パジャマの罠に注意 スウェットなど「いびきに良くない寝るときの服装」を医師が解説
「楽だから」という理由で、毎晩スウェットやジャージのまま眠っていませんか?
いびき対策というと、枕の高さや寝る姿勢、鼻づまりの有無などに目が向きがちですが、実は寝るときの服装も、睡眠中の呼吸に影響を与える可能性があります。
特に、首回りを締め付けるスウェットの襟元や、厚手で伸縮性の少ないジャージ素材は、寝返りのしにくさや体温調節のしづらさにつながり、結果的にいびきを悪化させる一因になっているケースがあります。「動きやすくて楽だから」と選んだ服装が、実は睡眠の質やいびきにとって”罠”になっている——これが今回のテーマである「パジャマの罠」です。
今回は、いびきに良くない寝るときの服装の特徴、なぜ服装が睡眠中の呼吸に影響するのか、いびき対策として適した寝間着の選び方について、睡眠医療に携わる専門医師が解説します。
結論:この記事の要点
厚手のスウェットや首元・ウエストを締め付ける服装は、①寝返りを打ちにくくして仰向け姿勢が続きやすくなる、②体温調節がうまくいかず睡眠が浅くなる、③首や腹部への圧迫感で呼吸がしづらくなる、という3つの経路でいびきを悪化させる間接的な要因になり得ます。締め付けの少ない通気性の良いパジャマに変えることで、寝返りや体温調節がしやすくなり、いびきの軽減が期待できる場合があります。ただし、服装を見直しても大きないびきや無呼吸が続く場合は、睡眠時無呼吸症候群の検査を検討してください。
上野いびきクリニックでは、保険診療による睡眠検査・CPAP管理、自費診療によるいびきレーザー治療など、状態に応じた選択肢をご案内しています。ご自身に合う治療を確認したい方は、まずは初診でご相談ください。
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院長監修記事
菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、寝るときの服装(スウェット・ジャージ・パジャマなど)が気道の状態や睡眠の質、いびきに与える影響について、正しい医療情報をわかりやすく解説しています。
いびきの原因は喉の構造から肥満まで多岐にわたります。上野いびきクリニックでは、特定の治療法に偏ることなく、医学的根拠に基づいた幅広い選択肢から、患者様に最適なプランをご提案できる体制を整えています。
保険診療でしっかり検査・継続治療
- 簡易検査・PSG検査:睡眠の状態を精密に分析
- CPAP治療:中等症〜重症の無呼吸への標準治療
自由診療で根本改善・短期集中
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※当院はいびき治療専門クリニックとして、保険・自由診療の両面から「止まらないいびき」の解決に全力を尽くします。
この記事の目次
寝るときの服装が「いびきの原因」になり得る理由

いびきは、睡眠中に上気道(鼻から喉にかけての空気の通り道)が狭くなり、そこを空気が通過する際に軟口蓋や口蓋垂、舌根などの組織が振動することで生じます。
寝るときの服装がいびきに影響するとすれば、そのメカニズムは主に次の3つに整理できます。
- 首回りの締め付けによる圧迫感
- 寝返りのしにくさによる仰向け姿勢の固定化
- 体温調節がうまくいかないことによる睡眠の質低下
服装そのものがいびきの直接的な原因になるというより、寝返りのしにくさや体温調節の乱れを介して、いびきを悪化させる「間接的な要因」として働くと考えられています。枕や寝る姿勢ほど大きな影響ではなくても、毎晩の積み重ねとして睡眠の質に関わってきます。
いびきに良くない寝るときの服装の特徴
1.首元を締め付けるスウェット・タートルネック
厚手のスウェットや、首元にフィットするハイネック・タートルネックのデザインは、着用時に喉元や首回りに圧迫感を与えることがあります。
医学的には、首の太さ(頸部周囲径)が上気道の狭さと関連することが知られており、目安として女性で首回り約40cm、男性で約43cmを超えると、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まるとされています。これは主に首まわりの脂肪組織による気道の圧迫が関係しています。
衣類による物理的な締め付けそのものが、この頸部周囲径とまったく同じ影響を持つと証明されているわけではありません。しかし、首元がきつい服装は寝苦しさにつながりやすく、無意識に顎を引いた姿勢で眠ったり、寝返りを避けたりする原因になる可能性があります。
2.厚手で伸縮性の少ないジャージ・スウェット素材
ジャージやスウェットのような厚手で伸縮性の少ない素材は、体にフィットしやすく、寝返りを打ちにくくする傾向があります。
