うつ病リスクが5倍?「たかがいびき」で済ませてはいけない睡眠時無呼吸症候群の本当の怖さ
「疲れているから、いびきをかいているだけだと思う」
「日中眠いのは年齢や仕事のせいだと思っていた」このように、いびきを軽く考えている方は少なくありません。しかし、最近報道されたニュースでは、睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧・心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病などの生活習慣病だけでなく、うつ病のリスクにも関係する可能性があると紹介されました。今回はうつ病と睡眠睡眠時無呼吸症候群の関係について詳しく解説します。
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院長監修記事
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菅谷 和之
上野いびきクリニック 院長/麻酔科医
2万症例以上の全身麻酔経験を有する院長がいびき・睡眠時無呼吸の診療を中心に、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。【保険診療】上野いびきクリニック
本記事は院長 菅谷和之の監修のもと、いびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)などに関する検査・治療など正しい医療情報をわかりやすく解説しています。
いびきの原因は喉の構造から肥満まで多岐にわたります。上野いびきクリニックでは、特定の治療法に偏ることなく、医学的根拠に基づいた幅広い選択肢から、患者様に最適なプランをご提案できる体制を整えています。
保険診療でしっかり検査・継続治療
- 簡易検査・PSG検査:睡眠の状態を精密に分析
- CPAP治療:中等症〜重症の無呼吸への標準治療
自由診療で根本改善・短期集中
- 最新いびきレーザー治療:切らない根本治療
- 医療ダイエット:減量による物理的な気道確保
※当院はいびき治療専門専門クリニックとして、保険・自由診療の両面から「止まらないいびき」の解決に全力を尽くします。
特に注目すべきなのは、睡眠時無呼吸症候群により、睡眠中に何度も低酸素状態が起こり、それが脳や自律神経、メンタルヘルスにまで影響を及ぼす可能性があるという点です。
いびきは単なる「音」の問題ではありません。睡眠中に呼吸が止まり、体が低酸素状態になっているサインかもしれません。そして、その状態が毎晩繰り返されると、脳・心臓・血管・代謝・メンタルヘルスにまで影響が広がっていきます。
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この記事では、今回のニュースをきっかけに、睡眠時無呼吸症候群とうつ病、低酸素、日中の眠気、朝の頭痛、受診すべきサインについて、専門的な視点からわかりやすく解説します。
この記事の目次
睡眠時無呼吸症候群とは何か
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が何度も止まったり、浅くなったりする病気です。特に多いのが、のどの空気の通り道が狭くなる「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」です。
人は眠ると、全身の筋肉がゆるみます。これは自然なことですが、のどの周囲の筋肉もゆるむため、舌の根元や軟口蓋が落ち込みやすくなります。その結果、気道が狭くなり、空気が通りにくくなると、いびきが出ます。さらに気道がふさがると、呼吸が止まります。
つまり、いびきは「空気の通り道が狭くなっている音」です。呼吸が完全に止まる前段階のサインであることも多く、特に「大きないびき」「途中で呼吸が止まる」「その後、ガッと息を吸う」というパターンは注意が必要です。
いびきは「音」ではなく「気道が狭くなっているサイン」
いびきが強い方の中には、眠っている間に何度も呼吸が止まり、血液中の酸素濃度が下がっている方がいます。本人は眠っているため気づきにくく、家族やパートナーの指摘で初めて発覚することも少なくありません。
なぜ「低酸素」が問題なのか

睡眠時無呼吸症候群の怖さは、単に眠りが浅くなることだけではありません。呼吸が止まることで、血液中の酸素濃度が下がることが大きな問題です。
人間の体は酸素を使って動いています。脳も、心臓も、血管も、筋肉も、酸素が十分に供給されていることを前提に働いています。ところが、睡眠中に何度も呼吸が止まると、体はそのたびに低酸素状態になります。
低酸素になると、体は危険を感じて交感神経を活性化させます。簡単に言えば、寝ているはずなのに、体の中では「緊急事態」が何度も起きている状態です。
その結果、血圧が上がりやすくなり、心臓に負担がかかり、血管にもストレスが加わります。夜間に血圧が下がらない、朝方に血圧が高い、降圧薬を飲んでもなかなか血圧が安定しないという方の中には、背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあります。
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うつ病リスクと睡眠時無呼吸症候群の関係

