全身麻酔と睡眠時無呼吸|いびきを指摘されたら手術前に申告を。術後に悪化しやすい理由を麻酔科医が解説
手術が決まり、全身麻酔の説明を受けたとき、「いびきをかく」「睡眠時無呼吸症候群と言われたことがある」と、きちんと伝えられていますか。
全身麻酔中は、麻酔科医が気道を確保して呼吸を管理するため、睡眠中のような無呼吸が術中に続くことは通常ありません。しかし、麻酔の導入・抜管のとき、そして術後の回復期には、いびきや睡眠時無呼吸のある方で注意が必要な場面があります。特に、術後に無呼吸が悪化しやすいことが報告されており、事前に伝えておくことが安全につながります。
この記事では、2万症例以上の全身麻酔を経験した麻酔科医であり、上野いびきクリニック院長の菅谷が、全身麻酔と睡眠時無呼吸の関係、術後の呼吸のリスク、申告すべき内容と準備を、ガイドラインと研究報告にもとづいて解説します。胃カメラ・大腸カメラの静脈麻酔(鎮静)ではなく、全身麻酔・気道管理・術後の呼吸に絞った内容です。
結論:この記事の要点
睡眠時無呼吸症候群と診断されている方、いびきや「呼吸が止まっている」と指摘されている方は、全身麻酔を受ける前に、必ず麻酔科医・主治医に申告してください。術中は気道を確保して呼吸を管理するため、睡眠中のような無呼吸が術中に続くことは通常ありませんが、麻酔の導入時(マスクでの換気や挿管)と抜管時は注意が必要です。さらに、術後は無呼吸が悪化しやすく、手術後3日目前後に無呼吸・低呼吸の回数が増えたという報告があります。鎮痛薬(オピオイド)や睡眠薬の影響、睡眠の質の変化、仰向けでの安静などが重なるためです。申告しておけば、麻酔の方法や鎮痛薬の選択、術後の酸素のモニタリング、CPAPの持ち込みなどを事前に相談できます。CPAPを使っている方は、本体とマスクを持参できるかも確認しておきましょう。
上野いびきクリニックでは、いびきや睡眠時無呼吸症候群の検査(自宅で受けられる簡易検査、保険診療のPSG検査)と、保険診療でのCPAP治療・管理に対応しています。手術を控えていて、いびきや呼吸の停止が心配な方もご相談ください。
上野いびきクリニックの検査・治療内容はこちら
【ご注意】いびき・無呼吸の治療には、睡眠検査が必要です
一部の自由診療のみのクリニックや美容系クリニックでは検査を行っていない可能性があります。治療前に睡眠検査を実施するか、必要な検査を受けられる医療機関へ紹介する体制があるか、確認してください。
いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていると、検査をせずに治療を始めた場合、見逃されるおそれがあります。
菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は麻酔科医でもある院長 菅谷和之が、全身麻酔を受ける際に睡眠時無呼吸・いびきを申告すべき理由と、術後の呼吸のリスクについて、ガイドラインと研究報告にもとづいて解説しています。
上野いびきクリニックでは、いびきや睡眠時無呼吸が疑われる方の検査として、簡易検査・PSG検査を自宅で行い、結果に応じた治療の方針をご提案しています。
保険診療でしっかり検査・継続治療
- 簡易検査:自宅でできる無呼吸のスクリーニング
- PSG検査:脳波を含めて評価できる精密検査(自宅で実施)
- CPAP治療:保険適応基準を満たす無呼吸への標準治療
自由診療でいびき・生活習慣へアプローチ
- いびきレーザー治療:検査で単純性いびきと確認された方に
- 医療ダイエット:体重増加が要因の場合の選択肢としても
※手術の時期や麻酔の方法は、手術を行う医療機関の主治医・麻酔科医が判断します。
📋 この記事でわかること
- 全身麻酔を受けるとき、いびき・睡眠時無呼吸は必ず申告を
- なぜ申告が必要なのか|全身麻酔の流れとリスクの場面
- 研究とガイドラインでわかっていること
- 術後に無呼吸が悪化しやすい理由
- 麻酔科医に伝えること・準備すること
- 「診断はされていないが、いびきを指摘されている」場合
- 手術前に検査を受けるべきか
全身麻酔を受けるとき、いびき・睡眠時無呼吸は必ず申告を

次のいずれかに当てはまる方は、手術前の問診や麻酔科の診察で、必ず伝えてください。
- 睡眠時無呼吸症候群と診断されている(CPAPを使っている・使っていない問わず)
- 家族やパートナーから、大きないびきや「呼吸が止まっている」と言われたことがある
- 日中の強い眠気、起床時の頭痛、熟睡感のなさがある
- 睡眠時無呼吸の検査を勧められたが、受けていない
