口臭の原因は口呼吸?睡眠時無呼吸症候群・いびきとの関係を医師が解説
朝起きたときに「口の中がネバネバする」「喉がカラカラに乾いている」「家族から口臭を指摘された」という経験はありませんか?
睡眠中の口臭は、単なる歯磨き不足だけで起こるものではありません。いびきや睡眠時無呼吸症候群に伴う口呼吸によって口腔内が乾燥し、唾液の働きが低下している可能性があります。
唾液には、口の中の汚れや細菌を洗い流す自浄作用や、細菌の増殖を抑える抗菌作用があります。しかし、睡眠中に口を開けたまま呼吸すると唾液が蒸発し、口腔内が乾燥します。
その結果、舌や歯周ポケットなどで細菌が増殖し、口臭の原因となる物質が発生しやすくなります。
また、口呼吸は舌の位置や上気道の状態とも関係し、いびきや睡眠時無呼吸を悪化させる要因になることがあります。
今回は、口呼吸と口臭の関係、睡眠時無呼吸症候群とのつながり、唾液の役割、自宅でできる対策、医療機関を受診すべきサインについて、睡眠医療に携わる専門医師が解説します。
上野いびきクリニックでは、保険診療による睡眠検査・CPAP管理、自費診療によるいびきレーザー治療など、状態に応じた選択肢をご案内しています。ご自身に合う治療を確認したい方は、まずは初診でご相談ください。
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菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、口呼吸、口臭、いびき、睡眠時無呼吸症候群(SAS)との関係について、正しい医療情報をわかりやすく解説しています。
いびきの原因は喉の構造から肥満まで多岐にわたります。上野いびきクリニックでは、特定の治療法に偏ることなく、医学的根拠に基づいた幅広い選択肢から、患者様に最適なプランをご提案できる体制を整えています。
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※当院はいびき治療専門クリニックとして、保険・自由診療の両面から「止まらないいびき」の解決に全力を尽くします。
この記事の目次
- 口呼吸で口臭が強くなるのはなぜ?
- 唾液にはどのような働きがある?
- 口臭の原因となる「揮発性硫黄化合物」とは
- 睡眠中に口呼吸になりやすい原因
- 口呼吸が睡眠時無呼吸を直接起こすの?
- いびきをかく人は口臭が強くなりやすい?
- 朝の口臭がすべて口呼吸によるものとは限らない
- 睡眠時無呼吸症候群と口臭の関係
- 次の症状があれば睡眠時無呼吸の検査を検討
- 睡眠時無呼吸の検査では何が分かる?
- 口呼吸による口臭を改善する方法
- 口閉じテープを使用してもよい?
- CPAP治療で口臭は改善する?
- フルフェイスマスクに変更すれば解決する?
- いびきレーザー治療で口呼吸や口臭は治る?
- 上野いびきクリニックでできること
- 口臭を防ぐために大切なのは「原因を分けて考える」こと
- まとめ
- 関連記事
- よくある質問
口呼吸で口臭が強くなるのはなぜ?

口呼吸による口臭の大きな原因は、口腔内の乾燥によって唾液の働きが低下することです。
通常、口の中では唾液が分泌され、歯や舌、粘膜に付着した食べかすや細菌を洗い流しています。ところが、口を開けたまま呼吸すると、空気が口腔内を通り続けるため、唾液が蒸発しやすくなります。
特に睡眠中は、覚醒時よりも唾液の分泌量が少なくなります。その状態で一晩中口呼吸が続くと、起床時には口の中が強く乾燥し、細菌が増えやすい環境になります。
口呼吸による口臭は、単に「口が乾いて臭う」のではありません。唾液の自浄作用や抗菌作用が弱まり、口臭の原因菌が増殖しやすくなることが本質的な問題です。
唾液にはどのような働きがある?