今回の報道で特に注目されたのが、「睡眠時無呼吸症候群とうつ病リスクの関係」です。
睡眠時無呼吸症候群とうつ病は、一見すると別の病気に見えるかもしれません。しかし、実際には症状が重なりやすい病気です。
たとえば、睡眠時無呼吸症候群では、次のような症状が出ることがあります。
- 朝起きても疲れが取れない
- 日中に強い眠気がある
- 集中力が続かない
- やる気が出ない
- イライラしやすい
- 気分が落ち込みやすい
- 仕事の能率が落ちる
- 人と会うのが面倒になる
これらは、うつ病や適応障害、慢性疲労と間違われやすい症状でもあります。もちろん、睡眠時無呼吸症候群があれば必ずうつ病になる、という単純な話ではありません。しかし、睡眠中の低酸素、睡眠の分断、慢性的な疲労、自律神経の乱れが重なることで、メンタル面に影響しやすくなることは十分に考えられます。
特に注意すべきなのは、「うつ病として治療しているが、睡眠時無呼吸が見逃されているケース」です。気分の落ち込みや集中力低下の背景に、実は毎晩の無呼吸があるかもしれません。
「眠っているのに回復しない」状態が心を削っていく
睡眠の役割は、単に体を休めることではありません。脳の疲労回復、記憶の整理、自律神経の調整、ホルモン分泌、免疫機能の調整など、さまざまな働きがあります。
ところが、睡眠時無呼吸症候群があると、眠っている間に呼吸が止まり、そのたびに脳が浅く覚醒します。本人は目が覚めた自覚がないことも多いですが、脳波上は細かい覚醒が繰り返されていることがあります。
そのため、睡眠時間は7時間、8時間とっているのに、実際には深く眠れていない状態になります。
この「眠っているのに回復しない」という状態が長く続くと、次第に日中のパフォーマンスが落ちます。最初は「少し眠い」「集中しにくい」程度かもしれません。しかし、慢性化すると、仕事のミスが増える、運転中に眠くなる、会議中に意識が飛ぶ、休日も寝て終わる、家族との会話が減る、といった生活上の問題につながります。
そして、この状態が続くと、「自分は怠けているのではないか」「やる気がない人間になってしまったのではないか」と感じてしまう方もいます。
しかし、実際には意志の問題ではなく、睡眠中に酸素が下がり、脳と体が回復できていない可能性があります。
見逃してはいけない3つのサイン
睡眠時無呼吸症候群を疑うサインとして、特に重要なのが次の3つです。
| サイン | 考えられる理由 | 注意点 |
|---|---|---|
| 日中の強い眠気 | 睡眠中に呼吸停止や浅い呼吸が繰り返され、深く眠れていない可能性があります。 | 運転中や仕事中の眠気は事故やミスにつながるため注意が必要です。 |
| 朝すっきり起きられない | 睡眠時間は足りていても、睡眠の質が低下している可能性があります。 | 「年齢のせい」「疲れのせい」と決めつけないことが重要です。 |
| 朝の頭痛 | 睡眠中の酸素低下や二酸化炭素の影響が関係することがあります。 | いびきや無呼吸の指摘がある場合は検査を検討しましょう。 |
1. 日中に強い眠気がある
睡眠時間は足りているはずなのに、昼間に眠くなる。会議中、運転中、食後、パソコン作業中に強い眠気が出る。これは睡眠の質が低下しているサインかもしれません。
特に危険なのは、運転中の眠気です。睡眠時無呼吸症候群では、本人が「少し眠いだけ」と思っていても、実際には集中力や反応速度が低下していることがあります。
2. 朝すっきり起きられない
しっかり寝たはずなのに、朝から体が重い。目覚ましを何度も止めてしまう。起きた瞬間から疲れている。これも睡眠時無呼吸症候群でよく見られる症状です。
睡眠時間ではなく、睡眠の質が問題です。睡眠中に呼吸が止まって何度も脳が覚醒していれば、長時間寝ていても回復感は得られません。
3. 朝起きたときに頭痛がある
朝の頭痛も重要なサインです。睡眠中に酸素濃度が下がったり、二酸化炭素がたまりやすくなったりすると、起床時に頭痛を感じることがあります。
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いびきがある人全員が重症とは限らないが、放置は危険
もちろん、いびきをかく人すべてが重症の睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。疲労、飲酒、鼻づまり、仰向け寝、体重増加などで一時的にいびきが強くなることもあります。
しかし、次のような場合は、単なるいびきとして放置しない方がよいです。
- 家族から「息が止まっている」と言われた
- いびきが急に大きくなった
- 日中の眠気が強い
- 朝の頭痛がある
- 夜間頻尿がある
- 高血圧がある
- 肥満傾向がある
- 首回りが太い
- あごが小さい
- 飲酒後にいびきが悪化する
- 寝ても疲れが取れない
- 気分の落ち込みや集中力低下が続いている
特に、家族やパートナーからの指摘は非常に重要です。睡眠時無呼吸症候群は、本人が眠っている間に起こるため、自分では気づきにくい病気です。むしろ、最初に異変に気づくのは隣で寝ている人であることが多いのです。
検査では「何回止まったか」だけでなく「どれだけ酸素が下がったか」も見る

睡眠時無呼吸症候群の検査では、AHIまたはREIという指標がよく使われます。これは、1時間あたりに無呼吸や低呼吸が何回起きているかを示す数値です。
ただし、実際の診療では「何回止まったか」だけを見ているわけではありません。酸素飽和度がどの程度下がっているか、いびきの程度、脈拍の変動、睡眠中の体位、日中症状、合併症の有無なども重要です。
たとえば、無呼吸の回数が中等度でも、酸素が大きく下がっている場合は体への負担が強い可能性があります。逆に、数値だけでは軽症に見えても、日中の眠気や集中力低下が強い場合には、生活への影響が大きいこともあります。
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治療はCPAPだけではない。ただし重症例ではCPAPが重要