- 過去の全身麻酔や鎮静で、呼吸が浅くなった、覚めにくかった、と言われたことがある
「手術とは関係ない」と思って省略されがちですが、麻酔科医にとっては重要な情報です。申告することで、麻酔の準備、術中の管理、術後の鎮痛とモニタリングの計画に反映できます。診断されていない方でも、「いびきを指摘されている」という情報だけで、手術前の評価の対象になります。
なぜ申告が必要なのか|全身麻酔の流れとリスクの場面
全身麻酔では、麻酔薬や筋弛緩薬で眠った状態になり、自分で呼吸する力が弱まるため、麻酔科医が気道を確保し、必要に応じて人工呼吸を行います。ここまでの管理は、睡眠時無呼吸のない方にも共通です。そのうえで、睡眠時無呼吸のある方で注意が必要になる場面を、麻酔の流れに沿って整理します。
| 場面 | 睡眠時無呼吸のある方で注意が必要な理由 | 主な対応(一例) |
|---|---|---|
| 麻酔の導入(眠るとき) | のどの周りの筋肉がゆるみ、気道が塞がりやすい。口と鼻を覆うマスクでの換気(バッグマスク換気)が難しくなることがある | 難しい気道を想定した準備(器具の準備、人手の確保など) |
| 術中(気道確保後) | 気管チューブなどで気道が確保されるため、睡眠中のような無呼吸が術中に続くことは通常ない。ただし、麻酔薬・鎮痛薬への感受性が高いとされる | 薬の種類や量を、術後の呼吸抑制も見すえて調整する |
| 抜管・覚醒(目が覚めるとき) | 気道を確保していたチューブを抜くと、再び気道が塞がりやすい。薬の効果が残っていると、呼吸が浅くなる | 筋弛緩薬の効果がなくなったことを確認し、十分に覚醒してから抜管する。体位の工夫 |
| 回復室 | 麻酔の影響が残り、眠りやすい状態。いびき・無呼吸が出やすい | 酸素飽和度のモニタリング。呼びかけと観察 |
| 病棟(術後の夜) | 鎮痛薬や睡眠薬、睡眠不足の影響で、眠っているときに無呼吸が増えることがある | モニタリング、鎮痛薬の工夫、CPAPの使用、体位の調整 |
このように、「術中は気道を確保して呼吸を管理するから問題は起こりにくい」一方で、導入・抜管・術後に、事前の情報と準備が安全に直結します。
研究とガイドラインでわかっていること
| 出典 | 内容 | わかったこと | 読むときの注意 |
|---|---|---|---|
| Kheterpalら(Anesthesiology, 2006) | 全身麻酔の22,660例で、マスク換気の難しさと、その予測因子を調べた前向き観察研究 | マスク換気が難しい例は1.4%、不可能な例は0.16%。難しさの独立した予測因子として、睡眠時無呼吸(オッズ比2.4)、男性(2.4)、マラムパチ分類III/IV(2.0)、あごひげ(1.8)、頸部への放射線治療歴(7.1)が挙げられた | 大半の例では、麻酔科医が対応できる範囲。1施設の研究 |
| Roggenbachら(Patient Saf Surg, 2014) | 睡眠時無呼吸の診断がない37人の、大きな腹部・泌尿器の手術。手術前と術後1〜3日目の夜に、簡易な呼吸検査を実施 | AHIの中央値は、手術前6.0、術後3日目16.9(手術前との差は有意)。術後1日目・2日目は、有意な変化なし | 患者数が少なく、検査を受けられた人数も夜によって異なる。1施設の研究 |
| Chungら(CHEST, 2017) | 睡眠時無呼吸が未診断の123人を、術後3夜の酸素投与の有無で比較したランダム化試験 | 術後3日目の夜のAHIの中央値は、酸素なしで15.6、酸素ありで8.0。一方、酸素ありの患者を中心に、二酸化炭素がたまる例(約11%)も報告された | 酸素投与だけで安全とは言えず、モニタリングが大切とされた |
| 米国麻酔科学会(ASA)の診療ガイドライン(2014年改訂) | 睡眠時無呼吸のある患者の、周術期管理に関する推奨 | 術前の評価と準備、麻酔の方法・薬の選択、術後のモニタリングや鎮痛、CPAPの継続などについて推奨が示されている(下の表) | 米国のガイドライン。国内の運用は施設によって異なる |
ASAのガイドラインで示されている主な考え方は、次のとおりです。
| 時期 | 主な推奨の内容(要約) |
|---|---|
| 手術前 | 睡眠時無呼吸が疑われる場合、早めに評価を始める。必要に応じて、術前にCPAPの開始を検討する。難しい気道に備える。入院と日帰りのどちらで行うかを、事前に決める |
