やせているから安心?アジア人特有の骨格リスクと、いびきの振動が頸動脈に与える影響を医師が解説【上野いびきクリニック】
「太っていないから、いびきをかいても大丈夫」——そう思っている方は少なくありません。しかし、日本人をはじめとするアジア人には、肥満ではないのに睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症する「やせ型」のタイプが一定数存在することが分かっています。
さらに近年の研究では、いびきの「音の振動」そのものが、頸動脈の血管に負担をかけ、動脈硬化を進行させる可能性があることも指摘されています。これは体重や肥満度とは別軸のリスクであり、やせ型の方であっても無関係ではありません。
この記事では、アジア人に多い「やせ型いびき」の骨格的な背景と、いびきの振動が頸動脈に与える影響について、院長が解説します。
結論:この記事の要点
日本人のSAS患者の約3〜4割はBMI25未満の正常体重とされ、下顎が小さい・気道が狭いといった東アジア人特有の骨格的特徴が、肥満とは独立した発症要因になっています。やせ型の方は「太っていないから大丈夫」と誤解されやすく、受診や検査が遅れがちになることがリスクです。さらに、いびきの音の振動が頸動脈の血管内皮にダメージを与え、動脈硬化を進行させる可能性が動物実験や臨床研究で報告されており、これは体重に関わらず生じうる負担です。体型を問わず、大きないびきが続く場合は検査を検討してください。
上野いびきクリニックでは、体型にかかわらず、骨格的な要因も含めていびきの原因を検査で評価しています。「太っていないから」と自己判断せず、気になる方はぜひご相談ください。
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菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、やせ型のいびき・SASと頸動脈リスクについて解説しています。
上野いびきクリニックでは、体重や体型にかかわらず、骨格的な要因も含めて検査で原因を評価し、一人ひとりに合った治療をご提案しています。
保険診療でしっかり検査・継続治療
- 簡易検査・PSG検査:体型を問わずいびき・無呼吸の原因を精密に評価
- CPAP治療:中等症〜重症の無呼吸への標準治療
自由診療で根本改善・短期集中
- いびきレーザー治療:骨格的な要因によるいびきにも選択肢の一つ
- マウスピース等:顎の形状に応じたご提案も可能
※やせ型の方の無呼吸は、体重減少による改善が期待しにくいタイプもあるため、原因に応じた検査・治療の選択が重要です。
📋 この記事でわかること
- なぜアジア人には「やせ型いびき」が多いのか
- 「太っていないから大丈夫」という誤解が招くリスク
- いびきの「振動」そのものが頸動脈に与える影響
- 体型に関わらず注意すべきサイン
- やせ型でもできる対策
なぜアジア人には「やせ型いびき」が多いのか
睡眠時無呼吸症候群というと「肥満の人がなるもの」というイメージを持たれがちですが、実際には日本人のSAS患者のうち約3〜4割はBMI25未満の正常体重とされています。この背景には、体重ではなく骨格の形状が関わっています。
| 骨格的特徴 | 気道への影響 |
|---|---|
| 下顎が小さい・後退している | 睡眠中に舌が後方に落ち込みやすく、気道が狭くなる |
| 鼻〜のどの空間が狭い | 東アジア人に比較的多いとされる骨格特性で、肥満がなくても気道が狭くなりやすい |
| 顔面の奥行きが短い | 上気道のスペースそのものが限定される |
つまり、欧米人に多い「肥満によって気道の周りに脂肪がついて狭くなる」タイプとは異なり、アジア人では骨格そのものが気道を狭くしているケースが多いのです。この場合、体重を減らしても、気道の狭さ自体は大きく変わらないことがあります。
「太っていないから大丈夫」という誤解が招くリスク

やせ型の方にとって最大のリスクは、体型そのものよりも、「太っていないから自分は無呼吸ではない」と思い込んでしまい、受診や検査が遅れてしまうことです。ご本人だけでなく、周囲やときには医療者側にも、SAS=肥満というイメージが根強く残っているため、やせ型の方のいびき・日中の眠気が見過ごされやすい傾向があります。
睡眠時無呼吸症候群は、体型に関わらず、高血圧・不整脈・脳卒中などのリスクを高めることが知られています。診断・治療の開始が遅れれば遅れるほど、これらのリスクにさらされる期間が長くなるという点で、やせ型だからといって油断はできません。
いびきの「振動」そのものが頸動脈に与える影響

