いびきは、睡眠中に空気の通り道が狭くなり、軟口蓋、口蓋垂、舌の奥、咽頭周囲の組織が振動することで起こります。
つまり、いびきは単なる「音」ではなく、のどの構造、筋肉の緊張、舌の位置、鼻呼吸、睡眠中の気道の狭さが関係する現象です。
歌が上手い人は、息の流れ、舌の位置、軟口蓋の上げ下げ、口腔内の響かせ方を無意識に調整しています。
そのため、のどまわりの筋機能が保たれている可能性があります。
本記事では、「歌が上手い人はいびきをかきにくい」と言われる理由について、軟口蓋・舌・咽頭周囲筋・睡眠時無呼吸症候群の視点から解説します。
「いびきが大きい」
「寝ても疲れが取れない」
「パートナーにいびきを指摘された」
「カラオケでは声が出るのに、寝るといびきがひどい」
このような方は、ぜひ最後までお読みください。
上野いびきクリニックでは、保険診療による睡眠検査・CPAP管理、自費診療によるいびきレーザー治療など、状態に応じた選択肢をご案内しています。ご自身に合う治療を確認したい方は、まずは初診でご相談ください。
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院長監修記事
菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、いびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)などに関する検査・治療など正しい医療情報をわかりやすく解説しています。
いびきの原因は、喉の構造、舌の位置、鼻づまり、肥満、飲酒、睡眠姿勢など多岐にわたります。上野いびきクリニックでは、特定の治療法に偏ることなく、医学的根拠に基づいた幅広い選択肢から、患者様に最適なプランをご提案できる体制を整えています。
保険診療でしっかり検査・継続治療
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自由診療でいびき・生活習慣へアプローチ
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※当院はいびき治療専門クリニックとして、保険・自由診療の両面から「止まらないいびき」「寝ても疲れない」「日中眠い」といったお悩みの解決に全力を尽くします。
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この記事のポイント
・歌が上手い人は、舌・軟口蓋・咽頭周囲の使い方がうまいことがある
・いびきは、睡眠中に軟口蓋・口蓋垂・舌の奥などが振動して起こる
・発声時に使う筋肉と、いびきに関係する上気道周囲の筋肉には共通する部分がある
・ただし、歌が上手くても、肥満・飲酒・鼻づまり・骨格・睡眠時無呼吸があればいびきは起こる
・大きないびきや無呼吸を指摘される場合は、まず検査が重要
この記事の目次
歌が上手い人はいびきをかきにくいと言われる理由

歌が上手い人は、単に声が大きい人ではありません。
息の使い方、声の響かせ方、舌の位置、口の開け方、軟口蓋の上げ方、喉の開き方を、無意識に細かく調整しています。
とくに重要なのが、軟口蓋と舌のコントロールです。
軟口蓋とは、口の中の天井の奥にある柔らかい部分です。
発声時には、この軟口蓋が上がることで、鼻に抜けすぎない響きや、通りのよい声が作られます。
一方、いびきでは、この軟口蓋や口蓋垂が睡眠中に緩み、空気の流れで振動することがあります。
つまり、歌が上手い人は、日常的に軟口蓋や咽頭周囲の筋肉を使い慣れているため、上気道周囲の筋機能が保たれている可能性があります。
ただし、これは「歌が上手ければいびきにならない」という意味ではありません。
いびきには、体重、首まわりの脂肪、顎の小ささ、鼻づまり、飲酒、加齢、睡眠姿勢、扁桃肥大、睡眠時無呼吸症候群など、多くの要因が関係します。
いびきは「のどの振動」で起こる

いびきは、睡眠中に空気の通り道が狭くなり、そこを空気が通るときに周囲の組織が振動して起こります。
特に関係しやすい部位は次の通りです。
- 軟口蓋
- 口蓋垂
- 舌の奥
- 扁桃周囲
- 咽頭側壁
- 鼻腔・上咽頭
起きているときは、のどの筋肉がある程度緊張しているため、気道は保たれています。
しかし、眠ると筋肉の緊張が低下します。
特に仰向けになると、舌が後方に落ち込みやすくなり、空気の通り道がさらに狭くなります。
この状態で呼吸をすると、狭い気道を空気が無理に通るため、軟口蓋や口蓋垂が振動します。
これが、いびきの音です。
