いびきを放置すると収入・キャリアに影響?無呼吸と生産性低下・失業リスクの関係を医師が解説【上野いびきクリニック】
「いびきくらいで病院に行くほどでもない」——多くの方がそう考えて、日常的ないびきを何年も放置しています。しかし近年の研究では、治療されていない睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、健康リスクだけでなく、仕事の継続や収入にまで影響を及ぼしうることが指摘されています。
「そんな大げさな」と思うかもしれませんが、日中の強い眠気や集中力の低下は、本人が自覚している以上に仕事のパフォーマンスを削っている可能性があります。
この記事では、いびき・無呼吸の放置が仕事やキャリアに及ぼす影響について、海外の調査データをもとに院長が解説します。
結論:この記事の要点
米国睡眠医学会(AASM)が委託した調査(Frost & Sullivan, 2016年)では、未診断の睡眠時無呼吸症候群による米国の年間経済損失は約1,496億ドルと試算され、そのうち最大の項目は「生産性の低下」による約869億ドルでした。また、米国の別の研究(ADAPT研究)では、中等症〜重症の無呼吸がある人は、非自発的な解雇・失業を複数回経験する確率が2倍以上高いという結果も報告されています。いびきや無呼吸を「体質だから」と放置することは、健康面だけでなく、仕事のパフォーマンスやキャリアの安定にも見えないコストを生んでいる可能性があるのです。治療によって日中の眠気や集中力が改善するケースは多く報告されており、放置せず一度検査を受けることが勧められます。
上野いびきクリニックでは、日中の眠気や集中力低下にお悩みの方の検査・治療にも対応しています。「仕事に支障が出ている気がする」という方も、遠慮なくご相談ください。
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菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、いびき・無呼吸の放置が仕事や収入に及ぼす影響について、海外の調査データをもとに解説しています。
上野いびきクリニックでは、日中の眠気の原因検索から、CPAP・レーザー治療による改善まで一貫してサポートしています。
保険診療でしっかり検査・継続治療
- 簡易検査・PSG検査:いびき・無呼吸の原因を精密に評価
- CPAP治療:中等症〜重症の無呼吸への標準治療、日中の眠気改善を目指す
自由診療で根本改善・短期集中
- いびきレーザー治療:3回・6回・12回のコースをご用意
- 医療ダイエット:体重増加が要因の場合の選択肢としても
※治療効果や改善の程度には個人差があります。まずは検査で現状を把握することが第一歩です。
📋 この記事でわかること
- いびき放置がもたらす「見えないコスト」とは
- 未診断の無呼吸による経済損失の規模
- 無呼吸と失業・離職リスクの関係
- 出勤していてもパフォーマンスが落ちる「プレゼンティーイズム」
- 治療によって期待できる変化
いびき放置がもたらす「見えないコスト」とは

いびきや睡眠時無呼吸症候群は、周囲にはいびきの音として気づかれても、本人は「よく眠れている」と感じていることが少なくありません。しかし実際には、無呼吸によって睡眠が繰り返し分断され、深い睡眠が十分に取れていないケースが多く見られます。
その結果として現れるのが、日中の強い眠気、集中力の低下、判断力の鈍化、イライラしやすさといった症状です。これらは本人が「体質」「年齢のせい」「単なる寝不足」と自己判断してしまいやすく、仕事のパフォーマンスに影響していることに気づきにくいという特徴があります。
「よく眠れている感覚」と「実際の睡眠の質」は別物です。
無呼吸による中途覚醒は本人の自覚がないまま起きていることが多く、日中のパフォーマンス低下の原因として見過ごされがちです。
未診断の無呼吸による経済損失の規模
この問題は個人の感覚の話にとどまりません。米国睡眠医学会(AASM)が調査会社Frost & Sullivanに委託した2016年の分析では、米国における未診断の睡眠時無呼吸症候群の年間経済損失は約1,496億ドルと試算されています。
| 損失の内訳 | 推計額(年間) |
|---|---|
| 生産性の低下 | 約869億ドル(最大の項目) |
| 医療利用・併存疾患対応 | 約300億ドル |
| 自動車事故 | 約262億ドル |
| 職場事故 | 約65億ドル |
この内訳で最も大きな割合を占めているのが、医療費や事故ではなく「生産性の低下」である点は注目に値します。無呼吸を治療せず放置することは、個人にとっても社会全体にとっても、静かに、しかし継続的にコストを生み続けているといえます。
無呼吸と失業・離職リスクの関係
個人レベルでの影響を調べた研究もあります。米国で行われたADAPT研究(261名を対象とした調査)では、中等症〜重症の睡眠時無呼吸症候群がある人は、非自発的な解雇や離職を複数回経験している割合が、無呼吸がない人と比べて2倍以上高いという結果が報告されています。
この研究の対象者は時給制で働く人が多く含まれており、遅刻・欠勤・パフォーマンス不足などが評価に直結しやすい労働環境であった点は考慮が必要です。とはいえ、「無呼吸が未診断・未治療のまま働き続けることが、雇用の安定性に影響しうる」という関連が示唆された点は重要な知見です。
出勤していてもパフォーマンスが落ちる「プレゼンティーイズム」