| 術中 | 鎮静薬、オピオイド、吸入麻酔薬への感受性に配慮して薬を選ぶ。体表の手術などでは、局所麻酔や神経ブロックを検討する。深い鎮静より、気道を確保した全身麻酔が望ましいとされる場面がある。覚醒してから抜管する |
| 術後 | 全身に作用する鎮痛薬(オピオイド)を減らす工夫をする。仰向けを避けた体位をとる。自宅でCPAPを使っている人は、術後もCPAPを継続する(本人の機器の使用も可)。酸素飽和度の連続的なモニタリングを行う。呼吸の抑制のおそれがなくなるまで、退院させない |
これらの推奨は、「申告があって初めて」計画に反映できるものです。
術後に無呼吸が悪化しやすい理由
術後に無呼吸が悪化しやすい理由として、次のような要因が考えられています。複数が重なることが特徴です。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 鎮痛薬(オピオイド) | 強い痛み止めは、呼吸の働きを弱め、眠気を強める。睡眠中の無呼吸が増えるおそれがある |
| 睡眠薬・鎮静薬 | 筋肉のゆるみや、呼吸への刺激の低下につながり、気道が塞がりやすくなる |
| 麻酔薬・筋弛緩薬の残り | 覚醒後も、のどの筋肉の働きが弱い状態が残ることがある |
| 睡眠の質の変化 | 手術直後は眠りが浅く細切れになり、数日後に深い眠りやレム睡眠が戻ってくる時期に、無呼吸が増えることがある(研究では3日目前後にAHIが増えた) |
| 仰向けでの安静 | 仰向けは舌や軟らかい部分が落ち込みやすく、気道が塞がりやすい |
| 痛み・点滴・体液の変化 | 痛みによる呼吸の浅さ、点滴によるむくみなど、のどの周りの状態にも影響しうる |
| 酸素投与の影響 | 酸素を投与すると血中の酸素は保たれやすいが、無呼吸が見えにくくなったり、二酸化炭素がたまるのを見逃したりするおそれがある |
なお、術後の無呼吸の悪化は、すべての方に起こるわけではなく、手術の大きさ、使う薬、病気の重症度などにより異なります。一方で、術後3日目前後に悪化しやすいという報告があるため、術後数日間は、病院でのモニタリングや、退院後の自宅での注意が必要です。
術後に注意したいサイン
・眠っているときに、大きないびきとともに、呼吸が止まる・息が詰まる様子がある
・起こしても反応が鈍い、強い眠気が続く
・唇や顔色が悪い、息苦しさを訴える
これらがあるときは、すぐに医療スタッフ(退院後は医療機関・救急)に連絡してください。ご家族にも、術後の最初の夜から数日間は、睡眠中の呼吸を気にかけてもらいましょう。
麻酔科医に伝えること・準備すること

| 伝えること | 内容の例 |
|---|---|
| 診断の有無・重症度 | 睡眠時無呼吸症候群と診断されているか。AHIや重症度(検査結果の紙があればコピーを持参) |
| CPAPの使用状況 | 使っているか、機種、マスクの種類、設定圧、使用頻度。入院中にCPAPを持ち込めるかを確認する |
| いびき・呼吸停止の指摘 | いつから、どのくらい。家族に指摘された内容 |
| 日中の症状 | 強い眠気、朝の頭痛、熟睡感のなさ、運転中の眠気 |
| 薬・お酒 | 睡眠薬、安定剤、痛み止め、アルコールの習慣(術後に追加で使う薬との組み合わせに関わる) |
| 過去の麻酔・鎮静の経験 | 全身麻酔後の覚めにくさ、呼吸が浅くなった経験など |
| その他の病気 | 高血圧、心臓の病気、肥満、糖尿病、喘息など |
CPAPを使っている方は、手術前に病院へ、次のことを確認しておくと安心です。
- 入院時にCPAP本体とマスクを持参してよいか
- 回復室や病棟で、CPAPを使える体制があるか
- 日帰り手術の場合は、術後すぐにCPAPが必要になるか
持参する場合は、本体、マスク、チューブ、電源コード、加湿器の水(病院の指示による)を忘れずに準備してください。手術の前夜から使う習慣がある方は、普段どおりに使えるか確認しましょう。CPAPの基本は、CPAPの使い方もご覧ください。
「診断はされていないが、いびきを指摘されている」場合
睡眠時無呼吸は、診断を受けていない方が多いといわれ、手術を受ける人の中にも、気づかないまま過ごしている方がいます。手術前の問診では、次のような項目で、可能性を確認することがあります(STOP-Bangなどの質問票)。
| 質問の視点 | 内容 |
|---|---|
| Snoring(いびき) | 大きないびきがあるか |
| Tired(疲れ・眠気) | 日中に疲れや眠気を感じるか |
| Observed(観察された無呼吸) | 睡眠中に、呼吸が止まっていると言われたか |
