温泉は体に良いのに、いびきが悪化?筋弛緩と飲酒が睡眠時無呼吸症候群を悪化させる理由を医師が解説
温泉に入ると体が温まり、リラックスしてよく眠れるように感じる方は多いと思います。
しかし一方で、温泉旅行の夜に「いびきがひどかった」「無呼吸を指摘された」「家族に眠れなかったと言われた」という相談を受けることがあります。
実は、よかれと思った温泉によるリラックス効果が、条件によってはいびきや睡眠時無呼吸を悪化させる原因になることがあります。
特に、温泉後に飲酒をする場合は注意が必要です。温泉による筋弛緩と、アルコールによる筋弛緩が重なることで、のどの空気の通り道が狭くなりやすくなるためです。
上野いびきクリニックでは、保険診療による睡眠検査・CPAP管理、自費診療によるいびきレーザー治療など、状態に応じた選択肢をご案内しています。ご自身に合う治療を確認したい方は、まずは初診でご相談ください。
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院長監修記事
菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長が、いびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、いびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)などに関する検査・治療について、正しい医療情報をわかりやすく解説しています。
いびきや睡眠時無呼吸の原因は、のどの構造、鼻づまり、肥満、舌根沈下、生活習慣、飲酒など多岐にわたります。上野いびきクリニックでは、保険診療による検査・CPAP管理と、自由診療によるいびきレーザー治療を組み合わせ、患者様に合った治療をご提案しています。
保険診療で検査・CPAP管理
- 簡易検査・PSG検査:睡眠時無呼吸の重症度を評価
- CPAP治療:中等症〜重症の睡眠時無呼吸への標準治療
自由診療でいびき治療も相談
- いびきレーザー治療:切らないのどのタイトニング治療
- CPAPが合わない方:他の選択肢も含めて相談可能
この記事の目次
この記事のポイント
- 温泉後は体がリラックスし、筋肉の緊張がゆるみやすくなります。
- のど周囲の筋肉がゆるむと、睡眠中に気道が狭くなり、いびきが悪化することがあります。
- 温泉後の飲酒は、アルコールによる筋弛緩も加わり、睡眠時無呼吸を悪化させる可能性があります。
- 高温浴、長湯、脱水、飲酒、仰向け寝が重なると注意が必要です。
- 温泉旅行でいびきが強くなる方は、睡眠時無呼吸症候群の検査を検討すべき場合があります。
温泉は体に良いのに、なぜいびきが悪化することがあるのか
温泉には、血行促進、リラックス、疲労回復、入眠しやすさの改善など、良い面が多くあります。
しかし、睡眠中のいびきや無呼吸という観点では、リラックスしすぎることが問題になる場合があります。
いびきは、睡眠中にのどの空気の通り道が狭くなり、軟口蓋や口蓋垂、舌根部などが振動することで起こります。
温泉で体が温まり、筋肉の緊張がゆるむと、のど周囲の筋肉もゆるみやすくなります。その結果、睡眠中に気道が狭くなり、いびきが大きくなることがあります。
温泉そのものが悪いわけではありません。
問題は、温泉後の筋弛緩、飲酒、脱水、疲労、仰向け寝などが重なったときに、のどの気道が狭くなりやすくなることです。
温泉後に起こる「筋弛緩」といびきの関係

温泉に入ると、副交感神経が優位になり、体がリラックスします。これは本来、睡眠に入りやすくなる良い反応です。
しかし、睡眠時無呼吸症候群やいびきがある方では、このリラックスによってのど周囲の筋緊張が低下し、気道がつぶれやすくなることがあります。
特に、以下の部位がゆるみやすくなると、いびきや無呼吸につながります。
| 部位 | いびき・無呼吸との関係 |
|---|---|
| 軟口蓋 | 振動すると大きないびきの原因になります。 |
| 口蓋垂 | いわゆる「のどちんこ」が振動し、いびき音を強めます。 |
| 舌根部 | 仰向け寝で舌が落ち込み、気道を塞ぎやすくなります。 |
| 咽頭周囲筋 | 筋緊張が低下すると、空気の通り道が狭くなります。 |
つまり、温泉で「よく眠れる状態」になることと、「気道が安定して開いている状態」は必ずしも同じではありません。
温泉後の飲酒がいびき・無呼吸を悪化させる理由

