAP管理料の対象になります。ガイドライン掲載の保険適用表では、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2の対象として、原則として次の条件が示されています。
原則となる考え方
- AHIが20以上であること
- 日中の強い眠気、起床時頭痛など自覚症状が強く、日常生活に支障があること
- PSG上、無呼吸によって睡眠が分断され、深睡眠が著しく減少または欠如しており、CPAPで改善が見込まれること
さらに、AHIが40以上であれば、症状要件を満たせば対象になり得るとされています。
ここで出てくるAHIとは、1時間あたりに無呼吸・低呼吸が何回あるかを示す指標です。一般には、
AHI 5以上15未満:軽症
AHI 15以上30未満:中等症
AHI 30以上:重症

という整理が広く用いられ、中等症以上ではCPAPが主要な治療選択肢になります。2025年の解説でも「中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸ではCPAPが第一選択」と明示されています。
なぜ“いびきがあるのにCPAPにならない”ことが起こるのか
では、実際になぜそういうことが起こるのでしょうか。主な理由は次の通りです。
1.検査でAHIが基準に届かない
見た目や家族の印象ではかなりひどいいびきでも、検査するとAHIがそこまで高くないことがあります。
つまり、音は大きいが、無呼吸の回数は保険基準に届かないケースです。
2.無呼吸はあっても症状が強くない
保険上は、単に数値だけでなく、日中の眠気や頭痛など、日常生活への支障も重要です。
AHIが20以上でも、症状の出方やPSG所見との総合判断になります。
3.簡易検査では「重症に見えない」ことがある
簡易検査は便利ですが、睡眠の深さや分断、深睡眠の減少までは十分に評価しにくいことがあります。保険基準の一部にはPSGでの睡眠分断や深睡眠障害の評価が関わるため、簡易検査だけではCPAP導入判断が確定しないこともあります。
4.困りごとの中心が「無呼吸」より「いびき」である
本人にとって最大の悩みが、
- 配偶者に迷惑をかける
- 旅行で同室が不安
- 音が大きくて恥ずかしい
- でも眠気はそこまでない
という場合、医学的には「CPAPで治療すべき無呼吸」より、いびきそのものへの対応が主題になります。
この場合、保険でCPAPを導入するロジックとは別の話になります。
「軽症だから放置してよい」という意味ではありません
ここは誤解されやすいので大事です。
CPAPの保険適用にならない = 問題がない
ではありません。
- AHIが軽症域でも、
- いびきが非常に大きい
- 家族関係や睡眠環境に影響している
- 熟睡感が乏しい
- 口呼吸、鼻閉、肥満、顎の形態、扁桃肥大などの要因がある
- 将来的に悪化するリスクがある
といったケースは少なくありません。
日本のガイドラインでも、SASの有病率は定義の取り方で大きく変わり、AHIだけでは患者さんのつらさを完全には表せないことが示されています。たとえば、AHI15以上で定義した睡眠関連呼吸障害と、AHI5以上に眠気を伴うSASでは、有病率の見え方も異なります。
つまり、制度上の線引きと、患者さんが実際に困っている度合いは、必ずしも一致しないのです。
では、CPAPにならない人はどうすればよいのか
CPAPの保険適用にならない場合でも、対応策はあります。
代表的なのは、
- 体重管理
- 飲酒や睡眠薬の見直し
- 横向き寝の工夫
- 鼻閉の治療
- マウスピース治療
- 手術治療
- 自由診療のレーザー治療
などです。
どれが合うかは、
「無呼吸が主問題なのか」
「いびきが主問題なのか」
「鼻・のど・舌根・体重など、どこが原因なのか」
で変わります。
とくに「無呼吸としては保険CPAPの基準に届かないが、いびきで本当に困っている」という方では、自由診療の治療が選択肢になることがあります。

