「CPAPを使っているけれど、旅行に持って行けるのだろうか」「飛行機の機内に持ち込んでも大丈夫?」「海外だと電圧が違うから壊れないか心配」——CPAP治療を続けている患者様から、旅行や出張の前になると必ずと言っていいほどこのご質問をいただきます。
結論から言えば、CPAPは医療機器として国内線・国際線どちらの飛行機にも機内持ち込みができます。ホテルでの使用や海外の電圧にもきちんと準備すれば問題なく対応でき、実際に多くのCPAPユーザーが出張や旅行、帰省の際にCPAPを携行しています。
私自身、学会や研修での出張、プライベートの旅行で実機のCPAPを持ち歩く機会が多くあります。同行の友人が空港の保安検査で止められた経験、海外のホテルでコンセントの形が合わず困った経験、機内で電源を借りようとして手続きが必要だと知った経験——実際に経験してみないと分からない細かいポイントがいくつもあります。
この記事では、国内線・国際線の持ち込み手続き、機内への持ち込みルールとバッテリーの考え方、海外の電圧・変圧器の要否、旅行用に人気のAirMini、ホテルでの注意点、そして災害時の停電対策にも通じる備えについて、院長自身の経験も交えて解説します。
結論:この記事の要点
CPAPは医療機器として国内線・国際線ともに機内持ち込みが可能です。国内線(JAL・ANA)は診断書や事前申告が必須ではありませんが、機内で電源を使いたい場合は予約前に専用デスクへの連絡が必要です。国際線では航空会社によって英文診断書やメーカー情報の事前提出を求められることがあるため、事前確認が欠かせません。海外旅行では、多くのCPAP機種が100〜240Vに自動対応しているため変圧器は不要で、プラグ形状の変換アダプターがあれば足ります。旅行にはコンパクトな「AirMini」のようなトラベル用CPAPが便利です。なお、こうした電源への備えは、災害時の停電対策にもそのまま応用できます。
上野いびきクリニックでは、保険診療によるCPAP導入・管理、旅行や出張の多い方への機種選びのご相談も承っています。CPAPの携行方法に不安がある方は、通院時に遠慮なくご相談ください。
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院長監修記事
菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、CPAPユーザーが旅行・出張の際に知っておきたい機内持ち込みのルール、海外での電源対応、ホテルでの注意点について、自身の経験も踏まえて解説しています。
上野いびきクリニックでは、保険診療によるCPAP導入・管理はもちろん、旅行や出張が多い患者様に向けて、機種選びやトラベル用アクセサリーのご相談にも対応しています。
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※CPAPの機種選びやトラベル用アクセサリーについても、通院時にご相談いただけます。
📋 この記事でわかること
- 結論:CPAPは国内線・国際線どちらにも持ち込める
- 国内線(JAL・ANA)でのCPAP持ち込み手続き
- 国際線でCPAPを持ち込む際の注意点
- 機内持ち込みの基本ルールとバッテリーの考え方
- 海外の電圧・プラグ問題——変圧器は必要?
- 旅行用CPAPなら「AirMini」がおすすめな理由
- ホテルでCPAPを使うときに気をつけたいこと
- 番外編:災害時の停電対策にも同じ備えが役立つ
結論:CPAPは国内線・国際線どちらにも持ち込める
CPAPは治療用の医療機器であり、機内持ち込み手荷物として認められています。国内線・国際線ともに、預け入れ荷物にはせず、必ず手荷物として機内に持ち込むのが基本です。預け荷物は破損や紛失のリスクがあるうえ、精密機器であるCPAPには向きません。
診断書や医師の証明書が一律に必要というわけではありませんが、機内で電源を使いたい場合や、大きめの機種を持ち込む場合には、航空会社への事前連絡が必要になることがあります。「持って行けるかどうか」で悩む前に、まずは自分が乗る航空会社の医療機器に関するルールを確認しておくと安心です。
次の章から、国内線・国際線それぞれの具体的な手続きを見ていきます。
国内線(JAL・ANA)でのCPAP持ち込み手続き
国内線では、JAL・ANAともにCPAPを医療機器として機内に持ち込むこと自体は原則可能で、診断書や事前申告が一律に必須というわけではありません。ただし、座席での電源利用を希望する場合や、機種によっては事前の相談が推奨されています。
ANAの場合、機内の座席電源を使用できる医療機器はCPAPのみと案内されており、離着陸・地上滑走中・駐機中を除いて利用できます(加湿機能は機内では使用不可)。座席電源を使う予定がある方は、予約前に「おからだの不自由なお客様相談デスク」へ、機種名・メーカー・型番・バッテリーの種類などを伝えておくとスムーズです。
バッテリーを自分で持ち込む場合は、フライト時間の150%程度の容量を用意しておくよう案内されています。座席の収納スペースに収まらない大型の機器では、追加の座席購入が必要になることもあります。