睡眠中、体は一晩に何度も寝返りを打ちながら姿勢を変えています。しかし、体にまとわりつく厚手の服を着ていると寝返りが打ちにくくなり、結果として仰向けの姿勢が長時間続きやすくなります。
仰向けで眠ると、重力によって舌根が喉の奥へ落ち込みやすくなり、上気道が狭くなることでいびきが悪化しやすいことが知られています。つまり、素材による寝返りのしにくさが、間接的にいびきを悪化させている可能性があるのです。
3.ウエストやお腹周りを締め付けるボトムス
ゴムがきついスウェットパンツや、ウエスト部分が体に食い込むレギンス・タイツなどは、腹部を圧迫することがあります。
睡眠中は、胸の動きだけでなく横隔膜を使った腹式呼吸の占める割合が高くなります。お腹周りが強く締め付けられていると横隔膜が動きにくくなり、呼吸が浅くなる可能性があります。
4.通気性の悪い化学繊維素材
ポリエステルなどの化学繊維を使った厚手の部屋着は、吸湿性・通気性に乏しく、就寝中に熱や汗がこもりやすい傾向があります。
体温がうまく放散されないと、寝苦しさから中途覚醒が増えたり、睡眠が浅くなったりすることがあります。眠りが浅い状態が続くと、喉や舌の周囲の筋肉の緊張が変動しやすく、いびきが不安定になりやすいと考えられています。
5.靴下の重ね履きなど過度な保温
「冷え対策」として靴下を重ね履きしたり、厚着をしすぎたりすることも、就寝中の体温調節を妨げる要因になります。
人は入眠時に手足の血管を広げて熱を放散し、深部体温を下げることで深い眠りに入っていきます。過度な保温はこの体温低下を妨げ、寝つきの悪化や睡眠の質低下につながる可能性があります。
「パジャマの罠」チェックリスト
次のような服装で眠っている方は、知らないうちに「パジャマの罠」にはまっているかもしれません。
- スウェットやジャージをそのままパジャマ代わりにしている
- 首元がフィットするタートルネックやハイネックを着て寝ている
- ゴムがきついスウェットパンツやレギンスで寝ている
- ポリエステル素材など化学繊維の部屋着をそのまま着用している
- 「冷え性だから」と靴下を重ね履きして寝ている
- 朝起きると寝間着が汗でじっとり湿っている
- 寝返りを打った記憶がほとんどない
- 厚着をした日ほどいびきが大きいと家族に指摘される
複数当てはまる方は、寝る前の服装を一度見直してみることをおすすめします。
服装を見直してもいびきが改善しない場合に考えられること
服装の見直しは、あくまで生活習慣レベルでの対策の一つです。首元やウエストにゆとりのある服に変えても、いびきや息苦しさが続く場合は、服装以外の要因が関係している可能性があります。
肥満による首や喉周囲への脂肪沈着、鼻づまり、扁桃肥大、舌根沈下、下顎の形、加齢による上気道筋の低下など、いびきの背景にはさまざまな要因が存在します。
「服装を変えてもいびきが変わらない」「大きないびきや無呼吸を指摘されている」という場合は、衣類の問題だけでなく、睡眠時無呼吸症候群の可能性も含めて評価することが大切です。
次の症状があれば睡眠時無呼吸の検査を検討

服装の見直しに加えて、次のような症状がある場合は睡眠検査を検討する必要があります。
- 家族から大きないびきを指摘される
- 睡眠中に呼吸が止まっていると言われる
- あえぐような呼吸やむせ込みがある
- 朝起きたときに口や喉が強く乾いている
- 十分に寝ても疲労感が残る
- 日中に強い眠気がある
- 起床時に頭痛がある
- 夜間に何度も目が覚める
- 夜間頻尿がある
- 高血圧を指摘されている
- 肥満や急激な体重増加がある
いびき対策に適した寝るときの服装

1.締め付けの少ないゆったりしたデザイン
首元、袖口、ウエストにゴムや生地の余裕があるデザインを選びましょう。締め付けが少ないことで、就寝中の圧迫感を減らし、自然な寝返りを妨げにくくなります。
2.通気性・吸湿性に優れた天然素材(綿・麻・シルクなど)
綿や麻、シルクなどの天然素材は、汗を吸収しながら熱をこもらせにくい特性があります。化学繊維主体の厚手素材と比べて、就寝中の体温調節がしやすくなります。
3.伸縮性のある生地で寝返りを妨げない
パジャマ用に作られた生地は、横向きや仰向けなど姿勢が変わっても動きやすいよう、適度な伸縮性を持たせて作られていることが一般的です。厚手のジャージ素材と比べ、寝返りを打ちやすくなります。
4.季節に応じた素材選びで体温調節をサポート
冬は保温性、夏は吸湿性・速乾性を重視するなど、季節に応じて素材を使い分けることで、寝室の温度環境に依存しすぎずに体温調節をサポートできます。厚着で無理に暖を取るより、適切な素材選びの方が体温調節の面では有利です。
上野いびきクリニックでできること
