睡眠検査のRDIとは?AHIとの違いとRERAを医師が解説【上野いびきクリニック】

いびきの精密検査

睡眠検査の結果票に、AHIのほかに「RDI」や「REI」といった見慣れない略語が並んでいて、戸惑った経験はないでしょうか。「AHIは正常なのにRDIは高い」と書かれていて、何を意味するのかわからない、というご相談もよくいただきます。

結論から言うと、AHIは「無呼吸と低呼吸」の回数、RDIはそれに「RERA(呼吸努力関連覚醒)」を加えた回数です。RERAは酸素の低下を伴わないため、AHIには反映されませんが、睡眠を細かく分断して日中の眠気や疲労の原因になることがあります。

この記事では、2万症例以上の麻酔管理経験を持つ上野いびきクリニック院長 菅谷が、RDI・AHI・REIの違いとRERAの意味、そして「AHIが正常でもつらい」と感じる場合に考えられる上気道抵抗症候群(UARS)について解説します。

結論:この記事の要点

AHI=(無呼吸+低呼吸)÷睡眠時間、RDI=(無呼吸+低呼吸+RERA)÷睡眠時間です。RERAは「酸素は下がらないが、呼吸努力が増えて脳が覚醒する現象」で、判定には脳波が必要なため、主に精密検査(PSG)でのみ評価できます。脳波を測らない簡易検査では、記録時間をもとにした「REI」という指標が使われるのが一般的です(機器や報告書によって表記は異なります)。日本のCPAP保険適応はAHIを基準としており(簡易検査でAHI30以上、PSGでAHI15以上)、RDIが高くてもAHIが基準未満であれば、保険でのCPAP導入は難しいのが現状です。一方で、AHIが低くてもRERAが多く、日中の眠気が強い方がいることも知られています。数字だけで判断せず、症状とあわせて医師に確認することが大切です。


上野いびきクリニックでは、簡易検査と、自宅で受けられる保険診療のPSG検査(精密検査)に対応しています。検査結果の見方もご説明しています。
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日本テレビ「news every.」の記事に上野いびきクリニックが紹介されました
いびき・睡眠時無呼吸・睡眠障害について、受診や検査を考えるきっかけとしてご覧ください。

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院長監修記事

上野いびきクリニック院長菅谷和之

菅谷 和之

上野いびきクリニック 院長/麻酔科医

2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック

本記事は院長 菅谷和之が、睡眠検査のRDI・AHI・REIの違いとRERAの意味について解説しています。

🩺上野いびきクリニックの包括的いびき治療

上野いびきクリニックでは、簡易検査・PSG検査の結果を医師が丁寧に読み解き、症状とあわせて治療の方針をご提案しています。

保険診療でしっかり検査・継続治療

  • 簡易検査:自宅でできる無呼吸のスクリーニング
  • PSG検査:脳波を含めて評価できる精密検査(自宅で実施)
  • CPAP治療:保険適応基準を満たす無呼吸への標準治療

自由診療で根本改善・短期集中

  • いびきレーザー治療:検査で単純性いびきと確認された方に
  • 医療ダイエット:体重増加が要因の場合の選択肢としても

※検査指標の判定ルールや表記は、検査機器・施設によって異なる場合があります。結果票の見方は診察時にご説明します。

📋 この記事でわかること

  1. AHIとRDIの違い|RERAを含めるかどうか
  2. REIとは?簡易検査で出る数値との関係
  3. RERA(呼吸努力関連覚醒)とは
  4. AHIが正常でもつらい?上気道抵抗症候群(UARS)
  5. 保険のCPAP基準はAHI?検査結果の見方

AHIとRDIの違い|RERAを含めるかどうか

睡眠中の呼吸の乱れを数値化する指標には、いくつかの種類があります。もっとも広く使われているのがAHI(無呼吸低呼吸指数)で、1時間あたりの無呼吸と低呼吸の回数を表します。これにRERA(呼吸努力関連覚醒)の回数を加えたものがRDI(呼吸障害指数)です。