唾液は食べ物を飲み込みやすくするだけの液体ではありません。口腔内の健康を守るために、さまざまな役割を担っています。
1.口の中を洗い流す自浄作用
唾液には、歯の表面や舌、歯肉などに付着した食べかすや細菌を洗い流す働きがあります。
この働きを自浄作用といいます。唾液が十分に分泌されていれば、口臭の原因となる細菌や汚れが口腔内に停滞しにくくなります。
一方、睡眠中の口呼吸によって口腔内が乾燥すると、この自浄作用が弱まり、舌苔や歯垢がたまりやすくなります。
2.細菌の増殖を抑える抗菌作用
唾液には、細菌の増殖を抑える成分が含まれています。唾液量が減ると抗菌作用も弱くなり、口臭の原因となる細菌が増殖しやすくなります。
特に、舌の奥や歯周ポケットには酸素の少ない環境を好む細菌が存在します。これらの細菌が、口腔内のたんぱく質や剥がれ落ちた粘膜を分解すると、臭いの強いガスが発生します。
3.口腔内の酸を中和する緩衝作用
食事の後や細菌が活動した後には、口腔内が酸性に傾きます。唾液には、この酸を中和して口腔内の環境を整える働きがあります。
口腔内が乾燥して唾液の緩衝作用が低下すると、虫歯や歯周病のリスクが高くなる可能性があります。
4.歯を修復する再石灰化作用
唾液にはカルシウムやリンなどが含まれており、酸によって溶け始めた歯の表面を修復する働きがあります。
口呼吸による乾燥が長く続くと、口臭だけでなく、虫歯や歯の表面の脱灰にも注意が必要です。
口臭の原因となる「揮発性硫黄化合物」とは
口臭の主な原因物質として知られているのが、揮発性硫黄化合物です。英語の頭文字を取って、VSCと呼ばれることもあります。
口腔内の細菌が、食べかす、唾液中のたんぱく質、剥がれ落ちた粘膜細胞などを分解すると、臭いの強い硫黄系のガスが発生します。
代表的なものには、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどがあります。
- 硫化水素:腐った卵に似た臭い
- メチルメルカプタン:腐った野菜や生臭いような臭い
- ジメチルサルファイド:生ごみや海藻に似た臭い
睡眠中に口呼吸が続くと、唾液量が減少して細菌が増えやすくなります。その結果、これらの揮発性硫黄化合物が産生され、起床時の口臭が強くなることがあります。
睡眠中に口呼吸になりやすい原因

口呼吸には、単なる癖だけでなく、鼻や喉の構造、睡眠中の筋肉の緩み、体重増加などが関係しています。
鼻づまり
アレルギー性鼻炎、花粉症、副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症などによって鼻の通りが悪いと、睡眠中に鼻呼吸を維持できず、無意識に口を開けて呼吸するようになります。
日中は鼻呼吸ができていても、横になることで鼻の粘膜が腫れ、夜間だけ口呼吸になる人もいます。
睡眠中の筋肉の緩み
眠ると、舌や喉の周囲を支えている筋肉が緩みます。特に仰向けでは、重力によって舌が喉の奥へ下がりやすくなります。
上気道が狭くなると空気が通りにくくなり、呼吸努力が強くなります。その過程で口が開き、口呼吸やいびきにつながることがあります。
肥満・首周りの脂肪
体重増加によって首や舌の周囲に脂肪がつくと、上気道が狭くなりやすくなります。
気道が狭い状態では、睡眠中の呼吸抵抗が増え、いびきや口呼吸、睡眠時無呼吸を起こしやすくなります。
下顎が小さい・後退している
下顎が小さい方や、顎が後方に位置している方は、舌を収めるスペースが狭く、睡眠中に舌根が後方へ落ち込みやすい傾向があります。
その結果、気道が狭くなり、いびき、口呼吸、睡眠時無呼吸につながることがあります。
加齢による上気道筋の低下
年齢とともに、舌や喉の周囲の筋力は低下します。若い頃はいびきをかかなかった人でも、加齢によって軟口蓋や舌根が落ち込みやすくなり、いびきや口呼吸が始まることがあります。
口呼吸が睡眠時無呼吸を直接起こすの?
医学的には、口呼吸だけが睡眠時無呼吸症候群の直接的な原因とは限りません。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に舌根や軟口蓋、咽頭側壁などが狭くなり、空気の通り道が閉塞することで起こります。
ただし、鼻づまりなどで口呼吸になると、下顎や舌の位置が変化し、上気道が狭くなりやすい場合があります。また、睡眠時無呼吸による強い呼吸努力の結果として、口が開きやすくなることもあります。
つまり、口呼吸と睡眠時無呼吸は一方向の関係ではなく、次のような悪循環を形成する可能性があります。
口呼吸と睡眠時無呼吸の悪循環
鼻づまり・上気道狭窄
↓
口呼吸になる
↓
下顎や舌が後方へ移動しやすくなる
↓
いびき・上気道閉塞が悪化する
↓
強い呼吸努力でさらに口が開く
↓
口腔内が乾燥し、口臭も悪化する
いびきをかく人は口臭が強くなりやすい?
