CPAPのアプリやレポートを見ていると、「リーク」という項目に数値が表示されていることに気づく方は多いのではないでしょうか。「この数値は多いのか少ないのか」「何L/minまでなら正常なのか」——気になっても、なかなか詳しく説明を受ける機会は少ないかもしれません。
実は、CPAPの「リーク」にはもともと機器に組み込まれた正常な空気の流れ(意図的リーク)と、マスクの隙間や口からの漏れによる問題のあるリーク(非意図的リーク)の2種類があります。この違いを理解しておくことが、数値を正しく読むための第一歩です。
この記事では、CPAPのマスクリークについて、正常値の目安と数値の見方を院長が解説します。
結論:この記事の要点
CPAPのリークには、機器のマスクに組み込まれた「意図的リーク(ベントリーク)」と、マスクの隙間や口からの「非意図的リーク」があり、レポートで問題視すべきなのは後者です。代表的なメーカーであるレスメド社はリーク量24L/min以下を推奨値としています(メーカーにより基準は異なります)。この数値を大きく超える状態が続くと、装置が正確に呼吸状態を検知できなくなり、機器上のAHIが実際より低く表示されたり、治療効果そのものが低下したりする可能性があります。数値の継続的な悪化がある場合は、自己判断せず主治医に相談してください。
上野いびきクリニックでは、CPAPのリークデータの確認からマスクフィッティングの調整まで対応しています。「リークの数値が気になる」という方は、遠慮なくご相談ください。
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院長監修記事
菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、CPAPのマスクリークの数値の見方について解説しています。
上野いびきクリニックでは、CPAP導入後のリークデータの確認、マスクフィッティングの調整まで、継続的にサポートしています。
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※リークの基準値は機種・メーカーにより異なるため、正確な判断は使用中の機器のデータをもとに行います。
📋 この記事でわかること
- 「意図的リーク」と「非意図的リーク」の違い
- リーク量は何L/minまでが正常の目安か
- リークが多いとどんな問題が起きるか
- アプリ・レポートでの数値の見方
- リークが多いときの対処法
「意図的リーク」と「非意図的リーク」の違い

CPAPのマスクには、呼気に含まれる二酸化炭素を排出するための小さな穴(呼気ポート)が設けられており、ここから常に一定量の空気が流れ出ています。これを「意図的リーク(ベントリーク)」と呼び、機器の設計上必ず生じる正常な空気の流れです。
一方、マスクと顔の間の隙間、口呼吸による口からの漏れ、マスクのズレなどによって生じる空気漏れを「非意図的リーク」と呼びます。CPAPのレポートや専用アプリに表示される「リーク」の数値は、多くの場合この2つを合わせた総リーク量(トータルリーク)として表示されますが、治療上問題になるのは非意図的リークの部分です。
「リークがゼロ」を目指す必要はありません。
意図的リークは正常な仕組みであり、ある程度の数値が出るのは自然なことです。重要なのは、機器が想定している範囲内に収まっているかどうかです。
リーク量は何L/minまでが正常の目安か

リークの許容範囲は、CPAP機器のメーカーやマスクの種類によって異なります。代表的な例として、国内外で広く使用されているレスメド社製の機器では、総リーク量24L/min以下が推奨値として案内されています。
| リークの状態 | 目安 |
|---|---|
| 正常範囲 | 推奨値以下で安定して推移している |
| 注意が必要 | 一時的に推奨値を超えるが、大部分の時間は範囲内 |
| 要相談 | 推奨値を大きく超える状態が毎晩・長時間続いている |
なお、これはあくまで一つの目安であり、お使いの機種によって基準値が異なる場合があります。正確な判断は、実際のレポートデータをもとに医師に確認することをおすすめします。
リークが多いとどんな問題が起きるか