さらに気道が強く狭くなり、呼吸が止まる、または浅くなる状態が繰り返されると、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
軟口蓋とはどこか

軟口蓋は、口の中の天井の奥にある柔らかい部分です。
前方の硬い部分を硬口蓋、後方の柔らかい部分を軟口蓋と呼びます。
軟口蓋の中央から垂れ下がっている小さな組織が口蓋垂、いわゆる「のどちんこ」です。
軟口蓋は、食べ物を飲み込むとき、発声するとき、鼻に空気が抜ける量を調整するときに重要な役割を果たします。
発声時に軟口蓋がしっかり上がると、声が鼻に抜けすぎず、響きのある声になります。
逆に、軟口蓋の動きが弱いと、声がこもる、鼻に抜ける、滑舌が悪くなることがあります。
いびきの観点では、この軟口蓋が睡眠中に緩み、空気の流れで振動しやすくなることが問題になります。
つまり、軟口蓋は「歌の響き」にも「いびきの音」にも関係する重要な部位なのです。
歌が上手い人は軟口蓋をうまく使っている
歌が上手い人は、声を出すときに軟口蓋をうまく使っていることが多いです。
合唱やボイストレーニングでは、よく「喉を開く」「口の奥を広げる」「声を上に響かせる」「あくびをするように」といった表現が使われます。
これらは医学的に見ると、軟口蓋を上げ、咽頭腔を広げ、舌の位置を調整する動きと関係します。
歌が上手い人は、無理に喉を締めて声を出すのではなく、息の流れをうまく使いながら、口腔・咽頭・鼻腔の共鳴を調整しています。
このような使い方を日常的にしている人は、舌・軟口蓋・咽頭周囲の筋肉を細かく使う習慣があると考えられます。
そのため、「歌が上手い人はいびきをかきにくい」と言われる背景には、のど周囲の筋機能が関係している可能性があります。
ただし、ここで大切なのは、歌が治療そのものではないという点です。
歌が上手い人でも、睡眠中に筋肉が緩み、気道が狭くなればいびきをかきます。
特に睡眠時無呼吸症候群がある場合は、歌や発声練習だけで治そうとするのは危険です。
発声といびきに共通する上気道の筋肉
発声といびきには、共通して関係する部位があります。
- 舌
- 軟口蓋
- 咽頭周囲筋
- 口輪筋
- 頬の筋肉
- 呼吸筋
歌うときには、これらの筋肉を使って、息の流れ、声の高さ、響き、滑舌を調整しています。
一方、睡眠中には、これらの筋肉の緊張が低下します。
特に舌や軟口蓋が後方に落ち込むと、気道が狭くなり、いびきや無呼吸が起こりやすくなります。
つまり、いびきは単に「鼻が悪い」「太っている」だけではなく、上気道周囲の筋肉の問題として見ることもできます。
近年では、舌や口腔咽頭周囲の筋肉を鍛えるトレーニングが、いびきや軽度の睡眠時無呼吸に対する補助的なアプローチとして注目されています。
ただし、これはあくまで補助的な方法であり、重症の睡眠時無呼吸症候群に対してCPAP治療の代わりになるものではありません。
歌だけで睡眠時無呼吸は治らない
ここは非常に重要です。
歌や発声練習、口腔咽頭トレーニングは、いびき改善の補助として役立つ可能性があります。
しかし、睡眠時無呼吸症候群がある場合、歌だけで治そうとするのは危険です。
睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に呼吸が何度も止まる、または浅くなります。
酸素濃度が低下し、脳や心臓、血管に負担がかかります。
放置すると、日中の強い眠気、集中力低下、交通事故リスク、高血圧、不整脈、心筋梗塞、脳卒中などにつながる可能性があります。
特に次のような症状がある場合は、歌やセルフケアだけで様子を見るのではなく、睡眠検査をおすすめします。
- 家族から「息が止まっている」と言われる
- いびきが大きく、別室を求められる
- 朝起きても疲れが取れない
- 日中に強い眠気がある
- 会議中や運転中に眠くなる
- 朝の頭痛がある
- 夜間頻尿がある
- 高血圧を指摘されている
歌が上手くてもいびきをかく人の特徴
歌が上手い人でも、次のような条件があるといびきをかきやすくなります。
1. 体重増加・首まわりの脂肪
体重が増えると、首まわりや舌の周囲にも脂肪がつきやすくなります。
その結果、気道が狭くなり、睡眠中にいびきや無呼吸が起こりやすくなります。
歌が上手くても、気道そのものが物理的に狭くなれば、いびきは起こります。
2. 飲酒
アルコールは、のどの筋肉の緊張を低下させます。
普段はいびきをかかない人でも、飲酒後だけ大きないびきをかくことがあります。