いびきをかく人すべてに口臭があるわけではありません。しかし、いびきの際に口が開いている方は、口腔内が乾燥しやすく、起床時の口臭が強くなる可能性があります。
いびきは、狭くなった気道を空気が通る際に、軟口蓋や口蓋垂、舌根などが振動して起こります。
口を開けて寝る習慣があると、呼吸のたびに乾いた空気が口腔内を通ります。数時間にわたってこの状態が続くため、朝には口の中が強く乾燥し、舌の表面に白色や黄色の舌苔が付着しやすくなります。
特に、次のような症状がある場合は、睡眠中の口呼吸を疑います。
- 朝起きたときに口や喉が強く乾いている
- 枕に唾液の跡がついている
- 家族から口を開けて寝ていると言われる
- 朝の口臭が強い
- 起床時に喉が痛い
- 夜中に水を飲みたくなる
- いびきが大きい
- 睡眠中に呼吸が止まっていると言われる
これらが複数当てはまる場合は、口腔ケアだけでなく、鼻づまりや睡眠時無呼吸症候群の評価も重要です。
朝の口臭がすべて口呼吸によるものとは限らない
朝起きたときの口臭は、睡眠中の口呼吸によって悪化することがあります。しかし、口臭の原因は一つではありません。
歯周病、虫歯、舌苔、唾液分泌の低下、喫煙、飲酒、服用している薬剤、糖尿病など、複数の原因が関係している場合があります。
そのため、口臭が長期間続く場合や、歯肉からの出血、歯のぐらつき、歯の痛みなどがある場合は、睡眠の問題だけでなく、歯科での評価も必要です。
口臭で確認したい主な原因
- 睡眠中の口呼吸
- 歯周病や虫歯
- 舌の表面に付着する舌苔
- 鼻炎や副鼻腔炎による鼻づまり
- 脱水や唾液分泌量の低下
- 喫煙や過度の飲酒
- 唾液を減少させる薬剤
- 糖尿病などの全身疾患
睡眠時無呼吸症候群と口臭の関係
閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に上気道が狭くなったり閉塞したりすることで、無呼吸や低呼吸を繰り返します。
気道が狭くなると、呼吸を維持するための努力が強くなり、口が開きやすくなる場合があります。また、鼻づまりが背景にある方では、睡眠中の口呼吸がさらに起こりやすくなります。
口呼吸が続くと口腔内が乾燥し、唾液の自浄作用や抗菌作用が低下します。その結果、舌や歯周ポケットに細菌が増え、起床時の口臭が強くなる可能性があります。
ただし、睡眠時無呼吸症候群があれば必ず口臭が発生するわけではありません。歯周病や舌苔、口腔衛生、薬剤などの影響も含めて総合的に評価することが重要です。
次の症状があれば睡眠時無呼吸の検査を検討
口臭だけを理由に睡眠時無呼吸症候群と判断することはできません。しかし、口臭や起床時の口腔乾燥に加えて、次の症状がある場合は睡眠検査を検討する必要があります。
- 家族から大きないびきを指摘される
- 睡眠中に呼吸が止まっていると言われる
- あえぐような呼吸やむせ込みがある
- 朝起きたときに口や喉が強く乾いている
- 十分に寝ても疲労感が残る
- 日中に強い眠気がある
- 起床時に頭痛がある
- 夜間に何度も目が覚める
- 夜間頻尿がある
- 高血圧を指摘されている
- 肥満や急激な体重増加がある
「朝の口臭」「口の乾燥」「大きないびき」が重なっている場合は、口腔ケアだけでなく、睡眠中の呼吸状態を一度確認することをおすすめします。
睡眠時無呼吸の検査では何が分かる?
