筋トレ好きは要注意?ベンチプレスで首が太くなるといびき・睡眠時無呼吸のリスクが上がる理由
筋力トレーニングは、筋力維持、代謝改善、体重管理、生活習慣病予防など、多くの健康効果が期待できます。
しかし、ベンチプレス、ショルダープレス、シュラッグ、ネックトレーニングなどを集中的に行い、首まわりの筋肉が極端に発達すると、いびきや睡眠時無呼吸症候群のリスク評価が必要になる場合があります。
睡眠医学では、肥満度だけでなく、首まわりの太さである「首囲」も睡眠時無呼吸症候群の重要なリスク指標として使われています。
首が太くなる原因は脂肪だけではありません。僧帽筋、胸鎖乳突筋、斜角筋などの筋肉が発達したスポーツ選手や筋力トレーニング愛好者では、体脂肪率が低くても首囲が大きくなることがあります。
今回は、首のトレーニング、ベンチプレス、筋肉量、首囲と、いびき・睡眠時無呼吸症候群の関係について解説します。
上野いびきクリニックでは、保険診療による睡眠検査・CPAP管理、自費診療によるいびきレーザー治療など、状態に応じた選択肢をご案内しています。ご自身に合う治療を確認したい方は、まずは初診でご相談ください。
上野いびきクリニックの検査・治療内容はこちら
菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長が、いびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、いびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)などに関する検査・治療について、正しい医療情報をわかりやすく解説しています。
いびきや睡眠時無呼吸の原因は、のどの構造、舌根沈下、鼻づまり、肥満、首囲、生活習慣など多岐にわたります。上野いびきクリニックでは、特定の治療だけを勧めるのではなく、診察と検査結果を踏まえて治療をご提案しています。
保険診療で検査・継続治療
- 簡易検査・PSG検査:睡眠中の無呼吸や酸素低下を評価
- CPAP治療:中等症〜重症の睡眠時無呼吸への標準治療
状態に応じた自由診療
- いびきレーザー治療:軟口蓋などの振動を抑える治療
- 医療ダイエット:体重や首まわりの脂肪が関係する方への選択肢
筋トレ後にいびきが悪化した方へ
首が太くなった、体重が増えた、家族から大きないびきや無呼吸を指摘された場合は、筋肉量だけで判断せず、睡眠中の呼吸状態を確認することが大切です。自宅で行える簡易睡眠検査から評価できます。
この記事の目次
この記事のポイント
- 筋力トレーニングそのものが、直ちにいびきの原因になるわけではありません。
- ただし、首囲が大きいことは睡眠時無呼吸症候群の重要なリスク指標です。
- 首囲が太くなる原因には、脂肪だけでなく筋肉の発達もあります。
- ベンチプレス、シュラッグ、ネックトレーニングなどでは首・肩周囲の筋肉が発達することがあります。
- 体脂肪率が低い筋トレ愛好者やアスリートでも、いびき・無呼吸があれば睡眠検査が必要です。
- 筋トレをやめるのではなく、症状がある場合に適切な評価を受けることが大切です。
首のトレーニングをしすぎると、いびきの原因になる?