温泉旅行では、入浴後にビール、日本酒、ワインなどを飲む方も多いと思います。
しかし、睡眠時無呼吸症候群やいびきがある方にとって、温泉後の飲酒は注意が必要です。
アルコールには、筋肉の緊張をゆるめる作用があります。のど周囲の筋肉もゆるみやすくなり、睡眠中に気道が狭くなりやすくなります。
さらに、アルコールは睡眠の質を低下させ、中途覚醒や浅い睡眠を増やすこともあります。
| 要因 | いびき・無呼吸への影響 |
|---|---|
| 温泉によるリラックス | のど周囲の筋緊張が下がり、気道が狭くなりやすい |
| 飲酒 | さらに筋弛緩が起こり、舌根沈下や軟口蓋の振動が増えやすい |
| 脱水 | 口やのどが乾燥し、粘膜の振動が強くなりやすい |
| 疲労 | 深く眠り込むことで無呼吸に気づきにくくなる |
| 仰向け寝 | 舌が後方に落ち込み、気道閉塞が起こりやすい |
温泉後に飲酒して、そのまま仰向けで寝るという流れは、いびき・睡眠時無呼吸が悪化しやすい典型的なパターンです。
温泉旅行でいびきが悪化しやすい人
以下に当てはまる方は、温泉旅行中にいびきや無呼吸が悪化しやすい可能性があります。
- 普段からいびきを指摘されている
- 寝ている間に呼吸が止まると言われたことがある
- 仰向けで寝るといびきが悪化する
- 飲酒後にいびきが大きくなる
- 首まわりが太い
- 体重が増えてからいびきが強くなった
- 鼻づまりや口呼吸がある
- 朝起きたときに口が乾いている
- 温泉旅行の翌朝に頭痛や眠気がある
- CPAPを旅行先に持って行かずに寝てしまうことがある
特に、普段は軽いいびき程度でも、温泉、飲酒、疲労、仰向け寝が重なると、無呼吸が目立つことがあります。
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サウナ後も同じように注意が必要?
温泉だけでなく、サウナ後にもいびきが悪化することがあります。
サウナでは発汗によって脱水になりやすく、入浴後の飲酒も加わると、口やのどが乾燥しやすくなります。
のどの粘膜が乾燥すると、空気の流れで粘膜が振動しやすくなり、いびき音が強くなることがあります。
また、サウナ後は強いリラックス感や疲労感が出ることもあり、深く眠り込むことで無呼吸に気づきにくくなることもあります。
温泉旅館で家族にいびきを指摘される理由
温泉旅行では、普段と違って家族や友人と同じ部屋で寝ることがあります。
そのため、普段は一人で寝ていて気づかれていないいびきや無呼吸が、旅行中に初めて指摘されることがあります。
また、旅先では以下のような条件が重なりやすくなります。
- 長時間の移動による疲労
- 温泉による筋弛緩
- 夕食時の飲酒
- いつもと違う枕や寝具
- 仰向け寝になりやすい環境
- CPAPやマウスピースを持参しない
つまり、温泉旅行中のいびきは、普段よりも悪化しやすい条件がそろっているのです。
CPAP使用中の方が温泉旅行で注意すべきこと

CPAPを使用している方は、温泉旅行や出張でも可能な限りCPAPを持参することが大切です。
「1泊だけだから大丈夫」と考えてCPAPを使わないと、飲酒や疲労が重なった日に無呼吸が悪化することがあります。
特に、重症の睡眠時無呼吸症候群の方では、旅行中こそCPAPを中断しない方が安全です。
| 旅行前に確認すること | 理由 |
|---|---|
| CPAP本体・電源コード | 忘れると旅行中に治療が中断します。 |
| マスク・チューブ | 消耗品の忘れ物が多い部分です。 |
| 延長コード | 旅館では枕元にコンセントがない場合があります。 |
| 加湿用の水 | 加湿器使用中の方は、清潔な水の準備が必要です。 |
| 旅行用CPAP | 出張・旅行が多い方は小型機も選択肢になります。 |
温泉後のいびき・無呼吸を減らす対策
温泉を楽しみながら、いびきや無呼吸を悪化させないためには、以下の対策が有効です。
- 寝る直前の長湯を避ける:体が熱くなりすぎると睡眠の質が乱れることがあります。
- 飲酒量を控える:特に寝る前の飲酒は、のどの筋弛緩を強めます。
- 水分補給をする:脱水や口腔内乾燥を防ぎます。
- 横向きで寝る:舌根沈下を減らし、気道閉塞を防ぎやすくなります。
- CPAP使用中の方は持参する:旅行中こそ中断しないことが重要です。
- 鼻づまりを整える:鼻呼吸ができないと口呼吸になり、いびきが悪化しやすくなります。
「温泉後だけいびきがひどい」は放置してよい?