睡眠時無呼吸症候群の検査では、睡眠中に呼吸が止まった回数や呼吸が浅くなった回数、血中酸素濃度の低下、いびき、脈拍などを確認します。
簡易検査
簡易検査は、自宅で機器を装着して睡眠中の呼吸状態を測定する検査です。
主に、鼻や口の気流、いびき、血中酸素濃度、脈拍などを測定し、睡眠時無呼吸症候群の可能性を調べます。
普段と同じ環境で眠りながら検査できるため、入院の必要がなく、比較的負担の少ない方法です。
精密検査
簡易検査だけでは診断が難しい場合や、検査結果と症状が一致しない場合には、より詳細な睡眠検査を行います。
精密検査では、呼吸状態や血中酸素濃度に加えて、脳波、眼球運動、筋電図などを測定し、実際の睡眠時間や睡眠の深さを確認します。
口臭の検査ではありませんが、睡眠中の無呼吸や低呼吸があるかを評価することで、夜間の口呼吸や口腔乾燥の背景を調べる手がかりになります。
口呼吸による口臭を改善する方法
口呼吸による口臭を改善するためには、単にマウスウォッシュで臭いを隠すのではなく、口が開いてしまう原因を確認することが大切です。
1.就寝前と起床後に水分を補給する
脱水状態では唾液の分泌量が低下しやすくなります。就寝前と起床後には適量の水分を取り、口腔内の乾燥を防ぎましょう。
ただし、就寝直前に大量の水分を摂取すると夜間頻尿の原因になるため、少量ずつ補給してください。
2.歯磨きだけでなく舌の汚れも確認する
口臭の原因となる細菌は、歯だけでなく舌の表面にも存在します。特に舌の奥に白色や黄色の舌苔が多く付着している場合は、口臭の原因になることがあります。
舌清掃を行う場合は、舌ブラシなどで強くこすりすぎないことが重要です。過度に刺激すると舌の粘膜を傷つけ、かえって状態を悪化させることがあります。
3.歯周病と虫歯を治療する
歯周病は、持続的な口臭の重要な原因の一つです。歯肉からの出血、歯肉の腫れ、歯のぐらつき、歯周ポケットからの排膿などがある場合は、歯科を受診してください。
口呼吸を改善しても歯周病が残っていれば、口臭が十分に改善しないことがあります。
4.鼻づまりを治療する
鼻が通らなければ、睡眠中に鼻呼吸を維持することは困難です。
アレルギー性鼻炎、花粉症、副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症などが疑われる場合は、原因に応じた治療が必要です。
鼻づまりを放置したまま無理に口を閉じるのではなく、まず鼻呼吸ができる状態を整えることが重要です。
5.寝室の湿度を調整する
空気が乾燥する季節は、口呼吸による口腔乾燥や喉の痛みが悪化しやすくなります。
加湿器などを使用し、寝室が極端に乾燥しないように調整してください。ただし、加湿器は定期的に清掃し、カビや細菌の繁殖を防ぐ必要があります。
6.飲酒を控える
飲酒すると舌や喉の筋肉が緩み、上気道が狭くなりやすくなります。また、アルコールは口腔内の乾燥を悪化させることがあります。
特に大きないびきや睡眠時無呼吸を指摘されている方は、就寝前の飲酒を控えましょう。
7.体重を管理する
肥満がある場合、舌や首周囲への脂肪蓄積によって気道が狭くなることがあります。
適正な体重を目指すことは、いびきや睡眠時無呼吸の改善だけでなく、口呼吸の軽減にもつながる可能性があります。
8.横向きで寝る
仰向けでは舌が喉の奥へ下がりやすく、いびきや睡眠時無呼吸が悪化する場合があります。
横向きで寝ることで気道が広がり、無呼吸やいびきが軽減する方もいます。ただし、重症の睡眠時無呼吸症候群では、寝姿勢の変更だけでは十分な治療にならないことがあります。
口閉じテープを使用してもよい?
市販の口閉じテープは、睡眠中の口の開きを抑える目的で使用されることがあります。
しかし、鼻づまりがある方や、睡眠時無呼吸症候群が疑われる方が、自己判断で口を完全に塞ぐことには注意が必要です。
鼻から十分に呼吸できない状態で口を閉じると、息苦しさや睡眠の中断を招く可能性があります。
口閉じテープを避けた方がよいケース
- 強い鼻づまりがある
- 睡眠中の無呼吸を指摘されている
- 高度の肥満がある
- 飲酒後や睡眠薬服用後である
- 呼吸器疾患がある
- 装着すると息苦しさや動悸が出る
口閉じテープは睡眠時無呼吸症候群そのものを治療するものではありません。大きないびきや無呼吸がある方は、先に睡眠検査を受けてください。
CPAP治療で口臭は改善する?