非意図的リークが多い状態が続くと、次のような問題につながる可能性があります。
① 設定した圧が十分にかからず、治療効果が低下する
② 機器が呼吸状態を正確に検知できなくなり、AHIなどのデータの信頼性が下がる
③ 空気が漏れる音で睡眠が妨げられる
④ 顔や目に風が当たり、乾燥・不快感が生じる
特に②は見落とされがちですが重要なポイントです。リークが多い状態では、実際には無呼吸が十分に治療できていなくても、機器上のAHIが低く表示されてしまうことがあります。「数値上は良好に見えるのに、日中の眠気が改善しない」という場合、背景にリークの問題が隠れていることも少なくありません。CPAPのAHIが下がらない他の原因については、以下の記事でも詳しく解説しています。
アプリ・レポートでの数値の見方
多くのCPAP機器は、専用アプリやクラウドサービスを通じて、毎晩のリーク量をグラフや数値で確認できるようになっています。確認する際は、次のポイントを意識してみましょう。
①「平均値」だけでなく「最大値」「95パーセンタイル値」も見る
一晩の平均リーク量が低くても、特定の時間帯だけ大きくリークしている場合があります。レポートに「95パーセンタイル値」(一晩のうち95%の時間で下回っている値)が表示されている場合は、そちらもあわせて確認すると、実態をより正確に把握できます。
②日によるばらつきを見る
特定の日だけリークが多い場合は、その日の体位や体調、マスクの装着状態が影響している可能性があります。毎晩継続して高い場合は、マスクのサイズやフィッティング自体を見直す必要があるかもしれません。
③AHIの推移とあわせて確認する
リーク量が多い時期とAHIが上昇している時期が重なっている場合、リークが治療効果に影響している可能性を疑います。
リークが多いときの対処法
非意図的リークが続く場合、まず確認すべきはマスクのフィッティングです。サイズが合っていない、経年劣化でクッション部分が硬くなっている、装着位置がズレているといった要因が多くを占めます。
口を開けて眠る癖がある方は、口からのリークが主な原因になっていることもあります。この場合、フルフェイスマスクへの変更や、あご紐(チンストラップ)の使用が有効なことがあります。セルフチェックで改善しない場合や、数値の見方に迷う場合は、レポートデータを持参のうえ、医師に相談することをおすすめします。
上野いびきクリニックでできること
上野いびきクリニックは、いびき・睡眠時無呼吸症候群を専門とする「睡眠障害内科」です。CPAP導入時のマスクフィッティングはもちろん、導入後のリークデータやAHIの推移を確認しながら、継続的に治療効果を評価しています。
「リークの数値の見方が分からない」「毎晩リークが多いと表示される」という方は、お気軽にご相談ください。
まとめ|リークは「意図的」と「非意図的」を区別して考える
CPAPのリーク数値には、機器の設計上必ず生じる意図的リークと、マスクの隙間などによる非意図的リークがあり、問題になるのは後者です。代表的な目安としてレスメド社は24L/min以下を推奨していますが、機種により基準は異なります。
リークが多い状態を放置すると、治療効果の低下やAHIデータの信頼性低下につながることがあります。数値に不安がある場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。
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よくある質問
Q.リークの数値は毎日確認したほうがいいですか?
必須ではありませんが、専用アプリで確認できる場合は、週に1回程度の頻度で傾向を見ておくと変化に気づきやすくなります。
Q.リークがゼロでないと異常なのですか?
いいえ。意図的リーク(ベントリーク)は正常な仕組みのため、ある程度の数値が出るのは自然なことです。
Q.マスクを変えればリークは改善しますか?
サイズやタイプが合っていないことが原因であれば改善が期待できます。ただし、口呼吸など別の要因の場合もあるため、原因の見極めが重要です。
Q.リークの基準値はどの機種でも同じですか?
いいえ、メーカーや機種によって基準は異なります。お使いの機器の推奨値は、処方元の医療機関に確認することをおすすめします。
Q.リークが多いとAHIの数値は信用できませんか?
リークが著しく多い状態では、機器がデータを正確に取得できず、AHIが実際より低く表示されることがあります。数値に違和感がある場合は医師にご相談ください。
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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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