サウナ後の睡眠はいびきを悪化させる?筋弛緩と「整った」眠りのリスクを医師が解説【上野いびきクリニック】
「サウナに入ると”整って”よく眠れる」——サウナブームとともに、そう感じている方は多いのではないでしょうか。実際、サウナ入浴には深い睡眠を増やす効果があることが知られており、睡眠の質という観点では良い影響も報告されています。
ただし、いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクがある方にとっては、話が少し変わってきます。サウナによる筋弛緩作用や、サウナ後に訪れる深い眠りが、かえっていびきを悪化させたり、無呼吸のリスクを高めたりする可能性があるのです。
この記事では、サウナが「整った」あとの睡眠でいびき・無呼吸のリスクがなぜ高まりうるのか、そのメカニズムと注意点を院長が解説します。
結論:この記事の要点
サウナ入浴は深部体温を上げた後の急激な低下によって深い睡眠を増やす効果が報告されています。しかし、この「深い睡眠」は喉周りの筋肉(気道を広げる筋肉)の緊張が緩みやすい状態でもあり、もともといびき・SASのリスクがある方では、かえって気道が塞がりやすくなることがあります。加えて、サウナによる発汗後の脱水や、サウナ後の飲酒(いわゆる「ととのいビール」)が重なると、いびき・無呼吸のリスクはさらに高まります。サウナ自体を避ける必要はありませんが、いびきを指摘されたことがある方は、サウナ後の水分補給と飲酒に注意し、症状が続く場合は検査を検討してください。
上野いびきクリニックでは、生活習慣に潜むいびき悪化要因の見直しから、根本的な検査・治療までサポートしています。「サウナの日だけいびきが指摘される」という方は、ぜひご相談ください。
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菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、サウナ入浴後のいびき・無呼吸リスクについて解説しています。
上野いびきクリニックでは、生活習慣が絡むいびきの悪化要因も含めて、検査による原因の特定から治療までご提案しています。
保険診療でしっかり検査・継続治療
- 簡易検査・PSG検査:いびき・無呼吸の原因を精密に評価
- CPAP治療:中等症〜重症の無呼吸への標準治療
自由診療で根本改善・短期集中
- いびきレーザー治療:3回・6回・12回のコースをご用意
- 医療ダイエット:体重増加が要因の場合の選択肢としても
※サウナ自体がいびき・SASの直接的な原因になるわけではありません。もともとの気道の狭さなど、根本的な要因の評価が重要です。
📋 この記事でわかること
- サウナ後に「深く眠れる」仕組み
- なぜ「整った」あとの眠りがいびきを悪化させることがあるのか
- 見落としがちな「脱水」と「サウナ後の一杯」のリスク
- サウナは避けるべきなのか
- サウナを楽しみながらリスクを減らす工夫
サウナ後に「深く眠れる」仕組み

サウナに入ると、体の深部体温が一時的に上昇します。その後、水風呂や外気浴によって深部体温が急速に下がっていく過程で、深部体温と手足など末梢の体温との差(DPG)が大きくなり、これが強い眠気・深い睡眠につながると考えられています。実際に、サウナに入った日は深い睡眠(徐波睡眠)の量が増えるという報告もあり、「整った日はよく眠れる」という感覚には一定の裏付けがあります。
睡眠の質という観点だけを見れば、サウナは決して悪いものではありません。しかし、いびき・無呼吸という視点で見ると、この「深い眠り」自体に注意すべき側面があります。
なぜ「整った」あとの眠りがいびきを悪化させることがあるのか
睡眠中は、覚醒時に比べて全身の筋肉の緊張が緩みます。これは喉の奥で気道を広げている筋肉(上気道拡張筋)も例外ではなく、特に深い眠り(特にレム睡眠)では、この筋肉の緊張がもっとも緩みやすいことが知られています。もともといびきや軽度の気道の狭さがある方では、この筋肉の緩みが気道の閉塞・狭窄につながりやすくなります。
サウナによる強い温熱刺激とその後の急速な冷却は、自律神経のうち副交感神経を優位にし、全身の血管拡張・リラックス反応を強く引き起こします。この全身的な「緩み」の延長線上で迎える深い眠りは、気道周りの筋肉の緊張もより緩みやすい状態と考えられ、もともといびきを指摘されたことがある方では、サウナの日に限っていびきが大きくなったと感じるケースが見られます。
深い眠りが増えること自体は悪いことではありません。
ただし、気道が狭くなりやすい方にとっては、「深く眠れる=無呼吸が起こりやすい状態が長く続く」という側面もあることを理解しておく必要があります。
見落としがちな「脱水」と「サウナ後の一杯」のリスク