結論からいうと、首の筋肉を鍛えたすべての方が、いびきをかくようになるわけではありません。
一方で、首まわりの筋肉が著しく発達して首囲が大きくなった方では、もともとの顎や気道の構造、舌の大きさ、扁桃、鼻づまり、体重増加などが重なることで、睡眠中の気道が狭くなりやすくなる可能性があります。
睡眠中は、起きているときよりものどの筋緊張が低下します。
そのため、起きている間は問題なく呼吸できていても、眠るとのどの空気の通り道が狭くなり、いびきや無呼吸が起こることがあります。
重要:現在の医学的根拠では、「ベンチプレスを行うと睡眠時無呼吸になる」と直接的に断定することはできません。ただし、首囲の増大は睡眠時無呼吸のリスク評価に使われる重要な指標です。
首囲が太いとなぜ睡眠時無呼吸のリスクが上がるのか

首囲が大きい方では、のどの周辺にある組織の量が多く、睡眠中に気道が狭くなりやすいと考えられています。
肥満がある方では、首まわりや舌、咽頭周囲に脂肪が蓄積し、気道を圧迫しやすくなります。
一方、筋トレ愛好者では、僧帽筋、胸鎖乳突筋、斜角筋などが発達することで、外見上の首囲が大きくなることがあります。
筋肉と脂肪では組織の性質が異なるため、首が太ければ全員が同じリスクになるわけではありません。
しかし、太い首に加えて、顎が小さい、舌が大きい、仰向けでいびきが悪化する、飲酒習慣があるなどの条件が重なると、注意が必要です。
| 首が太くなる原因 | 睡眠時無呼吸との関係 |
|---|---|
| 首まわりの脂肪 | 咽頭周囲を圧迫し、睡眠中の気道を狭くする可能性があります。 |
| 首・肩の筋肉の発達 | 首囲を増大させますが、筋肉量だけで無呼吸の有無は判断できません。 |
| 舌や軟部組織の大きさ | 睡眠中に舌根が落ち込み、気道閉塞の原因になることがあります。 |
| 骨格・顎の形 | 顎が小さい、後退している方では、体脂肪が低くても気道が狭い場合があります。 |
ベンチプレスで首が太くなる理由
ベンチプレスは主に大胸筋、上腕三頭筋、三角筋前部を鍛える種目です。
しかし、高重量を安定させるために、肩甲帯や首の周囲にある僧帽筋なども働きます。
高重量のベンチプレスを長期間続け、シュラッグやショルダープレスなども組み合わせると、肩から首にかけての筋肉が発達し、首まわりが太く見えることがあります。
また、トレーニングに伴って体重や体脂肪も増えている場合には、筋肉だけでなく首まわりの脂肪が増えている可能性もあります。
特に増量期に、体重・首囲・いびきが同時に増えた場合は注意が必要です。
首・肩まわりが発達しやすいトレーニング
| トレーニング | 主に発達しやすい部位 | 注意点 |
|---|---|---|
| ベンチプレス | 胸、肩、腕、肩甲帯周囲 | 高重量では首肩にも強い緊張がかかります。 |
| シュラッグ | 僧帽筋上部 | 首から肩の厚みが増しやすい種目です。 |
| ショルダープレス | 三角筋、僧帽筋、上腕 | 肩甲帯を支える筋肉も働きます。 |
| ネックトレーニング | 首の前後・側面の筋群 | 負荷や頻度が過剰にならないよう注意が必要です。 |
| デッドリフト | 背中、僧帽筋、殿部、下肢 | 背部から首肩にかけて発達することがあります。 |
筋肉質で体脂肪が低ければ安心?
「自分は太っていないから、睡眠時無呼吸にはならない」と考える方は少なくありません。
しかし、睡眠時無呼吸症候群は肥満者だけの病気ではありません。
体脂肪率が低い方でも、首囲が大きい、顎が小さい、舌が大きい、扁桃が大きい、鼻づまりがある場合には、睡眠中の気道が狭くなることがあります。
特に、ラグビー、柔道、レスリング、アメリカンフットボール、ボディビルなど、首や上半身が発達しやすい競技では、体格だけで睡眠時無呼吸を否定できません。
筋肉質の方でも、いびき、無呼吸、日中の眠気があれば、睡眠検査を受けることが重要です。
スポーツ選手に睡眠時無呼吸があると何が問題?