指標 計算のイメージ 主な測定場面
AHI (無呼吸+低呼吸)÷ 睡眠時間 脳波を測る精密検査(PSG)
RDI (無呼吸+低呼吸+RERA)÷ 睡眠時間 脳波を測る精密検査(PSG)
REI 呼吸イベント ÷ 記録時間(覚醒時間を調整する場合あり) 脳波を測らない簡易検査

RDIはAHIより「睡眠を妨げる呼吸の乱れ」を広く拾う指標で、一般にAHI以上の値になります。特に、酸素の低下が起こりにくい若い方や痩せ型の方では、AHIよりRDIの方が大きく高くなることがあります。重症度の区分(5未満が正常、5以上が軽症、15以上が中等症、30以上が重症)はAHIで広く用いられています。AHIそのものの見方は無呼吸検査 AHIとは?5・15・30で何が違う?で詳しく解説しています。

REIとは?簡易検査で出る数値との関係

いびき無呼吸に関する簡易検査

自宅でできる簡易検査は、脳波を測らないため、「実際に眠っていた時間」を正確に区別できません。そのため、睡眠時間ではなく記録時間(検査機器をつけていた時間)をもとに計算した指標が使われます。これがREI(呼吸イベント指数)で、米国睡眠医学会の2015年の指針では、脳波を測らない検査ではAHIではなくREIと呼ぶことが推奨されています。

表記は機器・報告書によって異なります

かつては、脳波を測らない検査の結果にも「RDI」という名称が使われていた経緯があり、機器や結果票によって「AHI」「RDI」「REI」の表記が混在していることがあります。名称だけでなく、どの検査で、何を分母にして計算された数値かを確認することが大切です。簡易検査は睡眠時間を過大に見積もりやすく、PSGと比べて数値が低く出る場合があることも知られています。簡易検査の限界については簡易検査で異常なしでも安心できない?偽陰性のリスクでも解説しています。

RERA(呼吸努力関連覚醒)とは

RERAは、完全な無呼吸や、酸素の低下を伴う低呼吸には当てはまらないものの、気道が狭くなって息を吸う努力が増え、その結果として脳が短く覚醒してしまう現象です。呼吸の気流が少し平坦になり、努力が強まったところで覚醒が起こる、という経過をたどります。

酸素が下がらないため、酸素飽和度を中心に見る簡易検査では拾いにくく、覚醒を判定するために脳波が必要です。そのため、RERAを評価できるのは、基本的にPSG(精密検査)です。

判定ルールで「RERAの重み」は変わります

低呼吸の判定に使う酸素低下の基準(3%か4%か)によって、低呼吸とRERAの振り分けが変わります。研究では、より緩やかな3%基準を使うとRERAとして数えられる回数が大きく減り、RDIに占めるRERAの割合も小さくなったと報告されています。つまり、同じ睡眠でも、判定ルールによってAHIやRDIの値は変わりうるため、数値だけを他の検査と単純に比べることはできません。

AHIが正常でもつらい?上気道抵抗症候群(UARS)

AHIが5未満で「異常なし」と言われたのに、日中の眠気やだるさ、熟睡感のなさが続く——その背景に、RERAを中心とした上気道抵抗症候群(UARS)が隠れていることがあります。UARSは、気道の抵抗が増えて呼吸努力による覚醒が繰り返され、睡眠が分断される状態で、睡眠時無呼吸症候群の軽症型と位置づけられることがあります。

項目 内容
起こりやすい症状 習慣的ないびき、日中の眠気・疲労感、眠った感じがしない、朝の頭痛など
患者さんの傾向 一般的な睡眠時無呼吸症候群より若い方や女性、標準体型の方が多いとする報告がある
診断 臨床症状とあわせたPSG検査での評価が基本。簡易検査では見逃されやすい
治療の選択肢 CPAP、口腔内装置(マウスピース)、鼻の治療、生活習慣の見直しなど。CPAPは有効とされる一方、保険適応にならない場合や、慣れにくい方もいる