仕事への影響というと「欠勤」がまず思い浮かびますが、産業保健の分野では、出勤はしているものの体調不良によって本来のパフォーマンスを発揮できない状態を「プレゼンティーイズム」と呼び、欠勤(アブセンティーイズム)以上に見えにくいコストとして注目されています。
睡眠時無呼吸症候群による日中の眠気は、まさにこのプレゼンティーイズムを引き起こしやすい要因の一つです。会議中に集中力が続かない、ミスが増える、判断のスピードが落ちる——こうした変化は本人にも周囲にも「体調不良」として明確には認識されにくく、本人が「普段通り働いている」と思っている間に、静かにパフォーマンスが目減りしている可能性があります。
日中の強い眠気そのものについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
治療によって期待できる変化
睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP治療などによって、日中の眠気や集中力の改善を実感される方は少なくありません。すべての方に同じ効果が保証されるわけではありませんが、「体質だから仕方ない」と諦めていた不調が、検査と治療によって変化する可能性があるという点は知っておく価値があります。
睡眠の質への投資が仕事のパフォーマンスにもつながるという考え方については、以下の記事でも取り上げています。
上野いびきクリニックでできること
上野いびきクリニックは、いびき・睡眠時無呼吸症候群を専門とする「睡眠障害内科」です。日中の眠気や集中力低下の背景に無呼吸が隠れていないか、検査を通じて確認し、必要に応じてCPAPなどの治療をご案内しています。
「最近ミスが増えた」「会議中に眠くなる」といったお悩みも、無呼吸が関係している可能性があります。一度ご相談ください。
まとめ|いびきの放置は「体質」の話では済まない
未診断の睡眠時無呼吸症候群は、米国の試算で年間約1,496億ドルの経済損失を生むとされ、その最大要因は生産性の低下です。個人レベルでも、中等症〜重症の無呼吸がある人は複数回の失業を経験しやすいという研究結果があり、出勤していてもパフォーマンスが落ちる「プレゼンティーイズム」の一因にもなり得ます。
いびきや日中の眠気を「体質」「性格」と片づける前に、一度検査で現状を確認してみることをおすすめします。
参考文献・データソース
- American Academy of Sleep Medicine(AASM)「Economic burden of undiagnosed sleep apnea in U.S. is nearly $150B per year」(Frost & Sullivan, 2016年調査)
https://aasm.org/economic-burden-of-undiagnosed-sleep-apnea-in-u-s-is-nearly-150b-per-year/ - AASM「Adults with sleep apnea are more likely to experience involuntary job loss」(ADAPT研究に基づく報告)
https://aasm.org/sleep-apnea-job-loss/ - Sleep Review「Adults with Sleep Apnea More Likely to Experience Involuntary Job Loss」
https://sleepreviewmag.com/sleep-disorders/breathing-disorders/obstructive-sleep-apnea/adults-sleep-apnea-involuntary-job-loss/
※上記はいずれも海外(主に米国)における調査・研究データです。医療制度や労働環境の違いから、日本国内における実態は異なる可能性があります。あくまで参考情報としてご覧ください。
上野いびきクリニック院長の書籍「いびきを最新治療で治す」(Amazon 売れ筋ランキング 医学一般 1位 臨床内科 1位 家庭医学・健康 2位)でも詳しく解説しています
よくある質問
Q.いびきを放置すると必ず収入が減るのですか?
必ずしもそうとは限りません。ただし、日中の眠気や集中力低下がパフォーマンスに影響し、結果として仕事に支障が出るケースが調査で報告されています。
Q.「プレゼンティーイズム」とはどういう意味ですか?
出勤はしているものの、体調不良によって本来のパフォーマンスを発揮できていない状態を指す産業保健の用語です。欠勤よりも気づかれにくいとされています。
Q.紹介されているデータは日本にもそのまま当てはまりますか?
紹介した調査は主に米国のデータです。医療制度や労働環境が異なるため、日本国内での実態は異なる可能性がありますが、「無呼吸が仕事に影響しうる」という方向性自体は参考になる知見です。
Q.治療すればパフォーマンスは必ず改善しますか?
効果には個人差があります。ただし、CPAP治療などによって日中の眠気が改善したという報告は多く、まず検査で現状を把握することが第一歩です。
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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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