睡眠時無呼吸症候群があると、睡眠中に無呼吸や低呼吸、酸素低下、短い覚醒反応が繰り返されます。
その結果、十分な睡眠時間を確保していても、脳や筋肉が回復しにくくなることがあります。
- 朝起きても疲労が残る
- トレーニング中の集中力が低下する
- 反応速度が遅くなる
- 日中の眠気が出る
- 筋肉痛や疲労からの回復が遅れる
- 血圧が高くなる
- 夜間の心拍や交感神経への負担が増える
睡眠は、トレーニングと同じくらい回復に重要です。
強度の高いトレーニングをしていても、睡眠中の呼吸が乱れていれば、十分なコンディショニングができない可能性があります。
筋肉質でも無呼吸は起こります
体脂肪率が低くても、首囲、顎の形、舌根沈下、鼻づまりなどによって睡眠時無呼吸が起こることがあります。いびき、日中の眠気、朝の頭痛がある方は検査をご検討ください。
筋トレを始めてからいびきが悪化したときに確認すること
筋トレ開始後にいびきが悪化した場合、首の筋肉だけに原因を求めるのではなく、次の変化を確認してください。
| 確認項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 体重の変化 | 筋肉だけでなく脂肪も増えている可能性があります。 |
| 首囲の変化 | 首囲の増大は睡眠時無呼吸のリスク評価に役立ちます。 |
| 増量期の食事 | 高カロリー食や夜食で体脂肪が増えることがあります。 |
| 飲酒量 | アルコールはのどの筋肉をゆるめ、いびきを悪化させます。 |
| 睡眠時間 | トレーニング時間の増加で睡眠時間が減っている場合があります。 |
| サプリメント・薬剤 | 使用内容によっては睡眠や体重、呼吸に影響する可能性があります。 |
首囲はどこを測ればよい?
首囲は、一般的に喉仏の下付近を通るように、メジャーを水平にして測定します。
ただし、首囲だけで睡眠時無呼吸症候群を診断することはできません。
年齢、性別、BMI、いびき、眠気、高血圧などを組み合わせたスクリーニングの一項目として使われます。
首囲が大きくても無呼吸がない方もいれば、首囲がそれほど大きくなくても重症の無呼吸がある方もいます。
最終的な診断には睡眠検査が必要です。
このような方は睡眠検査をおすすめします
- 筋トレを始めてからいびきが大きくなった
- 首まわりが以前より明らかに太くなった
- 増量期に体重といびきが同時に増えた
- 家族から睡眠中の無呼吸を指摘された
- 朝起きたときに頭痛がある
- 十分寝ても疲れが取れない
- 日中に眠気がある
- トレーニング中の集中力が落ちた
- 高血圧を指摘されている
- 夜間頻尿がある
- 仰向けでいびきが悪化する
- 飲酒後にいびきが特にひどくなる
特に、いびきの途中で呼吸が止まり、その後に大きく息を吸う状態がある場合は、早めにご相談ください。
筋トレはやめた方がよい?