温泉旅行のときだけいびきが強くなる場合でも、完全に安心とはいえません。
普段から気道が狭くなりやすい方が、温泉や飲酒をきっかけに症状が表面化している可能性があります。
特に、以下のような症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の検査をおすすめします。
- 家族から呼吸が止まっていると言われる
- 大きないびきを繰り返す
- 朝起きたときに頭痛がある
- 日中に眠気が強い
- 血圧が高い
- 夜間頻尿がある
- 寝ても疲れが取れない
- 飲酒後や旅行中に特に悪化する
いびきは単なる音の問題ではなく、睡眠中の呼吸障害のサインであることがあります。
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温泉と睡眠時無呼吸の関係をまとめると
| 状況 | 注意点 |
|---|---|
| 温泉だけ | 多くの方にはリラックス効果がありますが、筋弛緩でいびきが強くなる方もいます。 |
| 温泉+飲酒 | のどの筋肉がさらにゆるみ、いびき・無呼吸が悪化しやすくなります。 |
| 温泉+脱水 | 口やのどが乾燥し、粘膜の振動が強くなることがあります。 |
| 温泉+仰向け寝 | 舌根沈下が起こりやすく、無呼吸が出やすくなります。 |
| 温泉+CPAP中断 | 重症の方では無呼吸が再燃する可能性があります。 |
よくある質問
Q. 温泉はいびきに悪いのですか?
温泉そのものが悪いわけではありません。問題は、温泉後の筋弛緩、飲酒、脱水、仰向け寝などが重なることで、のどの気道が狭くなりやすくなることです。
Q. 温泉に入るとよく眠れるのに、なぜ無呼吸が悪化するのですか?
よく眠れることと、気道が安定して開いていることは別です。リラックスして筋肉がゆるむと、のどの空気の通り道が狭くなり、いびきや無呼吸が悪化することがあります。
Q. 温泉後の飲酒はなぜ危険なのですか?
アルコールには筋肉の緊張をゆるめる作用があります。温泉後のリラックス効果と重なることで、舌根沈下や軟口蓋の振動が起こりやすくなります。
Q. CPAPを使っている場合、温泉旅行にも持って行くべきですか?
特に中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群の方は、旅行中もCPAPを使用することが重要です。飲酒や疲労が重なる旅行中こそ、無呼吸が悪化しやすくなります。
Q. 温泉旅行でいびきを指摘されたら検査した方がよいですか?
大きないびき、呼吸停止、日中の眠気、朝の頭痛、高血圧などがある場合は、睡眠時無呼吸症候群の検査をおすすめします。
まとめ:温泉後のいびきは、睡眠時無呼吸のサインかもしれません
温泉は、体を温め、リラックスさせる良い習慣です。
しかし、いびきや睡眠時無呼吸がある方では、温泉による筋弛緩、飲酒、脱水、仰向け寝が重なることで、かえって気道が狭くなり、いびきや無呼吸が悪化することがあります。
特に、温泉旅行の夜に家族から「いびきがひどかった」「呼吸が止まっていた」と言われた場合は、単なる疲れや飲みすぎで片づけず、睡眠時無呼吸症候群の可能性を考えることが大切です。
温泉後のいびきは、普段隠れている睡眠時無呼吸のサインかもしれません。
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温泉後のいびき・無呼吸が気になる方へ
上野いびきクリニックでは、保険診療による睡眠時無呼吸症候群の検査・CPAP管理に加え、いびきが主症状の方へのレーザー治療相談も行っています。温泉旅行や飲酒後にいびきが悪化する方、家族から無呼吸を指摘された方は、一度ご相談ください。
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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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