レーザー治療は保険適用ではありません

ここも率直にお伝えすべき点です。
いびきに対するレーザー治療は、一般に保険診療のCPAPのような公的保険適用の治療ではありません。
つまり、窓口負担3割ではなく、自由診療になります。
このため、「保険でCPAPにならなかったのに、レーザーは勧められるの?」と違和感を持たれることがあります。
しかしこれは矛盾ではありません。
理由はシンプルで、CPAPは保険制度上の適応条件が厳密に決まっている治療であり、レーザーはいびき自体の改善を目的とした自由診療の選択肢だからです。
制度が違うので、判断軸も異なります。
それでもレーザー治療に意味がある人とは
レーザー治療が検討しやすいのは、たとえば次のような方です。
いびきが主訴で、同室者への迷惑が大きい
CPAPの保険基準には届かなかった
マウスピースが合わない、続かない
手術までは希望しない
ダウンタイムや侵襲をできるだけ抑えたい
軟口蓋や咽頭周囲のゆるみが主因と考えられる
もちろん、万能ではありません。
鼻閉が強い、扁桃肥大が大きい、肥満の影響が大きい、舌根沈下が主体、重度の無呼吸がある、などでは別の治療や併用が必要になることもあります。
大切なのは、「保険でCPAPにならないから何もできない」ではないということです。
治療の選択肢は、保険診療だけで完結するとは限りません。
自由診療のレーザーでも、医療費控除の対象になり得ます

ここは患者さんにとって実用的なポイントです。
国税庁は、医療費控除の対象となる医療費として、「医師または歯科医師による診療または治療の対価」を明示しています。さらに、自由診療であっても、治療目的で一般的な範囲のものは対象になり得る考え方を、歯科の自由診療の例でも示しています。逆に、容ぼうを美化するための費用は対象外です。
この考え方からすると、いびきレーザー治療も、
医師が診察したうえで
いびきや睡眠関連症状の改善という治療目的で
医療機関で行われた
ものであれば、医療費控除の対象になり得ると考えられます。
ただし重要なのは、
“自由診療だから一律に控除対象”ではない
という点です。
あくまで、美容目的ではなく治療目的であることが大前提です。
見た目を整える目的の施術は対象外ですが、症状改善を目的とした医師の治療は対象になり得ます。
医療費控除を考えるなら、何を残しておくべきか
医療費控除を受ける可能性があるなら、次のものはきちんと保管しておくのがおすすめです。
領収書
明細書
受診日がわかる記録
通院交通費の記録
国税庁は、通院費についても、診療を受けるために直接必要なものは対象となるとしています。公共交通機関の利用が基本で、自家用車のガソリン代や駐車場代は通常対象外です。
自由診療のレーザー治療を受けた場合も、
「何のための治療か」が説明できるよう、診療内容のわかる資料を残しておくと安心です。
患者さんにとって本当に大事なのは、“保険か自費か”だけではありません
医療現場では、どうしても
保険でできるか、できないか
に意識が向きがちです。
もちろん費用面は大切です。
しかし、患者さんの困りごとは本来もっと具体的です。
毎晩家族に指摘される
眠りが浅い気がする
旅行や出張が不安
パートナーと同室で眠れない
手術は避けたい
CPAPの基準まではいかないが、このままは嫌だ
こうした悩みに対して、保険診療だけでは十分に応えきれない場面があります。
そのときに、自由診療の選択肢を適切に提示することには意味があります。
CPAPはとても重要な治療ですが、すべてのいびきの悩みをCPAPだけで解決するわけではありません。
そして、CPAPにならなかったからといって、症状が軽視されてよいわけでもありません。
上野いびきクリニックでは、保険診療による睡眠検査・CPAP管理、自費診療によるいびきレーザー治療など、状態に応じた選択肢をご案内しています。ご自身に合う治療を確認したい方は、まずは初診でご相談ください。
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まとめ|いびきがあるのにCPAPにならないのは珍しいことではありません
最後に要点を整理します。
いびきがあるのにCPAPにならない理由は、
日本の保険診療では、CPAP導入に
- AHI
- 自覚症状
- PSG所見
- 日常生活への支障
といった基準があり、「いびきが大きい」だけでは保険適用にならないことがあるからです。
一方で、
CPAPの基準に届かない = 治療不要
ではありません。
いびきで現実に困っている方には、生活習慣の見直し、鼻やのどの評価、マウスピース、手術、自由診療のレーザー治療など、別の選択肢があります。
そしてレーザー治療は保険適用ではないものの、医師による治療目的の自由診療であれば、医療費控除の対象になり得ます。 ただし、美容目的ではなく治療目的であることが重要です。
「いびきはある。でもCPAPではないと言われた」
そんなときは、そこで終わりではありません。
本当に大切なのは、
その人の悩みの中心が「無呼吸」なのか、「いびき」なのかを見極め、制度に合った治療だけでなく、症状に合った治療を考えることです。
上野いびきクリニックまでお気軽にご相談ください【当日予約可】
📞0120-899-930
〒110-0005
東京都台東区上野4−8−8 上野シルクビル 5階

記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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