上野いびきクリニックでは、いびきの原因や重症度に応じた検査と治療をご案内しています。服装や生活習慣の見直しだけでは改善しない場合も、医学的な評価に基づいて次の一手をご提案します。
睡眠時無呼吸症候群の検査
ご自宅で行える簡易検査や、必要に応じた精密検査をご案内します。
大きないびき、睡眠中の無呼吸、日中の眠気などがある方は、一度睡眠中の呼吸状態を確認することが大切です。
CPAP治療
検査結果からCPAPの適応となる方には、CPAPの導入と継続管理を行います。マスクの装着感や乾燥感なども確認しながら、継続しやすい状態を目指します。
生活習慣・寝具・服装を含めた総合的な評価
いびきの背景に、肥満、飲酒習慣、寝姿勢、寝具、そして今回取り上げた寝るときの服装などが関係していないかを確認します。必要に応じて、生活習慣の改善提案も行います。
適応のある方へのいびきレーザー治療
睡眠検査と診察の結果、軟口蓋や咽頭側壁のたるみがいびきの主な原因と考えられる方には、自由診療のいびきレーザー治療をご案内できる場合があります。すべてのいびきに適応する治療ではないため、事前の評価が重要です。
まとめ
厚手のスウェットや、首元・ウエストを締め付ける服装は、①寝返りを打ちにくくして仰向け姿勢が続きやすくなる、②体温調節がうまくいかず睡眠が浅くなる、③首や腹部への圧迫感で呼吸がしづらくなる、という経路を通じて、いびきを悪化させる間接的な要因になり得ます。
「楽だから」「動きやすいから」という理由でスウェットやジャージのまま眠っている方は、締め付けの少ない通気性の良いパジャマに変えることで、寝返りや体温調節がしやすくなり、いびきの軽減が期待できる場合があります。
一方で、服装を見直してもいびきや無呼吸が改善しない場合は、衣類だけの問題ではなく、肥満、鼻づまり、扁桃肥大、舌根沈下といった別の要因が関係している可能性があります。大きないびきや無呼吸、日中の眠気などを伴う場合は、睡眠検査を検討してください。
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服装を見直してもいびきが気になる方へ
上野いびきクリニックでは、保険診療による睡眠検査・CPAP管理に加え、生活習慣や寝具、寝るときの服装まで含めて総合的に評価します。検査結果や診察所見に応じて、患者様ごとに適した治療方針をご提案します。
※症状や検査結果によって、耳鼻咽喉科など他科での評価をご案内する場合があります。
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よくある質問
Q.スウェットで寝るといびきが悪化しますか?
厚手のスウェットは寝返りを打ちにくくし、仰向け姿勢が続きやすくなることで、いびきが悪化する場合があります。ただし、体質や気道の状態によって影響の程度は異なります。
Q.首元がきつい服はいびきに影響しますか?
首回りの圧迫感が寝苦しさにつながり、無意識に顎を引いた姿勢になるなど、間接的にいびきに影響する可能性があります。首元にゆとりのある服装をおすすめします。
Q.靴下を履いて寝るのは良くないですか?
過度な保温は入眠時の体温低下を妨げ、睡眠が浅くなる原因になることがあります。冷え対策が必要な場合は、締め付けの少ない靴下を選び、重ね履きは控えめにしましょう。
Q.パジャマとルームウェアの違いは何ですか?
パジャマは睡眠を目的として、伸縮性や通気性、寝返りのしやすさを考慮して作られています。一方、ルームウェアは日中の着心地を重視して作られていることが多く、必ずしも就寝に適した設計とは限りません。
Q.服装を見直してもいびきが改善しない場合は?
肥満、鼻づまり、扁桃肥大、舌根沈下、加齢による筋力低下など、服装以外の要因が関係している可能性があります。大きないびきや無呼吸を指摘されている場合は、睡眠検査を検討してください。
Q.子どもや高齢者も服装に注意が必要ですか?
子どもや高齢者も、締め付けの強い服装や過度な厚着によって睡眠の質が影響を受ける可能性があります。特に高齢者は上気道の筋力が低下しやすいため、締め付けの少ない服装を選ぶことをおすすめします。
寝るときの服装を見直してもいびきが続く方へ
大きないびきや無呼吸、日中の眠気がある方は、服装や生活習慣の見直しだけでなく、睡眠中の呼吸状態を一度確認することが大切です。
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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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