睡眠時無呼吸症候群の治療には、いくつかの選択肢があります。
軽症の場合や、体位によって悪化するタイプでは、減量、飲酒制限、横向き寝、鼻づまりの治療、生活習慣改善などが有効なことがあります。
中等症から重症の場合、特に酸素低下や日中症状が強い場合には、CPAP治療が中心になります。CPAPは、睡眠中に鼻から空気を送り、のどの気道がつぶれないようにする治療です。
一方で、CPAPが合わない方、軽症から中等症の方、いびきが主症状の方、のどの緩みが強い方では、マウスピース、体位療法、鼻治療、レーザー治療などを組み合わせて考えることもあります。
重要なのは、「いびき=全員同じ治療」ではないということです。原因が鼻なのか、舌なのか、のどなのか、肥満なのか、あごの形なのか、睡眠時無呼吸の重症度はどの程度なのかを確認したうえで、治療を選ぶ必要があります。
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メンタル不調がある人ほど、睡眠時無呼吸を見逃してはいけない
気分の落ち込み、不安、イライラ、集中力低下、やる気の低下が続くと、多くの方は「心の問題」と考えます。もちろん、精神的ストレスやうつ病そのものの治療が必要なケースもあります。
しかし、同時に確認してほしいのが「睡眠中の呼吸」です。
睡眠時無呼吸症候群による慢性的な睡眠の質の低下は、メンタル不調と非常に似た症状を起こします。特に、朝から疲れている、日中眠い、家族にいびきや無呼吸を指摘されている、体重が増えた、高血圧があるという方では、睡眠時無呼吸症候群を一度調べる価値があります。
「気分が落ち込むから睡眠が悪い」のか、
「睡眠中に呼吸が止まっているから気分が落ち込む」のか、
あるいはその両方なのか。
ここを見極めることが非常に重要です。
受診の目安
次のうち1つでも当てはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群の検査を検討してください。
- 大きないびきを指摘された
- 寝ているときに息が止まっていると言われた
- 日中の眠気が強い
- 朝起きても疲れが取れない
- 朝の頭痛がある
- 夜中に何度もトイレに起きる
- 血圧が高い
- 体重が増えてからいびきが悪化した
- 集中力低下や気分の落ち込みが続いている
- CPAPが必要かどうか知りたい
- いびき治療をしたいが、まず検査で状態を確認したい
睡眠時無呼吸症候群は、自宅で行える簡易検査から調べられる場合があります。指先や鼻にセンサーをつけて眠ることで、呼吸の状態や酸素濃度の低下を確認します。必要に応じて、より詳しいPSG検査を行うこともあります。
「いびきだけで病院に行っていいのか」と迷う方もいますが、いびきは睡眠中の気道トラブルのサインです。放置する前に、一度状態を確認することが大切です。
いびき・睡眠時無呼吸が気になる方へ
「たかがいびき」と思っていても、睡眠中に呼吸が止まり、低酸素状態が繰り返されている可能性があります。
日中の眠気、朝の頭痛、寝ても疲れが取れない、気分の落ち込み、家族からの無呼吸の指摘がある方は、一度検査で状態を確認することをおすすめします。
上野いびきクリニックでは、保険診療での簡易検査・PSG検査・CPAP管理に加え、症状や検査結果に応じたいびき治療のご相談も可能です。
※症状や検査結果により、保険診療・自費診療の適応が異なります。まずは現在の状態を確認することが重要です。
まとめ:「たかがいびき」ではなく、体と心からの警告かもしれない
いびきは、単なる騒音ではありません。睡眠中に空気の通り道が狭くなり、体が苦しんでいるサインかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、低酸素、睡眠の分断、交感神経の過活動が毎晩繰り返されます。その結果、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などのリスクに加え、気分の落ち込みや集中力低下、うつ症状にも関係する可能性があります。
特に、日中の強い眠気、朝すっきり起きられない、朝の頭痛は見逃してはいけないサインです。
「最近、疲れが取れない」
「家族にいびきや無呼吸を指摘された」
「気分の落ち込みや集中力低下が続いている」
「寝ているはずなのに、日中つらい」
このような症状がある方は、まず睡眠中の呼吸を調べてみることをおすすめします。
上野いびきクリニックでは、いびき・睡眠時無呼吸症候群に対して、保険診療での検査やCPAP管理、自費診療でのいびき治療など、症状や検査結果に応じた診療を行っています。
いびきを「恥ずかしいこと」「年齢のせい」「疲れのせい」と片づけず、体と心を守るためのきっかけとして、一度ご相談ください。
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記事監修者

上野いびきクリニック院長 菅谷 和之
2004年に藤田医科大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で麻酔科医として勤務を開始。その後、全国の市民病院や自由診療クリニックで臨床経験を重ね、これまでに2万件以上の全身麻酔を担当。2020年には脊椎専門の「東京脊椎クリニック」を設立し、2025年からは上野いびきクリニックの院長として勤務
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