| Pressure(血圧) | 高血圧があるか、治療を受けているか |
| BMI・Age・Neck・Gender | BMIが高い、50歳以上、首まわりが太い、男性か |
これらの質問票は、睡眠時無呼吸の可能性をふるいにかける目安であり、診断ではありません。該当する項目が多いときは、麻酔科医が術後の観察を手厚くしたり、手術前の検査を勧めたりすることがあります。「いびきを指摘されているだけだから」と控えめに答えず、正直に伝えてください。
手術前に検査を受けるべきか

手術の時期が決まっている場合、睡眠時無呼吸の検査や治療を手術前に行うべきかは、手術の緊急性、病気の重さ、麻酔の方法などにより異なります。ASAのガイドラインでも、重症の場合にCPAPの開始を検討すること、手術の担当医と麻酔科医が相談して決めることが示されています。
- 手術の日程の変更が必要かどうかは、手術を行う病院の主治医・麻酔科医が判断します。自分で手術を延期しないでください。
- 手術まで時間があり、いびきや無呼吸が心配な場合は、睡眠の検査(簡易検査・PSG検査)を受けて、結果を病院に伝えることが役に立ちます。
- すでに診断されている方は、定期的にCPAPを使い、使用状況を主治医・麻酔科医に伝えてください。
いびき・無呼吸の治療前に、睡眠検査の確認を
一部の自由診療のみのクリニックや美容系クリニックでは、検査を行っていない可能性があります。治療前に睡眠検査を実施するか、必要な検査を受けられる医療機関へ紹介する体制があるか、確認してください。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
上野いびきクリニックでできること
上野いびきクリニックは、いびき・睡眠時無呼吸症候群を専門とする「睡眠障害内科」です。院長は、麻酔科医として2万症例以上の全身麻酔に携わってきました。簡易検査・PSG検査(どちらも自宅で実施可能)で睡眠時無呼吸の有無や重症度を確認し、必要な方には保険診療のCPAP治療・管理を行っています。検査の種類は、いびき・無呼吸の検査の記事で解説しています。
「手術を控えているが、いびきが心配」「睡眠時無呼吸と言われたことがあるが、検査を受けていない」という方も、ご相談ください。なお、手術の時期や麻酔の方法は、手術を行う医療機関の主治医・麻酔科医が判断します。
まとめ|全身麻酔の前に、いびき・睡眠時無呼吸は必ず申告を
全身麻酔中は、麻酔科医が気道を確保して呼吸を管理するため、睡眠中のような無呼吸が術中に続くことは通常ありません。しかし、麻酔の導入時と抜管時、そして術後の回復期には、睡眠時無呼吸のある方で注意が必要な場面があります。特に、術後は鎮痛薬や睡眠の変化などにより無呼吸が悪化しやすく、手術後3日目前後に増えたという報告もあります。
睡眠時無呼吸と診断されている方、いびきや呼吸の停止を指摘されている方は、全身麻酔を受ける前に、必ず麻酔科医・主治医に申告してください。CPAPを使っている方は、持参できるかも確認しましょう。事前に伝えておくことが、麻酔と術後の安全につながります。
参考情報
- American Society of Anesthesiologists Task Force on Perioperative Management of Patients with Obstructive Sleep Apnea. Practice guidelines for the perioperative management of patients with obstructive sleep apnea: an updated report. Anesthesiology. 2014;120(2):268-286.
- Kheterpal S, Han R, Tremper KK, et al. Incidence and predictors of difficult and impossible mask ventilation. Anesthesiology. 2006;105(5):885-891.
- Roggenbach J, Saur P, Hofer S, et al. Incidence of perioperative sleep-disordered breathing in patients undergoing major surgery: a prospective cohort study. Patient Safety in Surgery. 2014.