サウナでの筋弛緩・自律神経の変化に加えて、見落とされがちなのが脱水と飲酒の影響です。
発汗による脱水
サウナでは大量の発汗により、体内の水分が失われます。脱水状態が続くと、鼻や喉の粘膜が乾燥しやすくなり、鼻づまりや喉のイガイガ感につながることがあります。鼻づまりは口呼吸を誘発し、口呼吸はいびきを悪化させる要因の一つです。サウナ後は、意識的にしっかりと水分補給を行うことが大切です。
「ととのいビール」に代表される飲酒
サウナ後の楽しみとして、冷たいビールなどのアルコールを飲む習慣がある方は少なくありません。しかし、アルコールは喉周りの筋肉を強く弛緩させ、いびき・無呼吸を悪化させる代表的な要因です。サウナによる筋弛緩・脱水に、アルコールによる筋弛緩・利尿作用(さらなる脱水)が重なることで、いびき・無呼吸のリスクは相乗的に高まると考えられます。アルコールといびきの詳しい関係については、以下の記事で解説しています。
サウナは避けるべきなのか
ここまでの内容から「サウナは体に悪いのでは」と感じられたかもしれませんが、サウナ自体がいびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こすわけではありません。サウナは、もともと気道が狭くなりやすい方において、就寝時のいびき・無呼吸を「その日だけ悪化させる」きっかけになりうる、という位置づけで捉えていただくのが適切です。
言い換えると、普段からいびきを指摘されたことがない方が、サウナだけを理由に睡眠時無呼吸症候群を発症するわけではありません。一方で、すでにいびきや無呼吸の傾向がある方にとっては、サウナ後の一晩が症状の強く出やすいタイミングになりうる、ということです。
サウナを楽しみながらリスクを減らす工夫

サウナを楽しみつつ、いびき・無呼吸のリスクを抑えるためには、次のような点を意識してみてください。
☑ サウナ後はアルコールではなく、水や経口補水液でしっかり水分補給する
☑ 「ととのいビール」を習慣にしている場合は、量や頻度を見直す
☑ 就寝直前ではなく、時間に余裕を持ってサウナに入る
☑ 横向きで眠るなど、いびきが悪化しにくい寝姿勢を意識する
☑ パートナーから「サウナの日だけいびきがひどい」と言われたことがあれば、一度検査を検討する
特に最後の点は重要です。「特定の状況でいびきが悪化する」ということは、もともと気道に狭くなりやすい要素があることのサインである可能性があります。サウナに関わらず、いびきや無呼吸が気になる場合は、一度検査で状態を確認しておくと安心です。
上野いびきクリニックでできること
上野いびきクリニックは、いびき・睡眠時無呼吸症候群を専門とする「睡眠障害内科」です。サウナや飲酒といった生活習慣による悪化要因も踏まえながら、検査による原因の特定から、保険診療のCPAP治療、自由診療のいびきレーザー治療まで幅広くご提案しています。
「サウナの日だけいびきを指摘される」「整った日ほど無呼吸が心配」という方は、お気軽にご相談ください。
まとめ|「整う」日こそ、気道への意識を
サウナは深い睡眠を増やす効果が期待できる一方、その「深い眠り」は気道周りの筋肉が緩みやすい状態でもあります。加えて、発汗による脱水やサウナ後の飲酒が重なることで、いびき・無呼吸のリスクはさらに高まる可能性があります。
サウナを我慢する必要はありませんが、もともといびきを指摘されたことがある方は、水分補給や飲酒量を見直しつつ、気になる症状が続く場合は一度検査を受けることをおすすめします。
上野いびきクリニック院長の書籍「いびきを最新治療で治す」(Amazon 売れ筋ランキング 医学一般 1位 臨床内科 1位 家庭医学・健康 2位)でも詳しく解説しています
よくある質問
Q.サウナは睡眠時無呼吸症候群の原因になりますか?
サウナ自体が原因になるわけではありません。もともと気道が狭くなりやすい方において、症状が一時的に強く出るきっかけになりうる、という位置づけです。
Q.サウナ後にいびきがひどいと言われました。何が原因と考えられますか?
筋弛緩による気道の緩み、脱水、サウナ後の飲酒などが重なっている可能性があります。特に飲酒がある場合は、その影響が大きいことが多いです。
Q.サウナ後の水風呂や外気浴も影響しますか?
水風呂や外気浴による急速な体温低下は、深い睡眠を促す一因と考えられています。深い睡眠自体は悪いものではありませんが、気道が狭くなりやすい方では注意が必要です。
Q.サウナをやめたほうがいいですか?
サウナをやめる必要はありません。水分補給や飲酒量に気をつけつつ、いびきが気になる場合は検査で原因を確認することをおすすめします。
Q.いびきが心配な場合、サウナの時間帯を変えたほうがいいですか?
就寝直前を避け、時間に余裕を持って入浴すると、体温の変化が落ち着いた状態で眠りにつきやすくなります。
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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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