この記事は、筋トレをやめることを勧めるものではありません。
適切な筋力トレーニングは、体力維持、体脂肪の減少、血糖管理、血圧管理などに役立ちます。
肥満が改善すれば、睡眠時無呼吸症候群の改善につながる可能性もあります。
問題なのは、筋トレそのものではなく、いびきや無呼吸が出ているのに「筋肉質だから健康」と考えて放置することです。
首囲が極端に大きく、いびき、無呼吸、日中の眠気がある場合は、トレーニングを続けながらでも睡眠検査を受けることができます。
睡眠時無呼吸が見つかった場合の治療
睡眠時無呼吸症候群の治療は、重症度や原因によって異なります。
| 治療 | 主な役割 |
|---|---|
| CPAP | 空気の圧で気道を広げ、睡眠中の無呼吸を抑えます。 |
| 生活習慣・体重管理 | 体脂肪や飲酒など、悪化要因を調整します。 |
| マウスピース | 下顎を前方に保持し、気道を広げる治療です。 |
| いびきレーザー治療 | 軟口蓋などの振動が主体のいびきに対する選択肢です。 |
| 鼻治療・体位療法 | 鼻づまりや仰向け寝による悪化を調整します。 |
首の筋肉が発達しているからといって、治療法が一律に決まるわけではありません。
睡眠検査の結果、のどの診察、体重、首囲、顎の形、鼻の状態を確認し、適切な治療を選びます。
首が太い・いびきが大きい方へ
筋肉質だから睡眠時無呼吸にならないとは限りません。上野いびきクリニックでは、保険診療による簡易睡眠検査・PSG検査・CPAP管理に対応しています。
よくある質問
Q. ベンチプレスをすると、いびきをかくようになりますか?
ベンチプレスをしただけで、必ずいびきが出るわけではありません。ただし、首肩の筋肉が発達して首囲が大きくなり、さらに体重増加、顎の形、舌根沈下、飲酒などが重なると、いびきや無呼吸が出やすくなる可能性があります。
Q. 筋肉で首が太い場合も睡眠時無呼吸になりますか?
なる可能性はあります。首囲はリスク指標のひとつですが、筋肉と脂肪では影響が同一とは限りません。首の太さだけで判断せず、いびきや無呼吸、眠気がある場合は睡眠検査で確認します。
Q. 体脂肪率が低ければ睡眠時無呼吸の心配はありませんか?
体脂肪率が低くても、顎が小さい、舌が大きい、首囲が大きい、鼻づまりがある方では、睡眠時無呼吸が起こることがあります。
Q. 首のトレーニングをやめれば、いびきは治りますか?
首のトレーニングが唯一の原因とは限らないため、中止だけで改善するとは断定できません。体重、飲酒、寝姿勢、鼻づまり、のどの構造なども含めて評価する必要があります。
Q. 筋トレを続けながらCPAPを使えますか?
使用できます。CPAPは睡眠中の気道を確保する治療であり、通常は筋力トレーニングを継続しながら使用できます。適切な治療により、睡眠や回復の質が改善する可能性があります。
Q. いびきレーザー治療は筋肉質の人にも有効ですか?
軟口蓋などの振動がいびきの主な原因であれば、選択肢になることがあります。ただし、舌根沈下や重症の睡眠時無呼吸がある場合は、レーザー単独では不十分な可能性があるため、治療前の睡眠検査が重要です。
まとめ:筋トレは悪くありませんが、太い首といびきは放置しないでください
筋力トレーニングは、健康維持や体力向上に有効です。
ベンチプレスや首のトレーニングを行ったからといって、必ずいびきや睡眠時無呼吸症候群になるわけではありません。
しかし、首囲が大きいことは、睡眠時無呼吸症候群の重要なリスク指標です。
首の太さには脂肪だけでなく筋肉も関係するため、筋肉質で体脂肪率が低い方でも安心とは限りません。
特に、筋トレや増量を始めてから、いびきが大きくなった、家族から無呼吸を指摘された、朝の頭痛や日中の眠気が出てきた場合は注意が必要です。
大切なのは、筋トレをやめることではありません。
首囲が大きく、いびきや無呼吸がある場合に、睡眠中の呼吸を検査で確認することです。
筋トレ後のいびき・無呼吸が気になる方へ
上野いびきクリニックでは、保険診療による睡眠検査・CPAP管理、自費診療によるいびきレーザー治療、体重が関係する方への医療ダイエットなど、状態に応じた治療をご提案しています。
※症状や検査結果によって、保険診療・自費診療の適応は異なります。
CPAP通院の負担でお悩みの方へ
上野いびきクリニックでは、CPAP治療中の方を対象にオンライン診療を行っています。毎月・2か月ごとの通院が負担な方は、対象条件をご確認ください。
参考文献
- Neck Circumference-Height Ratio as a Predictor of Sleep Related Breathing Disorder in Children and Adults
- Differences in abdominal and neck circumferences in patients with and without obstructive sleep apnoea
- Predictors and prevalence of obstructive sleep apnoea and snoring in 1001 middle aged men
上野いびきクリニックまでお気軽にご相談ください【当日予約可】
📞0120-899-930
〒110-0005
東京都台東区上野4−8−8 上野シルクビル5階

English Support Available
We provide medical services for international patients. Please check our English website for details on how to visit our clinic.
記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
完全予約制
上野でいびき治療なら
上野いびきクリニック
保険診療で自宅検査に対応。医師が診察・結果を説明し、
必要に応じてDual Deep Thermiaによる切らないレーザー治療で、いびき・睡眠時無呼吸の改善をサポートします。
上野駅徒歩3分。まずはお気軽にご相談ください。