- Chung F, et al. 睡眠時無呼吸の患者における術後酸素投与のランダム化試験. CHEST. 2017;151(3):597-611.
- Chung F, Yegneswaran B, Liao P, et al. STOP questionnaire: a tool to screen patients for obstructive sleep apnea. Anesthesiology. 2008;108(5):812-821.
- Centre for Perioperative Care (CPOC). Perioperative management of obstructive sleep apnoea in adults(2025年3月更新).
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よくある質問
Q.自由診療のみのクリニックや美容系クリニックで、いびきの治療を受けても大丈夫ですか?
一部の自由診療のみのクリニックや美容系クリニックでは検査を行っていない可能性があります。治療前に睡眠検査を実施するか、必要な検査を受けられる医療機関へ紹介する体制があるか、確認してください。いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていると、検査をせずに治療を始めた場合、見逃されるおそれがあります。まず、睡眠検査(簡易検査やPSG検査)を受けられる医療機関で、状態を確認することをおすすめします。検査の詳しい内容は、いびき・無呼吸の検査の記事をご覧ください。
Q.全身麻酔中に、睡眠時無呼吸の症状が出ますか?
全身麻酔中は、麻酔科医が気道を確保し、必要に応じて人工呼吸を行うため、睡眠中のような無呼吸が術中に続くことは通常ありません。ただし、麻酔の導入時(マスクでの換気・挿管)と抜管時は、睡眠時無呼吸のある方で注意が必要です。
Q.いびきをかくだけでも、手術前に申告したほうがいいですか?
はい、申告をお勧めします。いびきは睡眠時無呼吸のサインのことがあり、診断を受けていない方も少なくありません。麻酔科医が、術後の観察や鎮痛薬の選択を計画する際に役立ちます。
Q.術後に無呼吸が悪化するのはなぜですか?
鎮痛薬(オピオイド)や睡眠薬の影響、麻酔薬の残り、睡眠の質の変化、仰向けでの安静などが重なるためと考えられています。研究では、手術後3日目前後に、無呼吸・低呼吸の回数が増えたという報告があります。個人差があります。
Q.CPAPを使っています。入院や手術のときも持っていくべきですか?
多くの場合は持参を検討します。ASAのガイドラインでも、術後もCPAPを継続すること、自分の機器を使うと使いやすい場合があることが示されています。病院によって運用が異なるため、手術前に、持参してよいか、回復室や病棟で使えるかを確認してください。
Q.手術前に、睡眠時無呼吸の検査は必要ですか?
必要かどうかは、手術の内容、緊急性、症状の程度などによって異なります。いびきや呼吸停止の指摘、日中の強い眠気がある場合は、手術を行う病院の主治医・麻酔科医に相談してください。手術まで時間があれば、検査を受けて結果を伝えることが役に立ちます。
Q.睡眠時無呼吸があると、手術を断られたり延期になったりしますか?
睡眠時無呼吸があるからといって、手術ができないわけではありません。多くの場合は、麻酔や術後管理の工夫で対応します。重症で治療を受けていない場合などは、手術前の治療の開始を検討することがあります。判断は、手術を行う病院の医師が行います。
Q.日帰り手術でも、申告は必要ですか?
必要です。日帰り手術では、帰宅後の最初の夜に、鎮痛薬や睡眠薬の影響が出ることがあります。睡眠時無呼吸がある場合は、日帰りが適しているか、帰宅後の注意点などを事前に確認してください。
Q.術後の痛み止めや睡眠薬で、気をつけることはありますか?
強い痛み止め(オピオイド)や睡眠薬は、睡眠時無呼吸のある方では、呼吸を弱める可能性があります。種類や量は麻酔科医・主治医が調整しますが、睡眠時無呼吸があることを伝えたうえで、処方された薬は指示どおりに使い、自己判断でお酒や市販の睡眠薬を併用しないでください。
Q.家族として、術後に気をつけることはありますか?
術後の最初の夜から数日間は、睡眠中の呼吸に注意してください。大きないびきとともに呼吸が止まる、起こしても反応が鈍い、唇や顔色が悪いといった様子があれば、すぐに医療スタッフに連絡してください。
上野いびきクリニックまでお気軽にご相談ください【当日予約可】
📞0120-899-930
〒110-0005 東京都台東区上野4−8−8 上野シルクビル 5階

English Support Available
We provide medical services for international patients. Please check our English website for details on how to visit our clinic.
記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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