ここまでは体型・骨格の話でしたが、もう一つ、体重に関わらず注目されているのが「いびきの音の振動」自体が血管に与える影響です。
近年の研究では、動物を用いた実験で、いびきに相当する振動を頸動脈に加え続けると、血管の内側を覆う内皮細胞に機能障害が生じ、動脈硬化が進行しやすくなることが報告されています。また、人を対象とした研究でも、いびき音のエネルギーが強い人ほど、頸動脈の壁の厚さ(内膜中膜複合体厚)が増していたという相関関係が示されています。
これは「無呼吸による低酸素」とは別のメカニズムです。
無呼吸を伴わない「単純いびき」であっても、大きな音のいびきが続くこと自体が、頸動脈に負担をかけている可能性が指摘されています。ただし、これらは主に動物実験や小規模な相関研究の段階であり、因果関係を確定するにはさらなる研究が必要とされている点も付け加えておきます。
つまり、「太っていない」「無呼吸ではなく単なるいびき」という場合でも、いびきの音そのものが血管への負担になっている可能性があるということです。体型を問わず、大きないびきが習慣化している方は注意が必要です。
体型に関わらず注意すべきサイン
体重に関わらず、次のようなサインがあれば、検査を検討することをおすすめします。
☑ 毎晩のように大きないびきをかいている
☑ 顎が小さい、または後退していると言われたことがある
☑ やせているのに日中の眠気が強い
☑ 朝起きたときに頭痛や倦怠感がある
☑ 家族から「呼吸が止まっている」と指摘されたことがある
これらに心当たりがある場合、体型にかかわらず一度検査を受けることをおすすめします。
やせ型でもできる対策
骨格的な要因が背景にある場合、体重管理だけでは根本的な改善が難しいことがあります。横向きで眠る、口呼吸を避けるといったセルフケアで軽減することもありますが、気道の狭さそのものが原因である以上、検査によって重症度を確認し、CPAPや、レーザー治療など、原因に応じた治療を検討することが重要です。
「やせているから自分には関係ない」と決めつけず、いびきや眠気などの症状があれば、まずは検査で状態を確認しましょう。
上野いびきクリニックでできること
上野いびきクリニックは、いびき・睡眠時無呼吸症候群を専門とする「睡眠障害内科」です。体重や体型にかかわらず、骨格的な要因を含めて専門医により診察、自宅による検査(簡易検査・PSG検査)による原因の特定を行い、保険診療のCPAP治療から自由診療のいびきレーザー治療まで、幅広くご提案しています。
「太っていないから大丈夫だと思っていた」という方も、大きないびきが気になる場合はお気軽にご相談ください。
まとめ|体型ではなく、いびき・症状の有無で判断を
アジア人には、肥満ではなく骨格的な特徴によっていびき・睡眠時無呼吸症候群を発症する「やせ型」のタイプが一定数存在します。体型だけで安心してしまうと、受診・診断が遅れるリスクがあります。また、いびきの音の振動そのものが頸動脈に負担をかける可能性も指摘されており、これは体重とは別軸のリスクです。
体型にかかわらず、大きないびきや日中の眠気が続く場合は、一度検査で状態を確認することをおすすめします。
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よくある質問
Q.やせ型でも睡眠時無呼吸症候群になりますか?
はい。特にアジア人では、肥満ではなく顎の骨格的な特徴によって発症するケースが一定数あります。体型だけで判断せず、症状があれば検査をおすすめします。
Q.やせ型の無呼吸は肥満の場合より危険なのですか?
現時点で、体型による死亡率の明確な比較データは確立されていません。ただし、やせ型は「大丈夫」と誤解されて受診が遅れやすい点がリスクとして指摘されています。
Q.いびきの振動だけで頸動脈に影響が出るのですか?
動物実験や一部の臨床研究で、いびきの振動が血管内皮に影響を与える可能性が報告されています。ただし因果関係の確立にはさらなる研究が必要とされています。
Q.やせているのに顎が小さいかどうか、自分で分かりますか?
ご自身での判断は難しいことが多いため、気になる場合は診察でご相談ください。
Q.体重を落とせば、やせ型の無呼吸も改善しますか?
骨格的な要因が主な原因の場合、体重減少だけでは大きな改善が見られないことがあります。原因に応じた治療の検討が重要です。
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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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