なお、UARSは診断基準や位置づけが医療機関によって異なる面もあります。「AHIが正常なのに症状が強い」場合は、自己判断で原因を決めつけず、精密検査を含めて医師に相談することをおすすめします。いびきの音は大きいのにAHIが低いタイプ(単純性いびき)については単純性いびきと睡眠時無呼吸症候群の違いで解説しています。

保険のCPAP基準はAHI?検査結果の見方

専門医によるいびき・睡眠時無呼吸症候群のカウンセリング風景

日本のCPAP保険適応は、AHIを基準としています。2026年6月の改定後は、簡易検査でAHI30以上、精密検査(PSG)でAHI15以上が目安です。RDIの値そのものが保険の基準になるわけではないため、RDIが高くてもAHIが基準に満たなければ、保険でのCPAP導入は難しいのが現状です。基準の詳細はCPAP導入基準が大幅緩和|簡易検査AHI40→30、PSG検査20→15へをご覧ください。

数字が基準に届かなくても、症状があるなら相談を。

AHIやRDIは、重症度を知るための「目安」です。無呼吸の回数は、寝る姿勢・飲酒・疲労度などで夜ごとに変動します。基準に届かない場合でも、日中の強い眠気や熟睡感のなさがあれば、検査の種類を変える、再検査をする、他の治療を検討するなど、取れる選択肢があります。

検査の種類ごとの違いについてはいびき・睡眠時無呼吸症候群の検査とは?「簡易検査」と「PSG」をわかりやすく解説、検査が自宅でできる点については秋の健康診断シーズン到来。「要精査」の前に知っておきたいいびき検査もご覧ください。

上野いびきクリニックでできること

上野いびきクリニックは、いびき・睡眠時無呼吸症候群を専門とする「睡眠障害内科」です。自宅でできる簡易検査と、保険診療のPSG検査(精密検査)に対応しており、結果票の数値の意味や、症状とのつながりをわかりやすくご説明しています。

「検査で異常なしと言われたのに眠気が取れない」「結果票の見方がわからない」という方も、お気軽にご相談ください。

まとめ|AHIとRDIの違いは「RERAを含むかどうか」

AHIは無呼吸と低呼吸の回数、RDIはそこにRERA(呼吸努力関連覚醒)を加えた回数です。RERAの評価には脳波が必要で、主に精密検査(PSG)で判定されます。脳波を測らない簡易検査では、記録時間をもとにしたREIが使われるのが一般的です。

簡易検査ならびに精密検査(PSG検査)は入院することなく在宅での検査が可能です。当院上野いびきクリニックでも積極的に自宅での睡眠検査を推奨しています。

日本のCPAP保険適応はAHIを基準としますが、AHIが低くても症状が強い方はいます。数字だけで判断せず、症状とあわせて医師にご相談ください。


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よくある質問

Q.RDIとAHIはどちらが重要ですか?

どちらか一方が優れているというより、見ているものが異なります。AHIは無呼吸・低呼吸の回数、RDIはそれにRERAを加えた「睡眠の妨げ」の指標です。日本のCPAP保険適応はAHIを基準としていますが、症状が強い場合はRDIを含めた精密検査の結果も参考になります。

Q.RERAは簡易検査でわかりますか?

RERAの判定には覚醒を確認する脳波が必要なため、脳波を測らない簡易検査では基本的に評価できません。RERAが疑われる場合は、PSG検査(精密検査)が必要になります。当院のPSG検査は自宅で受けられます。

Q.AHIが正常なのに日中とても眠いのはなぜですか?

上気道抵抗症候群(UARS)のように、酸素低下を伴わない呼吸努力による覚醒で睡眠が分断されている場合があります。他にも、睡眠不足や他の睡眠障害などが関わることがあるため、検査と診察で原因を調べることをおすすめします。

Q.REIとAHIの数値は同じように比べてよいですか?

単純には比べられません。REIは記録時間、AHIは実際の睡眠時間をもとに計算するため、同じ方でも検査の種類によって数値が変わることがあります。また、判定ルールによっても値が異なる場合があります。

まずは初診でご相談ください

検査からCPAP治療の調整まで幅広くお受けしています。完全予約制・当日予約可。

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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之

2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務

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