睡眠時無呼吸症候群があり、無呼吸に伴って口が開いている方では、CPAP治療によって無呼吸や強い呼吸努力が改善し、結果として口呼吸や起床時の乾燥感が軽減する可能性があります。
CPAPは、マスクから一定の圧力を加えた空気を送り、睡眠中の気道の閉塞を防ぐ治療です。
ただし、CPAPを使用している方でも、マスクからの空気漏れや口漏れがあると、口腔内の乾燥が悪化することがあります。
CPAP中に口が乾く主な原因
- 鼻マスク使用中に口が開いている
- マスクのサイズや装着位置が合っていない
- マスクから大量の空気が漏れている
- 加温加湿器の設定が低い
- 鼻づまりがあり、口呼吸になっている
- CPAPの圧設定が状態に合っていない
- 寝室の空気が乾燥している
CPAP使用中の口腔乾燥が強い場合は、自己判断でCPAPを中止せず、医療機関や貸出業者へ相談してください。
加温加湿器の調整、マスクの種類やサイズの変更、鼻症状の治療、空気漏れの確認などによって改善する可能性があります。
CPAPによって口が乾燥する場合は、「CPAPが合わない」のではなく、口漏れ・マスク・加湿・鼻づまりの調整が必要なことがあります。
フルフェイスマスクに変更すれば解決する?
鼻マスク使用中の口漏れが強い場合、鼻と口の両方を覆うフルフェイスマスクが選択されることがあります。
フルフェイスマスクは口呼吸にも対応できますが、すべての方に最適とは限りません。
顔との接触面積が広くなるため、圧迫感、皮膚の発赤、空気漏れなどが起こる場合があります。また、マスクを変更しても鼻づまりや口腔乾燥の原因が残っていれば、症状が続くことがあります。
現在のマスクが合わないと感じる場合は、マスクの種類だけでなく、サイズ、クッションの位置、ヘッドギアの締め付け、加湿設定なども確認してください。
いびきレーザー治療で口呼吸や口臭は治る?
いびきレーザー治療は、軟口蓋や咽頭周囲の組織に熱刺激を加え、組織の引き締めを促す治療です。
軟口蓋の振動やたるみがいびきの主な原因である方では、いびきの軽減が期待できる場合があります。
しかし、口臭そのものを直接治療する方法ではありません。また、鼻づまり、歯周病、舌苔、唾液分泌低下などが口臭の原因であれば、レーザー治療だけでは改善しません。
さらに、重症の睡眠時無呼吸症候群をレーザー治療だけで治そうとすることは適切ではありません。
当院では、原則として睡眠検査を行い、無呼吸の程度や気道の状態を確認したうえで、レーザー治療の適応を判断しています。
上野いびきクリニックでできること
上野いびきクリニックでは、口呼吸、いびき、睡眠時無呼吸症候群が疑われる方に対して、原因や重症度に応じた検査と治療をご案内しています。
睡眠時無呼吸症候群の検査
ご自宅で行える簡易検査や、必要に応じた精密検査をご案内します。
大きないびき、睡眠中の無呼吸、日中の眠気、起床時の口腔乾燥などがある方は、一度睡眠中の呼吸状態を確認することが大切です。
CPAP治療
検査結果からCPAPの適応となる方には、CPAPの導入と継続管理を行います。
治療開始後も、マスクリーク、口腔乾燥、鼻づまり、装着感などを確認し、継続しやすい状態を目指します。
鼻づまりや生活習慣の評価
口呼吸の背景に、鼻炎、体重増加、飲酒習慣、寝姿勢などが関係していないかを確認します。
必要に応じて、鼻症状の治療、体重管理、睡眠環境の改善などを組み合わせます。
適応のある方へのいびきレーザー治療
睡眠検査と診察の結果、軟口蓋や咽頭側壁のたるみがいびきの主な原因と考えられる方には、自由診療のいびきレーザー治療をご案内できる場合があります。
すべてのいびきや睡眠時無呼吸に適応する治療ではないため、事前の評価が重要です。
口臭を防ぐために大切なのは「原因を分けて考える」こと
口呼吸による口腔乾燥は、口臭を悪化させる要因の一つです。
しかし、口臭には歯周病、虫歯、舌苔、唾液分泌の低下、鼻や喉の病気、生活習慣など、多くの原因があります。
そのため、マウスウォッシュや口臭ケア用品だけで臭いを一時的に隠すのではなく、次のように原因を分けて考えることが重要です。
- 歯や歯肉の問題:歯科で評価
- 舌苔や口腔衛生:適切な歯磨き・舌清掃