声を使う仕事の方でも、飲酒後に軟口蓋や舌根が緩むと、いびきが強くなることがあります。
3. 鼻づまり・口呼吸
鼻が詰まっていると、睡眠中に口呼吸になりやすくなります。
口が開くと、下顎や舌が後方に落ち込みやすくなり、気道が狭くなります。
その結果、軟口蓋や口蓋垂が振動し、いびきが起こりやすくなります。
4. 顎が小さい・下顎が後退している
顎が小さい方や下顎が後退している方は、舌が収まるスペースが狭く、睡眠中に舌が後方へ落ち込みやすい傾向があります。
この場合、発声が上手くても、睡眠中の構造的な気道狭窄が起こることがあります。
5. 加齢による筋緊張の低下
年齢とともに、全身の筋肉と同じように、のど周囲の筋肉も衰えやすくなります。
若いころはいびきをかかなかった人が、40代以降にいびきを指摘されるようになることは珍しくありません。
歌が上手い人でも、加齢による筋緊張低下や体重変化が重なると、いびきが出ることがあります。
声帯を鍛えることと、いびきを減らすことは別の話
ここで誤解しやすいのが、「歌が上手い=声帯が強い=いびきに強い」という考え方です。
いびきに関係するのは、声帯そのものだけではありません。
いびきの主な発生部位は、声帯よりも上の、軟口蓋、口蓋垂、舌根、咽頭周囲です。
そのため、声帯だけを鍛えても、いびきが改善するとは限りません。
重要なのは、舌・軟口蓋・咽頭周囲・鼻呼吸を含めた上気道全体の状態です。
歌が上手い人はいびきをかきにくい可能性がある、という話も、声帯の強さというより、のど全体の使い方、舌の位置、軟口蓋のコントロールが関係していると考える方が自然です。
自宅でできるのど・舌のセルフケア

軽いいびきや、のど周囲の筋肉の衰えが気になる方は、日常的に舌や軟口蓋を動かす習慣を持つことも一つの方法です。
ただし、強いいびきや無呼吸が疑われる場合は、セルフケアよりも検査が優先です。
1. 舌を上あごに押しつける
舌全体を上あごに押しつけるようにして、数秒キープします。
舌の位置を意識することで、舌筋のトレーニングになります。
2. 「あー」「いー」「うー」と大きく発声する
口をしっかり開けて、「あー」「いー」「うー」と発声します。
口唇、舌、軟口蓋、咽頭周囲を動かす意識で行います。
3. あくびをするように喉を広げる
あくびをするように口の奥を広げると、軟口蓋が上がりやすくなります。
歌の発声練習でも使われる感覚です。
4. 鼻呼吸を意識する
日中から口を閉じ、舌を上あごにつけるように意識します。
鼻呼吸がしづらい方は、鼻炎や副鼻腔炎、花粉症などが隠れていることもあります。
5. 飲酒・寝る姿勢・体重管理を見直す
のどのトレーニングだけではなく、飲酒量、仰向け寝、体重増加も見直すことが大切です。
特に飲酒後にいびきが悪化する方は、寝る前の飲酒を控えるだけでも変化が出ることがあります。
いびきが続く場合に確認すべきサイン
いびきが一時的なものであれば、疲労、飲酒、鼻づまり、寝る姿勢などが原因のこともあります。
しかし、次のような場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。
- 毎晩のように大きないびきをかく
- 家族から呼吸が止まっていると言われる
- 朝起きたときに頭痛がある
- 日中の眠気が強い
- 集中力が続かない
- 血圧が高い
- 夜間頻尿がある
- 寝ても疲れが取れない
- パートナーが別室で寝るようになった
このような症状がある場合、「歌えば治る」「喉を鍛えれば大丈夫」と考えず、まずは客観的な検査で睡眠中の呼吸状態を確認することが重要です。
上野いびきクリニックでできること
上野いびきクリニックでは、いびきや睡眠時無呼吸症候群に対して、保険診療と自由診療の両面から診療を行っています。
1. 保険診療による睡眠検査
まず重要なのは、いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群があるかどうかを確認することです。
自宅で行える簡易検査や、必要に応じた精密検査(自宅で可能)により、睡眠中の呼吸状態、酸素低下、無呼吸・低呼吸の程度を評価します。
「自分はいびきだけだと思っていた」という方でも、検査をすると睡眠時無呼吸が見つかることがあります。
2. CPAP治療
中等症〜重症の睡眠時無呼吸症候群では、CPAP治療が標準的な治療選択肢になります。
CPAPは、睡眠中に空気の圧をかけて気道を開き、無呼吸を防ぐ治療です。
日中の眠気、朝の頭痛、熟睡感のなさなどが改善する方もいます。