私自身、国内の学会出張でCPAPを持ち歩くときは、事前連絡までは不要な短距離路線でもバッテリーは必ず満充電で持参し、保安検査の際には「CPAP(医療機器)です」と自己申告するようにしています。これだけで検査がスムーズに進みます。
国際線でCPAPを持ち込む際の注意点
国際線は、国内線よりも航空会社ごとの対応の差が大きい点に注意が必要です。多くの航空会社では医療機器として機内持ち込みが認められていますが、一部の航空会社では、英文の診断書(Travel Letter)やメーカー情報、機種名・型番・バッテリー容量の事前提出を求められる場合があります。
特に長距離国際線を運航する航空会社では、搭乗の72時間前までの事前申告を求めるケースもあるため、出発の1〜2週間前には航空会社の公式サイトで医療機器の持ち込みルールを確認しておくことをおすすめします。主治医に英文の診断書(CPAPを使用していること、機種名、症状の概要などを記載したもの)を用意してもらえると、現地の保安検査でも安心です。
保安検査場では、CPAP本体をトレーに単独で置き、「医療機器(Medical device / CPAP)です」と自己申告するのが基本です。英文の説明書や診断書を提示できると、確認がスムーズに進みます。バッテリーやACアダプターも、すぐに取り出せる場所に入れておくと検査時に慌てずに済みます。
機内持ち込みの基本ルールとバッテリーの考え方
CPAPのリチウムイオンバッテリーは、多くの航空会社で「機内持ち込みのみ可、預け入れ荷物には入れられない」という扱いになっています。これはCPAP専用バッテリーに限らず、モバイルバッテリー全般に共通するルールです。予備バッテリーを持って行く場合は、必ず手荷物に入れましょう。
機内での電源利用については、座席にコンセントがある便でも、離着陸中・地上滑走中・駐機中は使用できない点は国内線・国際線に共通しています。この間はCPAPを使用しないため、フライト時間すべてを電源利用でまかなえるわけではないことを踏まえて、バッテリーの容量に余裕を持たせておくと安心です。
加湿器のヒーター機能は機内では使用できない、あるいは推奨されないことが一般的です。加湿なしでも一時的な使用であれば問題になることは少ないですが、乾燥が気になる方は保湿クリームやマスクの調整などで対応する方も多くいらっしゃいます。
海外の電圧・プラグ問題——変圧器は必要?

海外旅行でよく心配されるのが「電圧の違いでCPAPが壊れないか」という点です。結論としては、現在販売されている多くのCPAP機種は、100〜240Vの範囲で自動的に電圧を切り替える「マルチボルテージ対応」の電源を採用しています。本体やACアダプターに記載されている入力電圧(INPUT)の表示を確認し、「100-240V」などの記載があれば、変圧器(電圧を変換する機器)は基本的に不要です。
必要になるのは、コンセントの形状を合わせる「変換プラグ」です。渡航先によってA型・BF型・C型・SE型など形状が異なるため、事前に訪問国のプラグ形状を調べて、複数の形状に対応したマルチ変換プラグを用意しておくと安心です。加湿器のヒーター部分は本体と対応電圧が異なる製品もあるため、念のため取扱説明書で確認しておくとより安心です。
私も海外出張の際は、変圧器を持って行かず、コンパクトな変換プラグだけで対応しています。荷物を減らせる分、身軽に移動できるのは地味に助かるポイントです。
旅行用CPAPなら「AirMini」がおすすめな理由

自宅用のCPAP本体をそのまま持ち歩くと、どうしてもかさばります。旅行や出張の頻度が高い方には、レスメド社の「AirMini」のようなトラベル用CPAPが選択肢になります。AirMiniは横幅13.6cm×奥行8.4cm×高さ5.3cmほど、重さも約300gとスマートフォンよりひと回り大きい程度のサイズで、機内持ち込み用のバッグにも収まりやすいのが特徴です。
電源は100〜240VACに対応しているため、海外でも変圧器なしで使用できます。また、水を使わずに加湿効果を得られる「HumidX」という仕組みを採用しており、機内や乾燥した環境でも比較的使いやすい設計になっています。動作音も静かなタイプが多く、ホテルの同室者がいる場合にも配慮しやすいというメリットがあります。
ただし、AirMiniのようなトラベル用CPAPは、機種によって圧力設定の範囲やマスクの互換性が自宅用と異なる場合があります。導入前には、現在使用している機種との違いや自分の処方圧力に対応できるかを、医師や医療機器業者に確認することをおすすめします。上野いびきクリニックでも、旅行用CPAPの導入に関するご相談を承っています。
ホテルでCPAPを使うときに気をつけたいこと

ホテルでCPAPを使う際にまず確認したいのが、枕元付近にコンセントがあるかどうかです。特に海外のホテルでは、ベッドから離れた場所にしかコンセントがないことも珍しくありません。延長コードを1本持っておくと、配置の自由度が上がって安心です。