- 鼻づまり:鼻炎や副鼻腔炎の治療
- 大きないびき・無呼吸:睡眠検査
- CPAP中の乾燥:口漏れ・加湿・マスクを調整
- 体重増加や飲酒:生活習慣を改善
まとめ
睡眠中の口呼吸が続くと、口腔内が乾燥し、唾液による自浄作用や抗菌作用が低下します。
その結果、舌や歯周ポケットで細菌が増殖し、揮発性硫黄化合物が産生されることで、起床時の口臭が強くなることがあります。
また、口呼吸は鼻づまり、舌根沈下、肥満、顎の形、睡眠中の上気道狭窄などと関連し、いびきや睡眠時無呼吸症候群と相互に悪影響を及ぼす場合があります。
朝の口臭に加えて、大きないびき、睡眠中の無呼吸、日中の眠気、起床時の頭痛などがある場合は、口腔ケアだけで済ませず、睡眠検査を検討してください。
一方で、歯周病や虫歯が疑われる場合は歯科での評価も必要です。睡眠医療と歯科医療の両方から原因を確認することが、根本的な改善につながります。
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朝の口臭・口の乾燥・いびきが気になる方へ
上野いびきクリニックでは、保険診療による睡眠検査・CPAP管理に加え、口呼吸やいびきの原因を確認し、鼻症状、体重、寝姿勢、CPAPの口漏れなどを総合的に評価します。検査結果や診察所見に応じて、患者様ごとに適した治療方針をご提案します。
※症状や検査結果によって、歯科や耳鼻咽喉科での評価をご案内する場合があります。
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よくある質問
Q.朝だけ口臭が強いのは口呼吸が原因ですか?
睡眠中の口呼吸による口腔乾燥が原因の一つである可能性があります。ただし、歯周病、虫歯、舌苔、唾液分泌量の低下などでも口臭は起こります。症状が続く場合は、歯科と睡眠医療の両方から評価することが大切です。
Q.口呼吸をすると必ず睡眠時無呼吸になりますか?
口呼吸だけで必ず睡眠時無呼吸症候群になるわけではありません。ただし、鼻づまりや舌の位置、顎の形、肥満などが重なることで気道が狭くなり、いびきや無呼吸が悪化する場合があります。
Q.マウスウォッシュで口臭は治りますか?
一時的に臭いを軽減できる場合はありますが、口呼吸、歯周病、舌苔、鼻づまりなどの原因を治療しなければ、口臭が繰り返す可能性があります。
Q.朝の口の乾燥は睡眠時無呼吸のサインですか?
睡眠時無呼吸症候群で起床時の口腔乾燥がみられることはありますが、乾燥だけでは診断できません。大きないびき、無呼吸、日中の眠気などを伴う場合は、睡眠検査を検討してください。
Q.CPAPを使うと口臭は改善しますか?
睡眠時無呼吸や強い呼吸努力が改善し、口呼吸が減ることで口腔乾燥が軽くなる可能性があります。一方、口漏れや加湿不足があると、CPAP使用中でも口が乾燥することがあります。
Q.CPAPを使うと口が乾く場合はどうすればよいですか?
加温加湿器の設定、マスクリーク、口漏れ、鼻づまり、マスクの種類やサイズを確認します。自己判断で治療を中止せず、医療機関または貸出業者に相談してください。
Q.口閉じテープで睡眠時無呼吸は治せますか?
口閉じテープは睡眠時無呼吸症候群の治療ではありません。鼻づまりや無呼吸がある方が自己判断で口を塞ぐと、息苦しさが悪化する可能性があります。
Q.口臭があれば何科を受診すればよいですか?
歯肉出血、歯の痛み、舌苔などがある場合は、まず歯科での評価が適しています。大きないびき、無呼吸、日中の眠気、起床時の口腔乾燥を伴う場合は、睡眠医療を扱う医療機関にもご相談ください。
口臭の背景に睡眠時無呼吸が隠れていることがあります
朝の口臭や口の乾燥に加えて、大きないびき、無呼吸、日中の眠気がある方は、睡眠中の呼吸状態を一度確認することが大切です。
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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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