3. 自由診療によるいびきレーザー治療
軟口蓋や口蓋垂の振動が主な原因と考えられるいびきに対しては、自由診療によるいびきレーザー治療を検討することがあります。
上野いびきクリニックでは、切らないレーザー治療により、軟口蓋周囲の引き締めを目指す治療を行っています。
CPAPの適応外と言われた方、CPAPがどうしても合わない方、いびきの音そのものを改善したい方では、状態に応じて選択肢になります。
いびき・睡眠時無呼吸が気になる方へ
いびきは、軟口蓋や舌の使い方だけでなく、睡眠時無呼吸症候群、鼻づまり、体重、飲酒、顎の骨格などが関係します。
「歌が上手いのにいびきがひどい」
「家族にいびきを指摘された」
「寝ても疲れが取れない」
「日中眠い」
このような方は、まず現在の睡眠状態を確認することが重要です。
上野いびきクリニックでは、保険診療による睡眠時無呼吸の検査・CPAP管理、自由診療によるいびきレーザー治療に対応しています。
まずは現在の睡眠状態を確認し、ご自身に合った選択肢を一緒に考えていきます。
※症状や検査結果により、保険診療・自費診療の適応が異なります。まずは現在の状態を確認することが重要です。
よくある質問
Q. 歌が上手い人はいびきをかきにくいのですか?
A. 歌が上手い人は、舌・軟口蓋・咽頭周囲の使い方がうまく、上気道周囲の筋機能が保たれている可能性があります。そのため、いびきをかきにくい傾向がある可能性はあります。ただし、歌が上手いから絶対にいびきをかかないわけではありません。
Q. カラオケで歌えばいびきは治りますか?
A. 歌うことは、のどや舌を動かす習慣として補助的に役立つ可能性があります。ただし、睡眠時無呼吸症候群がある場合、歌だけで治療することはできません。大きないびきや無呼吸を指摘されている方は、まず検査が必要です。
Q. いびきに関係するのは声帯ですか?
A. いびきの主な発生部位は、声帯よりも上にある軟口蓋、口蓋垂、舌根、咽頭周囲です。声帯だけを鍛えればいびきが改善する、というわけではありません。
Q. のどを鍛えればCPAPをやめられますか?
A. CPAPが必要な睡眠時無呼吸症候群では、自己判断でCPAPを中止するのは危険です。のどや舌のトレーニングは補助的な方法であり、CPAPの代わりになるとは限りません。治療方針は検査結果と医師の判断に基づいて決める必要があります。
Q. 歌が上手いのにいびきがひどいのはなぜですか?
A. いびきには、肥満、飲酒、鼻づまり、顎の骨格、舌根沈下、加齢、睡眠姿勢、睡眠時無呼吸症候群など多くの要因があります。歌が上手くても、睡眠中に気道が狭くなればいびきは起こります。
まとめ|歌が上手い人はいびきをかきにくい可能性はあるが、過信は禁物
歌が上手い人は、舌・軟口蓋・咽頭周囲の筋肉をうまく使っていることが多く、のどの筋機能が保たれている可能性があります。
そのため、「歌が上手い人はいびきをかきにくい」という話には、一定の医学的な背景があると考えられます。
しかし、いびきは筋肉だけで決まるものではありません。
肥満、飲酒、鼻づまり、顎の骨格、舌根沈下、加齢、睡眠姿勢、睡眠時無呼吸症候群など、多くの要因が関係します。
歌や発声練習は補助的なセルフケアとして役立つ可能性がありますが、大きないびきや無呼吸がある場合は、まず睡眠中の呼吸状態を検査することが重要です。
「自分は歌が得意だから大丈夫」と考えず、いびきが続く場合は一度、専門の医療機関で相談してみてください。
参考文献
- Effects of Oropharyngeal Exercises on Patients with Moderate Obstructive Sleep Apnea Syndrome.
- Oropharyngeal Exercises to Reduce Symptoms of OSA after Stroke: A Randomized Controlled Trial.
- Oropharyngeal Exercises for Treatment of Obstructive Sleep Apnea: A Systematic Review and Meta-analysis.
- Singing Exercises Improve Sleepiness and Frequency of Snoring among Snorers: A Randomised Controlled Trial.


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