加湿器を使用する場合、海外では水道水をそのまま使わず、ミネラルウォーターや蒸留水を使用することをおすすめします。地域によって水質が異なり、加湿器内部にミネラル分が付着しやすくなることがあるためです。機内で購入したペットボトルの水を使う、あるいは前日にコンビニやスーパーで調達しておくと安心です。
また、宿泊先によってはコンセントの数が限られていることもあります。スマートフォンの充電などとコンセントを取り合わないよう、電源タップを1つ持参しておくと、CPAPの使用で困ることが少なくなります。私も出張の際は、延長コード付きの小型タップを旅行ポーチに常備しています。
番外編:災害時の停電対策にも同じ備えが役立ちます
ここまで旅行を前提に解説してきましたが、「電源が確保できない環境でどうCPAPを使うか」という考え方は、災害による停電時の備えにもそのまま応用できます。地震や台風などで停電が発生した場合、CPAPは電源がなければ動作しないため、日頃からポータブル電源やモバイルバッテリーを備えておくことが重要です。
旅行用に用意したバッテリーやポータブル電源は、災害時の非常用電源としても活用できます。逆に、防災用に用意したポータブル電源を旅行にも持って行けば、荷物を増やさずに両方の備えを一つにまとめることができます。
旅行前のバッテリー確認は、そのまま災害への備えの見直しにもなります。年に数回、旅行や出張のタイミングで「バッテリーはきちんと充電できるか」「容量は足りているか」を点検する習慣をつけておくと安心です。
上野いびきクリニックでできること
上野いびきクリニックは、いびき・睡眠時無呼吸症候群を専門とする睡眠専門外来です。CPAP治療は開始したら終わりではなく、旅行や出張の多いライフスタイルの方には、機種選びやトラベル用アクセサリーのご提案も含めて継続的にサポートしています。
「出張が多くCPAPの持ち運びに不安がある」「AirMiniのようなトラベル用機種に切り替えたい」「海外赴任が決まり、現地でのCPAP管理が心配」という方は、通院時にお気軽にご相談ください。
まとめ|事前の確認と備えがあれば、CPAPは旅行の障害になりません
CPAPは医療機器として国内線・国際線どちらにも持ち込むことができます。国内線は事前申告が必須ではないものの、座席電源を使いたい場合は事前連絡が安心で、国際線では航空会社によって診断書などの提出を求められることがあります。海外の電圧については、多くの機種が100〜240Vに対応しているため変圧器は不要で、変換プラグの準備で足ります。
旅行の予定がある方、出張が多い方は、渡航先の航空会社ルールの確認、バッテリーの充電と容量チェック、変換プラグの準備を旅行前のチェックリストに加えておくと安心です。CPAP治療を続けながら、旅行や出張も諦めずに楽しんでいただきたいと思います。
上野いびきクリニック院長の書籍「いびきを最新治療で治す」(Amazon 売れ筋ランキング 医学一般 1位 臨床内科 1位 家庭医学・健康 2位)でも詳しく解説しています
よくある質問
Q.CPAPは診断書がないと機内に持ち込めませんか?
国内線では診断書が一律に必須というわけではありません。ただし国際線の一部航空会社では、英文診断書やメーカー情報の提出を求められる場合があるため、事前に航空会社へ確認することをおすすめします。
Q.CPAPは預け荷物に入れてもいいですか?
おすすめしません。精密機器であり破損・紛失のリスクがあるため、必ず機内持ち込み手荷物として携行してください。バッテリーも預け入れはできません。
Q.機内でCPAPを使うことはできますか?
航空会社や座席によって座席電源が使える場合がありますが、離着陸中・地上滑走中・駐機中は使用できません。事前に航空会社へ確認し、必要な容量のバッテリーを用意しておくと安心です。
Q.海外旅行に変圧器は必要ですか?
多くのCPAP機種は100〜240Vに自動対応しているため、変圧器は不要な場合がほとんどです。本体やACアダプターの入力電圧表示を確認し、渡航先に合わせた変換プラグを用意してください。
Q.AirMiniなどのトラベル用CPAPに切り替えるべきですか?
旅行や出張が多い方には選択肢の一つになります。ただし圧力設定やマスクの互換性が自宅用機種と異なる場合があるため、切り替え前に医師や医療機器業者へご相談ください。
Q.ホテルの加湿に水道水を使ってもいいですか?
海外では水質の違いにより、ミネラルウォーターや蒸留水の使用をおすすめします。国内でも気になる場合は、精製水を使用すると安心です。
Q.災害時の停電にもCPAP用バッテリーは役立ちますか?
役立ちます。旅行用に用意したポータブル電源やバッテリーは、停電時の非常用電源としても活用できます。詳しくは停電対策に関する記事もご参照ください。
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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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